ミシェル内閣 – Wikipedia

ミシェル内閣(ミシェルないかく、オランダ語: Regering-Michel、フランス語: Gouvernement Michel、ドイツ語: Regierung Michel)は、シャルル・ミシェルが首相に任命され、2014年10月11日に成立したベルギーの内閣である。

改革運動(MR)、新フラームス同盟(N-VA)、キリスト教民主フラームス(CD&V)およびフラームス自由民主(Open Vld)による中道右派連立政権である。2014年5月25日に実施された下院選挙英語版後、連立協議が行われ、10月7日に4党が連立政権樹立に合意した[1]。その後、10月11日にフィリップ国王立ち会いの下で就任宣誓式が行われ、新内閣が正式に発足した[2]。2010年の前回選挙英語版後は政権発足までに約540日を要したが、今回は約140日での政権発足となった[1][3]

改革運動(MR)およびフラーム巣自由民主(Open Vld)のシンボルカラーである青、新フラームス同盟(N-VA)の黄色、そしてキリスト教民主フラームス(CD&V)のシンボルである十字にちなみ、「スウェーデン連立」と呼ばれる。また、北部フランデレン地域の分離独立を志向する新フラームス同盟(N-VA)が初めて政権参加したこと、フランス語圏の政党が改革運動(MR)のみである(同時期の南部ワロン地域及びブリュッセル首都圏地域の議会では改革運動(MR)は野党であり、国政と地方政治のねじれ現象が発生した)ことなどによる、政治的なリスクの高さから「神風連立」とも呼ばれることもある[4][5]

ミシェル首相は当時38歳で、ベルギー史上最年少での首相就任となった[2][3]

2018年12月9日に移民のためのグローバルコンパクト 英語版をめぐる閣内対立から、新フラームス同盟(N-VA)が連立政権から脱退し、残る3党による内閣改造が行われた(第2次内閣)[6]。また、連立与党の議席は議会の過半数を割り、少数与党となった。議会では社会党(PS)と社会党・別(SP.A)等の野党が不信任案を提出すると表明したことから、ミシェル首相は12月18日に辞任を表明し[7]、フィリップ国王は12月21日に辞任を許可した。ただし、ミシェル内閣は次の政府が決まるまでの暫定政府として存続することになった。

2019年5月26日には連邦議会選挙英語版
2019年7月2日にミシェル首相が同年12月からの欧州理事会議長に選出されたため、10月27日に首相を辞任し、ソフィー・ウィルメス内閣が発足した[8][9]

第1次内閣[編集]

第1次内閣(2014年10月11日-2018年12月9日)は以下の14人の大臣および4人の閣外大臣により構成される[10]

第1次内閣における閣僚の交代等[編集]

2015年5月21日、N-VA所属の大臣についての担当業務の変更があり、ヤン・ヤンボン副首相が担当していた「大都市」はエルケ・スルールス閣外大臣の担当になった。また、エルケ・スルールス閣外大臣が担当していた「脱税対策」は、ヨハン・ファン・オーフェルトフェルト財務大臣の担当になった。

2015年9月21日、エルヴェ・ジャマール予算大臣が、リエージュ州知事になるためソフィー・ウィルメスに交代した。

2016年3月22のブリュッセルでの連続テロ事件を受け、ジャクリーヌ・ガラン運輸大臣は、事件発生前にブリュッセル空港のセキュリティーに関する報告書を受けていたと報じられたことを受けて4月15日に辞任し[11]フランソワ・ベロー 英語版に交代した。

2016年4月29日、バルト・トムレイン(ソーシャルダンピング対策・プライバシー保護・北海担当閣外大臣)が辞任し、フィリップ・デ・バッカー 英語版に交代した。

2017年2月20日、エルケ・スルールス貧困対策・機会均等・障害者・脱税対策・科学政策担当閣外大臣が辞任し、ズハル・デミール 英語版に交代した。

2017年7月26日、ウィリー・ボルシュ中産階級・自営業・中小企業・農業・社会統合大臣が、ワロン政府の首相に任命されたため辞任し、デニス・デュカルメ 英語版に交代した。

2018年11月12日、ステーフェン・ファンデプット国防大臣がハッセルト市長になるため辞任し、サンダー・ルーンズ 英語版に交代した。

第2次内閣[編集]

第2次内閣(2018年12月18日-2019年10月27日)は、13人の大臣で構成される。閣外大臣は置かれなかった[12]

第2次内閣における閣僚の交代等[編集]

2019年7月2日[14]、クリス・ペーテルス副首相兼雇用・経済・消費者保護大臣が辞任し、副首相はクーン・ヘーンス法務大臣に交代し、雇用・経済・消費者保護大臣はバウター・ベークに交代した。

2019年10月2日[15]、バウター・ベーク雇用・経済・消費者保護大臣は、フランダース政府の大臣になるため辞任し、ナタリー・ミールに交代した。ただし、対外貿易担当はピーター・デ・クレム内務・安全保障大臣が兼務した。