ブロッケンJr. – Wikipedia
ブロッケンJr.(ブロッケンジュニア)は、ゆでたまご作の漫画・アニメ『キン肉マン』およびその続編『キン肉マンII世』に登場する架空の人物。 初登場は第2次怪獣退治編「7人の超人の巻」。ドイツの名門「ブロッケン一族」出身の超人で、ブロッケンマンの息子である。軍服に身を包み(原作初期は灰色、アニメでは紺。シャツや肌着はあまり着用せずに、素肌の上に直接軍服の上着を着ている場合がほとんどである。なお、アニメでは上半身の軍服下にタイツを着用)、ドクロの徽章(アニメ『王位争奪編』では鷲の紋章に変更)をあしらった軍帽を被っている。肌の色は原作では肌色だが、初代アニメでは白、ラーメンマンのセコンド時から「7人の悪魔超人編」までは赤いシャツを着ていた。「夢の超人タッグ編」以降は刺青が描かれ、前述の徽章を取ると素肌に戻る(アニメではタイツの模様に変更)。原作では素手だがアニメでは黒の手袋をしている。また着用のブーツは鎌でも切れないほど丈夫である。 ブロッケン一族は生まれながらの超人ではなく、本来は人間である。幼い頃からの厳しい訓練に耐えて一人前と認められた者は、18歳になると親からドクロの徽章を与えられ、それを身につけることで超人として活動することができる。そのため徽章を外すと人間の肉体に戻ってしまう[1]。 眼は帽子の影に隠れて描かれない場合が多く、帽子を取っても影のままになっていることがある。眼が初めて描かれたのは「黄金のマスク編」だが、アニメでの初登場時は明確に描かれており、サングラスをかけている描写もあった。両肩にあるハーケンクロイツの刺青は、ブロッケンJr.が超人であることの証である(刺青が描かれたのはアニメ、原作とも「夢の超人タッグ編」からで、当初は素肌であった)。ドクロの徽章を外して肉体が人間に戻るとこの刺青も消えていく[2]。帽子はリモコンハット(キャップ)とも呼ばれ、投げるなどして遠くに離れてもブロッケンJr.の元に戻ってくる性質がある[3]。 性格は情熱的で理想家、義理人情に篤く涙もろい。「夢の超人タッグ編」において、友情パワーが悪魔超人に奪われた際には、最も早く友情が回復している。父譲りのラフファイトを売りとしており、荒削りながらも不屈の闘争心と絶対的な責任感により戦い抜く。ミスター・カーメン戦やザ・ニンジャ戦など実力以外の所で勝利をもぎ取った試合もある。頭脳プレーも得意とし、特に「キン肉星王位争奪編」では、キン肉マンソルジャー率いる残虐チームの参謀格として機転を利かせ数々のピンチを脱している。 第20回超人オリンピックにおいて、父のブロッケンマンを惨殺したラーメンマンを仇と憎んでいた。しかし自身が出場した第21回大会でラーメンマンに敗れた後、彼の偉大さに心酔し弟子のような存在となる。ただし打倒ラーメンマンを諦めた訳ではなく「いつか改めて勝負をしたい」と語っている[4]。アイドル超人の中では最も若く、成り上がろうという野心も強く、将来性を期待されていた。実力は荒削りであるが、ラーメンマンから「オヤジのことは忘れろ」、スプリングマンには「短気を直せ」と指摘されており、精神面を向上させれば強くなると言われている。 『キン肉マンII世』では、新世代超人ジェイドの師匠として登場。王位継承サバイバルマッチ以降は大きな戦いがなかったため、超人レスラーとしては大成せずに終わっている。そのためジェイドに自身の技とゲルマン魂、そして超人レスリング界ナンバー1になるという自身が果たせなかった夢を託している。一方で、敗北・仇討ちの失敗は心に深い傷として残っており、それを思い出させるコンクリートデスマッチを見てトラウマがよみがえる描写があった[5]。 連載再開後の完璧超人始祖編では、「王位争奪編」を経て精神的にも成長したが、まだまだ未熟な面もあるとされている。完璧超人「完掌」クラッシュマンを倒し、ザ・ニンジャ戦以来の勝利を手にしたが、完璧超人始祖「拾式」サイコマンには意地を見せるも、ダメージを与えることもできずに完敗している。 作者ゆでたまごは、ドリー・ファンク・Jr.のような「○○Jr.」といった名前のキャラクターを登場させたいと思っており、それがブロッケンJr.登場に繋がったという[6]。後年では、ブロッケンマン惨殺が好評だったため、その続編的な話を作るために出したのが始まりとも語る[7]。『キン肉マン』連載時において戦績こそ芳しくなかったものの、女性読者からの支持が高く、人気投票において常に上位に食い込んでいた[8][9]。 『キン肉マン』でのブロッケンJr.[編集] 生い立ち[編集] ドイツの名門軍人一族ブロッケン一族に生まれる。ブロッケン一族は代々に渡って戦闘を生業とする戦闘超人の家系であり、ブロッケンJr.も幼少の頃から父・ブロッケンマンに戦闘技術や心構えなどの厳しい教育を受けている。 ブロッケンマンは第20回超人オリンピックにおいてラーメンマンと対戦し、惨殺されてしまう。葬儀の後、父の仇討ちのために打倒ラーメンマンに没頭、さらに厳しい訓練の日々を送ることになる。その甲斐あって、西ドイツで開かれた格闘大会では全て優勝、たった半年で200戦無敗という好成績を残し、第21回大会のドイツ代表に選出されている。 ただし、ビーンズマンからラッカ星を襲う宇宙野武士の退治を頼まれた際には、父の仇であるラーメンマンを目の前にしながらもラッカ星を救うことを優先、ラーメンマンたちと共闘しており、困っている人を見捨ててはおけないブロッケンJr.の性格が現れている。 第21回超人オリンピック ザ・ビッグファイト編[編集] ブロッケンJr.は好調を維持したまま、第21回超人オリンピック ザ・ビッグファイトにドイツ代表として出場。優勝候補の一人として数えられており、第一予選のふるい落としにおいてほとんどのドイツ超人が脱落する中、ただ一人通過している。最終予選も3位で通過し、決勝トーナメント1回戦ではスイス代表のウォッチマンと対戦。リングサイドで観戦していたラーメンマンを挑発するかのように、彼の得意技であるキャメルクラッチでウォッチマンを真っ二つにして勝利し、さらにウォッチマンの首をラーメンマンに対して挑戦状代わりに投げつけている。アニメでは、倒されたブロッケンマンがラーメンにされる改変がなされたため、ラーメンマンを「黒パンの粉」にすることを宣言していた。 続く2回戦で、因縁の相手であるラーメンマンと対決する。この試合のみあまりにも危険なため、数年前から禁止されていたいわく付きの「コンクリートデスマッチ」での戦いとなっている。下馬評では若く勢いのあるブロッケンJr.が優勢と思われており、実際に試合序盤はあらゆる殺人技を使い、一方的にラーメンマンを攻め立てた。しかし完全に倒すまでには至らず、逆転のロメロ・スペシャル(アニメでは秘技・万里の長城)を受けて屈辱のレフェリーストップ負けを喫した。 この敗北がブロッケンJr.の超人レスラーとしての初黒星であり、後々まで続くトラウマの原因になっている。ただし、同時にブロッケンJr.はラーメンマンの偉大さを感じ取り、以後は彼と師弟のような関係を築くことになる。準決勝のラーメンマン対ウォーズマン戦においてはラーメンマンのセコンドを務め、またその試合で敗れ植物状態になった彼を介護していた。大会終了後の回想で、ラーメンマン戦については「弔い合戦には失敗したが、満足のゆく試合」とコメントしていた[10]。
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