ロシア戦略ロケット軍 – Wikipedia

ロシア戦略ロケット軍(ロシアせんりゃくロケットぐん、ロシア語:Ракетные войска стратегического назначения、略称:РВСН、英語: Strategic Missile Forces of the Russian Federation)は、ロシア連邦の軍事組織のひとつである。ロシア連邦軍の独立兵科の一つであり、ロシア連邦軍の戦略核兵器戦力の主力となっている。任務は、侵略の核抑止並びに敵の軍事・経済施設に対する核ミサイル打撃による撃破である。

日本語翻訳名としては、戦略ロケット軍のほか戦略ミサイル軍と表記されることもある。ロシア語名称の直訳は、戦略任務ロケット軍となる。

「ロケット軍」と表記されることが多いが、実際には宇宙関係の任務を行うわけではない。これは、ロシア語においてミサイルもロケットも同じ単語「ラケータ」(ракетаラキェータ;rakyeta)で表されるためであり、ロシアには、弾道ミサイルの警戒や人工衛星の開発・運用など宇宙関係の任務を行うロシア宇宙軍が別に存在する。弾道弾攻撃を担当するので「ミサイル軍」の表現の方が性格としては正しい。

1959年12月17日、ソ連閣僚会議決定に従い、独立軍種としての戦略ロケット軍創設。同年12月31日、編成完結。

1960年、部隊戦闘当直規程施行。1960~1961年、ロケット軍団、師団、旅団、連隊、大隊の建制が確立。R-16、R-9Aを装備。

1965年~1973年、RS-10、RS-12、R-36を装備。1970年、部隊統制の改善のために、軍級部隊創設。

1973年~1985年、サイロ発射型のRS-16、RS-20A、RC-20B、RS-18と機動発射型のRSD-10(「ピオネール」)を装備。

1985年~1992年、RS-22(サイロ、鉄道発射型)、RS-20B(サイロ発射型)、RS-12M(機動発射型)を装備。1987年12月に成立した中距離核戦力全廃条約に従い、RSD-10を含むIRBMが廃棄された。

1997年、宇宙軍、防空軍宇宙ミサイル防衛部隊が軍種としての戦略ロケット軍に統合された。このころの兵員数は約10万人で半数は徴兵されたものであった[1]

2001年6月、宇宙軍が分離され、戦略ロケット軍は独立兵科となる。

2010年7月現在、戦略ロケット軍は、3個ロケット軍、11個ロケット師団から成り、ミサイル×369発、核弾頭×1247発を装備する。

  • 第27親衛ロケット軍:ウラジーミル
    • 第7親衛ロケット師団:ヴィポルゾヴォ。RT-2PM(RS-12M)×18発
    • 第14ロケット師団:ヨシュカル・オラ。RT-2PM×27発
    • 第28親衛ロケット師団:コゼリスク。UR-100NUTTKh(RS-18)×29発
    • 第54親衛ロケット師団:テイコヴォ。RS-24×18発、RT-2PM2(RS-12M2)×18発
    • 第60ロケット師団:タチシチェヴォ。UR-100NUTTKh×41発、RT-2PM2×49発
    • 第98独立飛行隊:ウラジーミル
  • 第31ロケット軍:オレンブルク
  • 第33親衛ロケット軍:オムスク
    • 第35ロケット師団:バルナウル。RT-2PM×36発
    • 第39親衛ロケット師団:ノヴォシビルスク。RT-2PM×36発
    • 第51親衛ロケット師団:イルクーツク。RT-2PM×27発
    • 第62ロケット師団:ウジュル。R-36MUTTKh/R-36M2×28発
    • 第105独立飛行隊:オムスク

歴代司令官[編集]

  1. ^ ミリタリーバランス2000-2001 国際戦略研究所

関連項目[編集]

外部リンク[編集]