粗品 (お笑い芸人) – Wikipedia

粗品(そしな、1993年〈平成5年〉1月7日 – )は、日本の漫才師、お笑いタレント、司会者、ミュージシャン。お笑いコンビ・霜降り明星のツッコミ担当。相方はせいや。本名は佐々木 直人(ささき なおと)[2]。吉本興業東京所属。NSC大阪校33期と同期扱い。2019年R-1ぐらんぷり優勝者。
ミュージシャンとしてはユニバーサル ミュージック内の自主レーベル”soshina”所属[3]

大阪府大阪市出身[4]。同志社国際中学校・高等学校卒業[5]。同志社大学文学部国文学科中途退学。芸名には「『つまらないものですが…』と謙虚な姿勢で」の意味を込めている[6]しかし相方のせいやによると「(粗品という芸名は)プロになる前(高等学校在学中)から付けてた」とのことで、「オモシロでつけた」という指摘もある。[要出典] 実家は昭和46年(1971年)創業の心斎橋の焼肉屋「味希」[7]。父が他界し、父の遺した店を守るべく母と粗品で切り盛りする。

高等学校時代[編集]

1年生[編集]

2009年、同志社国際高等学校1年生の時に『R-1ぐらんぷり』に初出場。結果は1回戦敗退に終わる。このR-1の1回戦が芸人としての初舞台であった[8]

2年生[編集]

同級生とのコンビ『スペード』を結成。ハイスクールマンザイに出場し、決勝進出。当時はボケ担当だった。『スペード』時代の相方は現在、関西テレビ放送に勤務している[9]。この頃は『札幌グリニッジ』というコンビでも活動し、芸人本庄強主催のライブに出演していた。『R-1ぐらんぷり2010』に出場し、2回戦敗退[10]

3年生[編集]

『スペード』としてハイスクールマンザイに出場し、セミファイナル(近畿地区)進出[11]。この時、コンビ『ドンパルトン』として同大会に出場していた石川晟也ことせいやと出会う。また、第2回漫才台本甲子園に『佐々木直人』名義で13作品を応募、その内の『電車』で入選(優勝)[12]。さらにこの年、『R-1ぐらんぷり2011』に出場し、準決勝進出。インディーズのライブに多少出演した程度の舞台経験しかなかったにも関わらず、ぶっつけ本番で準決勝に行けたことで、「俺、お笑い向いてるんちゃう?」と自信を持ったことが芸人になるきっかけとなった[13]

大学入学後、プロ入りへ[編集]

大学1年生の時にオーディションを受け、ピン芸人として吉本興業へ所属。

『オールザッツ漫才2012』で行われたFootcutバトルに番組史上最年少である19歳で初出場し、優勝。優勝者インタビューで「成人したらスーツを着て漫才をしたい」と語った。程なくして当時近畿大学の学生だったせいやと、2013年1月にお笑いコンビ『霜降り明星』を結成。当初はコンビでの活動時は本名の佐々木直人、ピン芸人としての活動時に芸名の粗品として使い分けていたが、暫くしていずれの活動も『粗品』名義で統一するようになった。[要出典]

2018年3月、『R-1ぐらんぷり』の決勝に初進出した。相方のせいや[注 1]と共に決勝進出を果たし、同じ年にコンビ揃っての決勝進出は、史上初となった。同年12月2日、コンビで出場した『M-1グランプリ2018』にて優勝。

翌年の『R-1ぐらんぷり2019』でも2年続けて決勝に進出。同大会では粗品がネタを披露したBブロックとFinal Stageで2回とも得票数が同数となったが、票を入れた審査員の多い方が勝者となるルールに伴い、優勝を果たした。優勝後の会見で、「圧勝したほうがかっこよかった。怪しさを残したのは心残り」と語った。また、前年の『M-1グランプリ』優勝と合わせて、史上初の『M-1』と『R-1』の二冠を達成した[14]

2020年5月3日に『ビームが撃てたらいいのに[15]』でボカロPデビューした(詳細は#ボカロPとしてを参照)。

2020年末発表の「2020タレント番組出演本数ランキング」(ニホンモニター)では、出演番組数408番組で9位、初のトップ10ランクインとなった[16]

2021年1月7日、自身のYouTubeチャンネルで、ユニバーサルミュージック内のレーベル「soshina」を立ち上げ、アーティストとして音楽活動を本格化させると発表した。[要出典]

2021年7月3日、『太鼓の達人』の20周年アンバサダーに就任。各方面における広報活動の他、自身が制作した楽曲「乱数調整のリバースシンデレラ feat.彩宮すう(CV:竹達彩奈)」「怪獣少女は火を吹かない」がゲーム内に収録された。また20周年記念楽曲として「大好きな太鼓の音 feat.どんちゃん」も制作。いずれも楽曲のおに裏譜面は粗品の制作である[17]

2021年10月9日に放送された『オールスター感謝祭’21秋』にて、冒頭3つのピリオドで連続して「ピリオドチャンピオン」に輝いた。その後も正解を連発し、総合結果はウエンツ瑛士、柔道選手のウルフ・アロンに続く3位に輝き、賞金50万円を獲得した[18]

2021年12月30日、以前より交際していた女性と結婚したことを、霜降り明星のYouTube公式チャンネル「しもふりチューブ」の配信内で発表した[19]

2022年3月25日、ラジオにて子供がいた事を明かした[20]

2022年3月26日に放送された『オールスター感謝祭’22春』にて、2つのピリオドで「ピリオドチャンピオン」に輝いた。その後も正解を連発し、総合結果は3位の濱田岳、2位の二宮和也を抑え1位に輝き、賞金100万円を獲得した[21]

趣味は、アニメ(主に『ひぐらしのなく頃に』、『涼宮ハルヒの憂鬱』、『とらドラ!』などの深夜アニメ)、ゲーム(『Call of Duty』、『Clash of Clans』、『東方Project』)、パソコン、音楽、麻雀、パチンコ、競馬[1][22]

ゲーム「Call of Duty」では自身のYouTubeチャンネルで「Call of Duty Warzone」の配信をしばしば行なっており、同ゲームの人気実況者「ハセシン」や「Rush GP」とコラボしたこともある。

無類のギャンブル好きであり、自身のYouTubeチャンネルで競艇や競馬を3日間行い700万円負けたことがある[23]

移動や収録待ちの時間はずっと『シャドウバース』をプレイしており、ゲームは寝る前や起きた後を含めて一日に3時間から4時間はプレイしている(2019年時点)[24]

特技はタイピング、音楽全般(ピアノを2才から、ギターを中学一年生からやっている)、じゃんけん(2013年のカウントダウンライブで行われた5upよしもとに所属する約800名の芸人たちによるじゃんけん大会で優勝した)[25]。絶対音感があり、「本質で笑う声」、「芸人が好きだから笑っているだけの声」などの様々な種類の笑い声を聞き分けることができる[26]

漫才のつかみとして、顔を「スプーンに映った小栗旬」[27]、「三面鏡の奥の方にいる小栗旬」と例えるくだりがある。

一人っ子で、父は昔から病弱だった。粗品が高校3年の時に父が余命1年との宣告を受け、その夜「あと1年あるから、家族で何処何処に行こう」と泣きながら話したが、翌月で他界。粗品曰く父は「ボケが弱い」人だったが、亡くなった時に「ボケ強い」と思い、自慢の父として「すべらない話」でこのエピソードを披露した。

焼肉屋「味希」の看板には父の愛称であるよっちゃん昭和64年創業と書かれている。独特のケッパリが有名で焼肉のスープは「味希」が元祖だと主張している。[28]

粗品の父が病に倒れ自宅療養をした際に「沢山水分を取らなきゃならない」と医師から指示された。しかし父は床から上がれず声も出しにくいほどの重病だったため、家族に欲しい飲み物を知らせることが出来るよう、粗品が父にハンドベルを購入。音階ごとに飲みたい物の種類を振り分け、絶対音感のある母と2人で飲み物を出していた。そんな生活が続いたある日、父が拙い音で「きよしこの夜」を弾いていた。その日はクリスマスで、父が「クリスマスに倒れて楽しみを奪って情けない」と泣いているのを見た粗品も泣いていたところ、母は「大量の飲み物を欲しがっている」と勘違いし、家中の飲み物を抱えて部屋に入ってきたという[29]

非常に怖がりで、特に虫が大の苦手。驚いた時の声はまるで女性の悲鳴のように非常に甲高い[30]

嵌頓包茎であり、それにより性行為ができないと語っている。手術はしないと公言している(2020年時点)[31]

2歳の頃からピアノを習っていたほか、学生時代にジュニアオーケストラで指揮するなど音楽への造詣が深く、邦楽ロック、アニソン、クラシックなど幅広いジャンルに精通している。クラシック音楽の指揮者では佐渡裕の大ファンで、毎年の暮れには、「サントリー1万人の第九」(佐渡が1999年から総指揮を担当する大阪城ホールでの音楽イベント)のダイジェスト番組(毎日放送制作)を欠かさず見ているという。2018年の『M-1グランプリ』優勝後のインタビューで「いつか出たい番組は?」と訊かれた時にも、「『1万人の第九』」と即答している。さらに、そのやり取りを報道で知った佐渡からのオファーで、相方のせいやと共に翌2019年の第37回公演へゲスト出演。第2部(「交響曲第9番」の合唱および演奏)の前には、2018年の公演まで主に俳優が担っていた「よろこびのうた」(フリードリヒ・フォン・シラーの詩作品『歓喜に寄せて』の日本語訳)の朗読を、お笑い芸人から初めて任された。史上最年少(出演時点での年齢は26歳)の朗読ゲストでもあったが、第35回(2017年)の朗読を小栗旬が担当したことにちなんで、「100万回ダビングした小栗旬です」と挨拶してから朗読を開始。シリアスな朗読の合間に、後述するフリップ漫談を応用した「スクリーン芸」を通じて、シラーやルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンが作品に込めたメッセージを解説する異色の構成で場内の喝采を浴びた[32]。翌2020年の第38回公演では、佐渡からの指名で総合司会に起用[33]。開催地の大阪府内における新型コロナウイルス感染者急増の影響で、本番(12月6日)の2週間前に史上初めての無観客公演(インターネット向けの無料ライブ配信コンサート)へ急遽変更される事態に直面しながらも、お笑い芸人としては初めての大役を務めた[34]

コンビではツッコミを担当(トークなどではボケに回ることも多い)。立ち位置は右。

ピン芸としては「病院から抜け出してきた男」という設定のもと、パジャマ姿でフリップ芸を行う。ハイテンポなフリップめくりとツッコミが特徴。初期はルパン三世のコスチュームを舞台衣装としていたが、2017年頃から黒のスーツに黄色のネクタイを着用している。『R-1ぐらんぷり』出演時のピンの衣装は2018年では作務衣姿でネタ披露をしていたが、2019年には「原点回帰」としてパジャマ姿に戻した。

『R-1ぐらんぷり』にはフリップネタで2009年から出場しており、ネタの1枚目のフリップに吹き出しで『こやけ』と書いて、『どうも粗品です。お願いします。こやけ』と言ってからネタを始めていた。粗品はインタビューで「それを挨拶ギャグみたいにしてたんですけど、マジで、これがいらんかったです。それをやめたら、すぐに決勝に行けました(笑)」と語っている[8]

松本人志は、粗品のネタについて、「普通のフリップ芸よりも2倍以上のフリップの枚数がある。高速ならではの、時間を一定にする分、笑いで緩急をつけるという実は緻密な計算の上に成り立っている」と評した[35]

賞レースでの戦績[編集]

アマチュア時代[編集]

  • R-1ぐらんぷり2009 1回戦敗退[8]
  • ハイスクールマンザイ2009 決勝進出 ※コンビ「スペード」として[9]
  • R-1ぐらんぷり2010 2回戦敗退[10]
  • ハイスクールマンザイ2010 セミファイナル(近畿地区)進出 ※コンビ「スペード」として[11]
  • 第2回漫才台本甲子園 入選 ※「佐々木直人」名義[12]
  • R-1ぐらんぷり2011 準決勝進出[13]

プロ入り後[編集]

  • R-1ぐらんぷり2012 3回戦進出
  • オールザッツ漫才2012 FootCutバトル優勝
  • R-1ぐらんぷり2013 準決勝進出
  • ワラチャン! U-20お笑い日本一決定戦 決勝進出
  • 5upカウントダウンジャンケン大会 優勝
  • R-1ぐらんぷり2014 準決勝進出
  • R-1ぐらんぷり2015・2016・2017 準決勝=復活ステージ進出[36]
  • R-1ぐらんぷり2018 決勝進出
  • M-1グランプリ2018 優勝(霜降り明星として)
  • R-1ぐらんぷり2019 優勝
  • フットンダ2022 優勝[37]
  • TBSオールスター感謝祭2022春 総合優勝

コンビとしての出演は霜降り明星#出演を参照。

現在のレギュラー番組[編集]

テレビ番組[編集]

バラエティ

  • 霜降り明星・粗品が今一番やりたい企画TV〜R-1ぐらんぷり2019優勝者特番〜(関西テレビ、2019年7月14日)[38]
  • ローランド先生(フジテレビ、2019年12月19日・2020年4月20日) – MC
  • トコロ変わればスゴイ人(TBS、2020年1月22日)[1]
  • 親のおカネ、子知らず(TBS、2020年2月22日) – MC
  • R-1ぐらんぷり2020(フジテレビ、2020年3月8日) – MCアシスタント[39]
  • 謎解き×クイズ Xからの挑戦状~封じられたカルテット~(テレビ朝日、2020年7月18日)- MC
  • 100時間後に事件が起こります(テレビ朝日、2020年8月15日、8月29日)- MC
  • 歌カツ! 〜歌うま中高生応援プロジェクト〜(テレビ朝日、2020年10月9日 – 2021年3月26日) – MC
  • サントリー1万人の第九(MBSテレビ・TBSテレビ系列、2020年・2021年) – 司会[40]

テレビドラマ[編集]

ネット番組[編集]

映画[編集]

  • 半径1メートルの君~上を向いて歩こう~「同度のカノン」(2021年2月26日、KATSU-do)[41] – 監督・脚本

広告[編集]

ライブ[編集]

単独ライブ

  • 「怪獣少女は火を吹かない」 (2021年4月18日、よしもと有楽町シアター)[42]

企画ライブ

  • 「ツッコミ」(2020年2月20日、東京・ルミネtheよしもと )[43]
  • 「ツッコミ集落」 (2021年4月18日、よしもと有楽町シアター)[44]

ゲストMC

  • 「キチ4」 (2020年7月10日、日本青年館)[45]

ボカロPとして[編集]

2020年5月3日に、VOCALOIDを使用した楽曲、『ビームが撃てたらいいのに』をYouTubeとニコニコ動画で投稿。5月19日に2作目『ぷっすんきゅう』、6月7日に3作目『希う』、6月20日に4作目『最高に頭が悪い曲』を公開した。

2021年1月7日、ユニバーサルミュージック協力のもと、自身のレーベル「soshina」を立ち上げアーティスト活動を本格化。昨年5月からYouTubeにアップしてきたオリジナルのボカロ楽曲計9作品を1月27日に配信リリースするほか、同年3月には新レーベルより第1弾作品をリリースする予定[46]

また、各作品はpiaproでオフボーカルバージョンと歌詞を公開しており、ライセンスも非営利目的の使用を許可している。

粗品Pがアップしたボカロ曲一覧
タイトル 公開日付
1. 『ビームが撃てたらいいのに』 2020年5月3日
2. 『ぷっすんきゅう』 2020年5月19日
3. 『希う』 2020年6月7日
4. 『最高に頭が悪い曲』 2020年6月20日
5. 『サンパチスター』 2020年7月28日
6. 『#みどりの唄』 2020年9月9日
7. 『童貞が作ったラブソング』 2020年9月28日
8. 『ほうけいのうた(粗品×ゆゆうた)』 2020年10月18日
9. 『Hinekure』 2021年1月7日
10. 『怪獣少女は火を吹かない』 2021年8月13日

提供曲[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 但し、せいやは敗者復活枠からの進出で、粗品とは所属ブロックが異なっていた。

出典[編集]

外部リンク[編集]