新・オスマン帝国外伝〜影の女帝キョセム〜 – Wikipedia

新・オスマン帝国外伝〜影の女帝キョセム〜』(しんおすまんていこくがいでん かげのじょていきょせむ)は、『オスマン帝国外伝〜愛と欲望のハレム〜』の続編(スピンオフ)として、トルコで2015年から2017年まで2シーズン放送されたテレビドラマ。

原題は「Muhteşem Yüzyıl: Kosem」で、「壮麗なる世紀ーキョセム」。オスマン帝国史上最も権力を持った女性の世として、17世紀のオスマン帝国が描かれた。

ヒュッレムの子で第11代皇帝セリム2世の子ムラト3世の孫の代の治世時。

父メフメト3世の急死により13歳で皇帝となった第14代アフメト1世に妃として迎えられたギリシャ出身のキョセム・スルタン(アナスタシア)が第15代および第16代皇帝を排斥しつつ、自らの皇子2人を第17代ムラト4世と第18代イブラヒム1世としてそれぞれ帝位につけ、主に第13代皇帝の妃サフィエや第18代イブラヒム1世の妃トゥルハンと争いながら権力を持つ母后となり、さらに孫の第19代メフメト4世の代にも実権を握り、オスマン帝国が最大版図を誇った17世紀の時代を生きた歴史ドラマ。

なお舞台セットや使用楽曲は『オスマン帝国外伝〜愛と欲望のハレム〜』と一部共通となっている。

あらすじ[編集]

  • 第1シーズン

西暦1603年、オスマン帝国皇帝メフメト3世が30代で急死し、皇子のアフメトが13歳で帝位に就いた。後宮ではメフメトの母で太皇太后となったサフィエと、アフメトの母の母后ハンダンの確執が始まった。前皇帝の妹の皇女ファーリエは、オスマン帝国の属国であるクリミア・ハン国の皇子メフメト・ギライと愛し合っていたが、海軍提督のデルヴィーシュと婚約させられていた。デルヴィーシュは大宰相になるかと思われたが、大宰相になったのはソコルル家のララ・メフメトだった。デルヴィーシュはハンダンを愛していた。オスマン帝国では、皇帝が即位するとその男の兄弟らは殺されるのが習慣で、メフメトの兄も殺されていたが、メフメトは弟でハリメを母とするムスタファを殺さないと決意した。

イタリアから捕縛されたアナスタシアは、メフメトの側女として後宮に入れられるが、父のエンツォが連れ戻しに侵入する。アナスタシアはイスケンデルという青年に導かれて脱出を試みるが、皇帝を愛していることに気づき、戻る。

ファーリエ皇女はシャーヒンの示唆で、天然痘になる毒をアフメトに食べさせるが、ムスタファも罹患してしまう。だが二人は恢復し、アフメトは遠征に出るが、その間にハンダンがムスタファを殺そうとする事件が起こる。アナスタシアは暴徒を鎮め、弾丸を胸に受けるが硬貨のため助かり、キョセム(人を導く者)という名を受ける。アフメトが帰国すると、サフィエはエンツォを人質にとり、ハンダンの仕業だと皇帝に告発しろとキョセムを脅し、キョセムは言うことを聞いてハンダンは旧宮殿(エスキサライ)に追いやられるが、エンツォは死んでしまう。キョセムはファーリエの犯罪を告発してファーリエを追放するが、アフメトに嫌われてしまい、父のことを告発して許しを得る。アフメトは旧宮殿へ追放されたサフィエの財産を没収し、ハンダンを連れ帰る。アフメトの第一の寵姫マフフィルーゼは皇子を生み、オスマンと名づけられるが、続いてキョセムも皇子を生み、メフメトと名づけられる。

ファーリエはデルヴィーシュによって毒殺され、嘆いたサフィエは、皇帝が遠征に行った際に襲撃させ、皇帝の死をもってムスタファを即位させるため政変を起こすが、皇帝暗殺は失敗し、デルヴィーシュが皇帝を守って負傷し、皇帝が帰還、サフィエを投獄するが、マフフィルーゼは殺されてしまった。サフィエはボスポラス海峡の「乙女の塔」の地下牢に幽閉されるが、今度はハンダンとキョセムが対立し、ハンダンが推すデルヴィーシュが大宰相になり、キョセムの協力者である町の娘メレキーの母が殺される。皇女ヒュマーシャーが帰国する。キョセムらは、デルヴィーシュの先帝殺しを皇帝に暴露し、アフメトはデルヴィーシュを処刑、ムラトを大宰相に任ずる。ハンダンは毒をあおいで自害する。ヒュマーシャーは後宮の権力を握る。

サフィエは旧宮殿へ戻ってくる。ムラトはキョセムに逆らうようになり、ナスフに毒殺され、ナスフが大宰相となり皇女アイシェと結婚するがこれも処刑され、ハリルが大宰相となる。ハサンは死に、ヒュマーシャーは戻ってきてズルフィカールと結婚する。

1617年、ムスタファが軟禁を解かれるが、ピンハンという疑心暗鬼がかたわらについて、側女を殴り殺す。サフィエはイスケンダルが息子と知り、帝位に就けるためアフメトを暗殺すべく側女ヤーセニンに少しずつ毒を盛らせる。これに気づいたキョセムはヤーセニンを殺させるが、サフィエから、ヤーセニンはキョセムの妹だと知らされサフィエ暗殺を期する。サフィエはイスケンダルがキョセムに心を寄せていることを知る。ディルルバは大宰相ハリルとの結婚を進められるが、密かに第二宰相ダヴドと結婚する。キョセムはイスケンダルに寝ているサフィエを殺すよう命じるができず、サフィエはイスケンダルが息子だと伝え、ズルフィカールに聞いてキョセムもその秘密を知る。キョセムはアフメトに訴え、イスケンダルは捕らえられる。アフメトの胃病は悪く医師団からあと二、三週間の命と言われる。アフメトはイスケンダルを地方の軍政官に任命するが、途中でズルフィカールが皇帝の命として処刑する。キョセムは奴隷身分を解かれアフメトと結婚するがアフメトは死んでしまう。キョセムは閣僚に諮り、次期皇帝にムスタファを就ける。

だがムスタファが即位し母后となったハリメはオスマン、メフメトらの皇子を幽閉し、キョセムを旧宮殿へ追放、サフィエがトプカプ宮殿に戻ってくる。イスケンデルはズルフィカールの策謀で実は生きていて、船で国外へ去る。1618年、ハリメは俸給日のクーデタを予見してオスマンらを処刑しようとするが、キョセムが駆けつける。ムスタファとハリメは幽閉され、オスマンが即位するが、オスマンはキョセムを旧宮殿に追放する。1621年、大宰相はアリになっており、オスマン皇帝は遠征を計画、メレキシマに皇子が生まれ師父の名をとってオメルと名づける。民衆の家を訪ねたキョセムは人ごみの中にイスケンデルを見つける。キョセムは高官らと秘密会議を開くがサフィエの密告でオスマンが訪れ、大宰相アリを殺す。メフメトは逃亡しようとするがオスマンに見つかり、キョセムが説得するがオスマンはメフメト処刑を決意する。メフメトが殺されて厳冬がやってき、民衆は苦しんで、弟を殺した皇帝への神の罰だと噂する。オスマンはイスラムの長老エサトの娘アーキレを妻とする。

サフィエが拉致され、イスケンデルの居場所を言うよう脅されるが、ズルフィカールが救い出す。イスケンデルは船に乗って外地へ行くことになるが、ズルフィカールの計略で船は爆破される。サフィエはキョセムを訪れ毒を飲んで死ぬ。遠征中の反乱は失敗し、オスマンは帝都へ帰ってキョセムとハリメの追放を決めるが、幼い皇子オメルが発砲で死んでしまい、常備軍はキョセムの追放に反対する。1622年、オスマンは独自の軍団を作るためユスキュダルへ移るが、歩兵常備軍が反乱を起こし、オメルらの追放を求める。オスマンは大宰相デルヴィーシュと宦官長スレイマンの命を差し出すが、反乱はダブド・ディルルバらの陰謀で、ムラトらをさらい、ハリメはムスタファの復位をキョセムに迫る。長官公邸へ隠れたオスマンとキョセムは会い和解するが、ディルルバの陰謀でジェンネトは暴徒に殺される。ヒュマーシャーとズルフィカールは和解するが、翌朝の話し合いでズルフィカールは反乱兵にメッタ刺しにされ殺され、反乱兵はオスマンを連れまわし馬に乗せて辱め、ムスタファを皇帝に担ぎダヴドを大宰相とする。キョセムは皇子たちの隠れ家を訪ね、焼けているのを見て絶望するが、帰路、ビュルビュルが乗り込んできて、皇子らを助け出したことを告げる。皇子たちと対面したキョセムは、オスマンがダヴドらに連れ去られたと知って追いかけるが、オスマンは処刑されたあとだった。キョセムはハリメに摂政として勅命を出させてダヴドを処刑し、ディルルバ、オメル、ハリメを殺してムラトを皇帝に就ける。

  • 第2シーズン

 1632年、ムラトが皇帝となりキョセムが摂政をして十年が過ぎた。ムラトの姉ゲヴヘルハンの夫トパルが大宰相だったが、皇帝への反乱に業を煮やしムラトはトパルを殺害する。一方でトパルの死によって、地下で蠢く陰謀の存在が発覚する。オスマン帝国を包囲しようとするキリスト教世界から、ファリア・ベトリン女がムラトの元に庇護を求めてやってくる。

トパルはローマ法王の間諜で、ファリアはローマ法王の甥マルクス枢機卿を殺して追われていた。ムラトは勅命でキョセムの摂政を停止し、キョセムは息子と対決することになる。ムラトは発明家ヘザルフェンのおかげで謎の手紙を解明し、ローマ法王の陰謀について知る。司祭ロレンツォはムラトに、キリスト教に改宗するよう勧め、塔から突き落とされ殺される。アイシェ妃は嫉妬からファリア王女を襲撃させ、ムラトの怒りをかう。王女の叔父のトランシルヴァニア公イシュトヴァーンは独立の気勢を示すが、ファリアが豚の頭を宮殿に置く事件が発生。ファリアの母がイシュトヴァーンに捕らえられ、その居場所はムラトにしか言っておらず、イシュトヴァーンの使いの行商女から脅しの伝言を受けたと話す。ムラトは、シナンが間諜であることに気づく。だが女行商人パイカは発見した時には殺されていた。ギュルバハルが帰国する。ムラトはイシュトバーン討伐のためファリアを連れて遠征に出るが、その留守にギュルバハル派の反乱が起こり、キョセムは行方不明となる。

ムラトが帰国し、キョセムは重体で発見される。騎士隊カセムの息子メフメトが、サルに唆されて刺したのを、ケマンケシュが別室へ運んで焼灼していたのだ。キョセムは回復し、ギュルバハルの陰謀を疑うが、背後にいたのはイエズス会のコーネリウスであった。ムラトはイエズス会を追放するが、キョセムは奪った財産を他のカトリックに与えるよう言う。ムラトはギュルバハルをアマスヤへ追放する。ムスタファはエステルと恋仲だったが、ゲヴヘルハンに愛を告白する。ボスニア州軍政官アバザ・メフメトは、イシュトヴァーンを処刑し、ラコーツィをトランシルバニア王に就けて、カタリンを連れて帝都へ戻る。ファリアはムラトと同衾した翌日、母と帝都を去ろうとするがムラトが追いかけてきて連れ戻す。カセムはムラトの側女のエラーヌールを妊娠させてしまい、キョセムにこれが知れる。ギュルバハルがこれを知ってエラーヌールを隠し、自分を宮廷に置いておくよう皇帝に言わなければ皇帝にばらすとキョセムを脅迫する。イランから贈られた強弓は宮廷の誰も引けずムラトだけが引くが、主馬係のデリ・フセインが引けたため主馬頭に任命される。アティケはムスタファと相思の仲だったが、ムスタファの心がゲヴヘルハンに移る。キョセムは浴室でギュルバハルを閉じ込めるが、白状しないため宮殿に残るよう取り計らい、エラーヌールを発見するが、殺されると思ったエラーヌールは後宮で飛び降りて自殺する。真相をムラトが知るが、キョセムはカセムを殺さないよう懇願する。

アティケはムスタファの恋人はエステルだと思っている。ファリアは妊娠し、それを知ったキョセムはベイナムを旧宮殿に追放、メレキーを追放してラーレザールを後宮出納官に任じる。ムラトはカセムを前皇帝ムスタファの幽閉された部屋に幽閉する。ギュルフェムの命でカセムの件を言いふらしたハニフェはラーレザールに殺され、司教コーネリウスはシナンに殺される。イリヤスが蜂起した知らせが届き、ムラトは出陣し、イリヤスの城を囲む。町へ出たファリアは、アイシェの煽動による民衆に襲われ、ケマンケシュが助け出すが流産し、もう子の産めない体となって、浴室でアイシェを殺そうとして取り押さえられる。キョセムはカセムを幽閉部屋から出そうとするが、皇帝を恐れたカセムは部屋へ戻ってしまう。ムラトは数人で地下道を通っていきイリヤスを捕らえ、イランの弓で射殺する。ファリアが襲われたと聞いてムラトは帰国する。ギュルフェムは帝位簒奪計画をバヤジトに話すがバヤジトは拒む。ムラトはファリアと結婚し、襲撃者を追加して処刑し、民の間に怨嗟の声があがる。キョセムは民の声を聞き、働き手を失った家庭の家計を助ける。

ロドスという風が吹き、ヘザルフェンは塔から飛び立ち、ボスポラスを超えてユスキュダルまで飛ぶ。ムラトは褒めながらも、ヘザルフェンとエヴリヤに、間諜としてアナトリアへ行くよう命じる。エステルはムスタファとゲヴヘルヘンを偽手紙で密会させ、現場をアティケに見せる。キョセムの印章を盗んだシナンは港の船を焼き討ちさせる。大火は町に広がり、ムラトは消化に力を尽くすが、民衆の女から、あなたが皇帝になってから碌なことがないと罵られ、バヤジトが皇帝のほうが良かったと言われる。キョセムは印章の型をとったのがギュルバハルだと知り尋問する。アティケは毒を飲むが命はとりとめる。キョセムは糖尿病を患っている。アティケはゲヴヘルハンを罵り、知ったキョセムは二人を叱ってゲヴヘルハンを結婚させようとする。ムラトを罵った女をシナンは処刑し、ムラトが処刑を命じた男をバヤジトが無断で処刑し、首都は不穏な雰囲気となる。ムラトは前皇帝ムスタファを訪ねて言葉を交わす。アバザ・メフメトを宰相にし、ケマンケシュを歩兵常備軍長官に任命、喫煙とコーヒー店を禁じる。 

ムラトはムスタファをハルヴェスティー教団の道場へ追いやる。キョセムはバヤジトを呼び出し、罪のある兵士ヒュスレヴをケマンケシュに処刑させる。ムラトはブルサへ出かけ、タバコとコーヒーの闇の店を発見し、これを見逃そうとしたイズニクの法官を処刑して三日間町でさらしものにする。アヒザーデはムラトへの反逆を考えるが、キョセムはこれを察知する。法学者ヤーディギャルはムラト兄弟を暗殺しようとするが失敗、ムラトは帝都へ帰る。ムラトはアヒザーデとセイイドを罷免してキプロス島送りにするが、アヒザーデを連れ戻して処刑する。ギュルバハルの宦官ゼイネムは獄中で毒殺される。キョセムはギュルバハルに死刑を言い渡し、ギュルバハルはファリアに手紙を書いて襲撃の黒幕がアイシェだと知らせる。ギュルバハルは毒を飲んで死んだと思わせ、カリカの店へ運ばれ、バヤジトとシナンが蘇生薬を飲ませる。ムスタファは修道場から出てくるが、ムラトの命でアティケと結婚するとゲヴヘルハンに言う。シナンの正体を知ったエステルはシナンに幽閉され、キョセムが糖尿病だと教えたあとで斬首され、首だけがキョセムに届けられる。ムラトはゲヴヘルハンをケマンケシュと結婚させようとするが、ゲヴヘルハンはムラトやキョセムらの前で自害する。

アイシェは皇女を生むが追放処分とされる。ファリアはアイシェが途中で処刑されることを知り本人に告げる。アイシェはアフメト、ハンザーデを道連れに毒を飲んで死ぬ。ムラトは失踪する。カスムはバヤジトを追跡し、ギュルバハルが生きているのを知るが、頭を打たれて昏倒する。帝都ではムラトが死んだと噂が流れ、民が押し寄せるが、キョセムが鎮める。ムラトは酒とアヘンも禁止し、バヤジトにカリカを処刑させる。ムラトの統治に疑問を抱くキョセムは会議を開くが、ムラトはキョセムを旧宮殿に追放しようとする。キョセムは抵抗するが、宮殿を去る。詩人ネフィが帝都を訪れ、ムラトに会う。ムラトはイラン遠征を決めるが、サナーベルはイランの間諜だった。サナーベルの口から、アイシェに処刑のことを話したのがファリアだとムラトは聞く。ファリアは処刑されそうになるが、懐妊していると告げて助命される。キョセムがギュルバハルからの刺客に襲われ、キョセムはバヤジトと言い争う。アバザ・メフメトは、アルメニア人から賄賂をとった廉で罷免され、ムスタファが宰相に、デリ・フセインは海軍提督になる。ムラトはイランのエレヴァン城を攻めるが、降伏の拒否にやってきた使節は総督エミルギューネその人だった。ギュルバハルはイランと通じていたが、ファリアがサナーベルを捕らえ、キョセムらはギュルバハルを発見すが、病に倒れて見失う。サナーベルはキョセムを治療して信頼を回復する。

フェルハトはムラト暗殺を試みるが影武者を殺したのみで処刑される。サナーベルは夜中にファリアを襲撃して返り討ちにあい、イドリスの正体がばれるが、イドリスは自害。エレヴァン城のエミルギューネはムラトとの一騎打ちに敗れ、エレヴァンを明け渡し、ムラトらは進軍する。バヤジトはムラトの手紙を持って帝都に帰るが、それはバヤジトの裏切りをキョセムに知らせるものだった。バヤジトは処刑され、ギュルバハルはその命乞いで牢に入れられる。ムラトは平原で老人に会い、皇統はムラトではなく兄弟の後が継ぐだろうと予言される。

1638年、ムラトはタブリーズを平定して帝都へ帰ってくる。ファリアは二人の皇子を生んでいた。牢を訪れたムラトにギュルバハルは、仲間の高官の名を言うからバヤジトを皇帝廟に葬ってくれと言う。だがギュルバハルが言ったのはディラーヴェルという別の高官で、ムラトはディラーヴェルを切り殺す。イブラヒムは自分も殺されるのではないかという怯えから精神を病む。ムラトは、皇統は父から子へ受け継がれるという勅命を出す。キョセムはイスラム法学者らの特別会議を開いてこれを批判し、ヤフヤがムラトに伝えるが言うことを聞かない。ハジェはケマンケシュとキョセムが親しすぎると、ハンダンの例を出して諫めるが聞かない。ムラトはカセムとイブラヒムをツゲの木の館に幽閉する。キョセムはケマンケシュに命じてファリアとムスタファを殺させ、ハリルの手でギュルバハルを脱獄させるが、護送中、シナンがギュルバハルを救い、二人は結婚する。ムラトはデリ・フセインを第三宰相とし、ケマンケシュを海軍提督に任命する。エミルギューネはユスフと名を変えムラトの朋友になっている。詩人ヤフィーは政治風刺の廉で処刑される。
 セリムとスレイマンがギュルバハルによってさらわれ、ムラトと面会したギュルバハルは、カセムとイブラヒムを殺せば皇子らは返すと言う。ムラトはカセムらを薬で眠らせてギュルバハルに見せ、案内させて皇子を取り戻し、ギュルバハルを絞殺する。だが皇子らは黒死病に罹患していて死に、ムラトも罹患する。キョセムはカセムを次期皇帝に擬して閲兵を行うが、ユスフとシナンがムラトは黒死病ではないと診断し、ムラトが現れて、キョセムを論難する。ムラトの病気は肝硬変だった。キョセムはムラトの廃位を決行しようとするが、シナンに計画が漏れる。ムラトはカセムを処刑し、イブラヒムも殺そうとするが、地震が起きて思いとどまる。キョセムは地下牢に入れられるが、食物を拒否して宮殿に戻される。

ムラトはイブラヒムを帯同してイラン遠征に出かけ、ムガル帝国のシャージャハーンに会い、イラン挟撃の計画を立てる。ハリルはヤクップを拷問して裏切り者がシナンだと知るが、シナンは逃亡していた。シナンは地下牢に入れられるが、拷問で口を割ったヤクップを撲殺する。キョセムは民衆にシナンを罰させるとして街中へ連れ出すが、ムラトからの手紙で母がムスタファらを殺したと知ったアティケが救い出し、ハリルとともに牢に入れ、ムラトの帰還を待つという。医師長エミルはムラトの治療を怠ったとシナンの手紙で知ったムラトはエミルを殺して首をキョセムに送り付け、全権を委任されたアティケはキョセムを外出禁止にする。後宮出納長となったメレキもアティケに協力する。ムラトはイラン軍と激突、大宰相バイラムは戦死し、ケマンケシュが大宰相に任命されてサフィー王を追撃し、ムラトは帝都へ帰る。キョセムは前皇帝ムスタファから、サフィエに似ていると言われる。イブラヒムはザリフェという側女を与えられる。ムラトはイブラヒムを殺すよう命じ、自分の後はクリミア・ハン国から迎えると言う。ムラトは前皇帝ムスタファを連れ出し、ガレー船に乗せて殺す。イブラヒムはアティケの導きで地下道から逃げ出すが、デリ・フセインが待ち構えていた。不穏なものを感じたキョセムとハジュは外へ向かうが、シナンとユスフが待ち構えていて殺されそうになるが、ケマンケシュとハリルが来て救い出す。デリ・フセインはムラトに、イブラヒムを処刑したと言うが実は生きていた。地下牢に入れられたケマンケシュとハリルを救うため、キョセムはデリ・フセインに常備軍の協力を求める。ハリルは間に合わず処刑されるが、ケマンケシュは救い出す。ムラトは若いころ、ムーサ・メレキという友人がいたが、それはキョセムが遣わした者で、ムラトを皇位から遠ざけるためのものだったと白状した。ムラトはそれ以来キョセムに疑念を抱いていたのだ。

1640年、ムラトは死んでイブラヒムが即位する。シナンとヤセフは処刑される。4年がたった。ケマンケシュは大宰相として権勢を振るっているが、イブラヒムが皇子時代の側女だったザリフェは、男児オスマンを生んだがキョセムが嫡出と認めず、現在の寵姫トゥルハンから幽閉され、訴えを聞いたイブラヒムは怒ってトゥルハンが生んだ皇子メフメトを地面に叩きつける。イブラヒムはオスマンを皇太子だと宣言すると言うので、キョセムとケマンケシュはザリフェとオスマンを船でエジプトへ追放するが、中途で海賊に襲われる。イブラヒムは味方をしてくれた祈祷師ジンジ・フセインをアナドル軍法官に任命するが、キョセムが怒る。キョセムとケマンケシュ、トゥルハンはジンジの処刑を試みるが、トゥルハンの裏切りでケマンケシュが捕らえられる。だが衛兵がケマンケシュを逃がす。しかし再度トゥルハンの裏切りでケマンケシュは処刑されるが、トゥルハンの裏切りに気づいたキョセムが入れ替えておいた死刑囚だった。

1648年、イブラヒムはヒュマーシャーと結婚し、乱行がひどかった。トゥルハンは離宮にキョセムを訪ねて同盟を申し出る。イブラヒムはクロテンの毛皮に夢中で民を困惑させる。頭痛を治せるのが側女のシーヴェキャールだけなので、キョセムの耳飾りを与えるが、キョセムは毒を塗ってシーヴェキャールを殺す。軍団に毒を盛らせた計画が発覚し、ソフ・メフメトが大宰相に任命される。ケマンケシュは前大宰相アフメトを殺すが、トゥルハンの陰謀で衛兵が常備軍に発砲する。
 
キョセムはトゥルハンと再度盟約を結び、イブラヒムを廃位、幽閉し、メフメトを帝位に就けて大母后として君臨する。ヒュマーシャーらは旧宮殿に追放され、逃亡しようとしたジンジは捕まってケマンケシュに殺される。

スタッフ[編集]

  • 脚本:ユルマズ・シャーヒン、オゼン・ユラ、ミュケット・ビカクィ、セヴジ・ユルマズ  
  • 演出:チャタガイ・トスン、メルト・バイカル、ヤギブ・アルズ・アカイディン、ゼネップ・ギュナイ・タン、ダニス・コロス  
  • プロデューサー:ティムル・サウジュ
  • 制作:(c)Tims Productions

キャスト[編集]

  • キョセム・スルタン(アナスタシア、マフペイケル):アナスタシア・ツィリビウ、ベレン・サート(第17回から)、ニュルギュル・イェシルチャイ
  • アフメト1世:エキン・コチ
  • サフィエ・スルタン(太皇太后。ムラト3世の后、メフメト3世の母):ヒュリヤ・アヴシャル
  • ハンダン(母后。メフメト3世の后、アフメト1世の母):テュリン・オゼン
  • ハリメ(メフメト3世の側女、ムスタファの母):アスルハン・ギュルビュズ
  • ヒュマーシャー・スルタン(皇女):サフィエの娘でアフメトの叔母。
  • ムスタファ(皇子。アフメトの異母弟):ボラン・クズム
  • ディルルバ(皇女。ハリメの娘、ムスタファの姉):オイク・カライェル
  • デルヴィーシュ(海軍提督。ハンダンに恋し、先帝メフメトを毒殺した。ファーリエと結婚):メフメト・クルトゥルシュ
  • ズルフィカール(のち小姓頭):メテ・ホロズオール
  • アーキレー・ハヌムーエサトの娘で、オスマンの妻となる。
  • クユジュ・ムラト(大宰相):スレイマンの最後の遠征にも参加。西方司令官から、デルヴィーシュの死後大宰相となる。
  • ジガリザーデ・シナン(東方司令官。死去):
  • ソコルルザーデ・ララ・メフメト・パシャ(大宰相):ソコルル家出身の大宰相。
  • ヒュダーイーーゼルヴェティ(教団導師):ウスキュダルの修道場の導師。初期のアフメトやキョセムの相談役。
  • ハサン(エジプト州軍政官)ヒュマーシャーの夫だが死去。
  • ナスフ:サフィイェの指示でキョセムを宮殿に連れてくる。ディヤルバクル州軍政官から、クユジュ・ムラトののち大宰相となるが処刑される。
  • ハリル:ナスフの後の大宰相
  • ダヴト:第二宰相ーディルルバと結婚する。
  • エサトーイスラムの長老。アーキレの父。
  • ギュゼルジェ・アリーオスマン時代の大宰相。オスマンに殺される。
  • オフリリ・フセインーアリの後任の大宰相。
  • ズルフィカール(近侍頭)ハサンの死後、ヒュマーシャーと結婚する。
  • マフフィルーゼ(側女。第一皇子オスマンを生む):1615年の反乱で死ぬ。
  • シャーヒン・ギライ(クリミア・ハン国の皇子):エルカン・コルチャク・ケステンディル
  • メフメト・ギライ(クリミア・ハン国の皇子。ファーリエの恋人):カディール・ドグル
  • イスケンデル(アレクサンダー。歩兵常備軍の新兵でアナスタシアを後宮から助け出そうとする。実はサフィエの息子の皇子。:ベルク・ジャンカト →シェフザーデ・ヤフヤ
  • ファーリエ(皇女。ムラト3世の皇女、アフメトの叔母):ギュルカン・アルスラーン
  • オスマンーアフメトとマフフィルーゼの子で第一皇子。叔父ムスタファの廃位後に即位。
  • メフメトーキョセムの皇子。オスマンに処刑される。
  • アティケーキョセムの皇女
  • ムラト:キョセムの皇子
  • ファトマ:キョセムの皇女
  • ゲヴヘルハン:キョセムの皇女
  • カスム:キョセムの皇子。ムラトに殺される。
  • バヤジト:皇子(母はギュルハバル)殺される。
  • オメル:オスマンの師父、サフィエの手先
  • レイハン(前後宮宦官長):エムレ・エルチル
  • ハジュ(後宮宦官長):ハカン・サヒン
  • ビュルビュル(宦官):ナーディル・サンバチャク
  • ギュルブス(宦官):サフィエの監視
  • ジェンネト(後宮女官長):エスマ・デルマンチオグル
  • ドゥドゥ(女官。ムスタファ暗殺事件でハンダンに殺される):
  • メレキー:町の娘だったがキョセムに協力したため母を殺され、キョセムの侍女となる。のち後宮出納官
  • アッバスーサフィエつき宦官。キョセムに殺される。
  • スレイマンー後宮宦官長、サフィエ一派
  • ギュルハバルーアフメトの妃
  • メレキシマ(アンゲラ)ーオスマンの側女
  • キリンディルー歩兵常備軍兵士で刺客、ダヴドの手先

シーズン2[編集]

  • キョセム(ニュルギュル・イェシルチャイ)
  • ムラト4世ーキョセムの次男、アフメトの皇子で皇帝(メティン・アクドゥルゲル)
  • アイシェームラトの妃
  • ナーリンーアイシェ付き女官
  • アフメトームラトの皇子
  • バヤジトー第一皇子、母はギュルバハル。ムラトより半年遅れて生まれた。
  • ギュルバハルーアフメトの妃、バヤジトの母
  • イブラヒムーキョセムの4番目の皇子。
  • カスムーキョセムの3番目の皇子
  • ゲヴヘルハンーキョセムの皇女。ムラトの姉、トパルの妻
  • アティケーキョセムの第二皇女
  • イスミハン・カヤーアイシェが生んだ皇女
  • セリムーファリアが生んだ双子の一人。黒死病で死ぬ。
  • スレイマンーファリアが生んだ双子の一人。黒死病で死ぬ。
  • ザリフェーイブラヒムの皇子時代の女人
  • オスマンーザリフェの皇子
  • ディラーシェブーイブラヒムの妃
  • トゥルハンーイブラヒムの妃、メフメト皇帝の母后
  • メフメトートゥルハンの皇子で皇帝
  • シーヴェキャールーイブラヒムの妃で、イブラヒムの頭痛を治せる
  • ヒュマーシャーーイブラヒムと結婚した妃
  • オルハンーヒュマーシャーの皇子
  • ムアッゼズーイブラヒムの妃
  • トパルー大宰相、ゲヴヘルハンと結婚するがローマ法王の間諜でムラトに殺される。
  • タバヌヤッス・メフメトートパルの次の大宰相
  • ハリルー宰相
  • バイラムー宰相
  • シナンー国璽尚書兼宰相
  • ムスタファー太刀持ち、小姓頭(ジャネル・ジンドルク)、のち第二宰相
  • ベズィルハンザーデーボスニアの商人・ムスタファの父
  • アヒザーデ・フセインーイスラムの長老。オスマン史上初めて処刑されたイスラームの長老。
  • セイイドーアヒザーデの息子・帝都の法官
  • ゼケリヤダーデ・ヤフヤー前イスラムの長老
  • ケマンケシューキョセムの用人→歩兵常備軍長官。海軍提督。
  • アバザ・メフメトーボスニア州軍政官→宰相
  • イリヤスー元アナトリア軍政官、ヤフヤの息子、エヴリヤの姉の元夫、イエズス会の間諜。ベルガマで反乱を起こす。
  • ヤーディギャルーアナトリア州軍政官・反逆者。
  • ヘザルバーレ・アフメトーイブラヒム時代の大宰相。虐殺される。
  • キョプリュリューイブラヒム皇帝時代の宰相
  • ジンジ・フセインーイブラヒムの長身でアナドル軍法官
  • ソフ・メフメトー大宰相
  • ケヴォルクーアルメニア教会総主教
  • サナーベルー側女・イランの間諜
  • ベイナムー料理長→町の店の経営者
  • カリカ(女)ベイナムの共同経営者
  • ハジュー宦官長。キョセムの側近。
  • ターヒルー書記官長
  • ジャフェルー歩兵常備軍長官
  • ベクタシュー歩兵常備軍長官
  • シャーヒンー歩兵常備軍将校
  • スィヤウシュー歩兵常備軍将校
  • エミルー医師長
  • ヤセフー医師
  • オメルールメリ軍法官。キョセムに協力してムラトに処刑される。
  • ヤクップーシナンの部下
  • ユスフー近侍頭。元はエレヴァン総督のエミルギューネだが、降伏してムラトに仕える。
  • ラーレザールー女官長。メレキーののちに後宮出納官。
  • メレキーー後宮出納官→農園へ追放→後宮出納長
  • ファリア・ベトレンートランシルヴァニア王女(ファラフ・ゼイネブ・アブドゥッラ-)
  • マルグリットーファリアの侍女
  • エレニーハリルの愛人の売春婦
  • ヘザルフェンー発明家
  • エヴリヤー旅行家 
  • ネフィーー詩人
  • イドリスー宦官・イランの間諜
  • フェルハトー歩兵常備軍隊長・バヤジト派
  • ヤクップーシナンの部下
  • エステルーキョセムの管財人
  • クムルー騎士隊長
  • イェミシュチー騎士隊(ギュルバハル派)
  • サルー騎士隊(ギュルバハル派)
  • デリ・フセインー主馬係→主馬頭
  • カドゥザーデー説教師
  • アーフィタブー側女
  • ベキリ・ムスタファー酒飲みの船頭
  • エミルギューネ(ユスフ・パシャ)ーイラン・エレヴァン総督
  • コーネリウスー司教
  • ロレンツォー司祭
  • イシュトバーンートランシルバニア公
  • カタリンートランシルバニア前女公、ファリアの母
  • ラーコーツィーイシュトバーンの宰相、のちトランシルバニア公
  • ピエトロ・フォスカリーニーベネチア領事
  • シャージャハーンームガル帝国皇帝

外部リンク[編集]