渋谷区立臨川小学校 – Wikipedia

渋谷区立臨川小学校(しぶやくりつ りんせんしょうがっこう)は、東京都渋谷区広尾一丁目にある公立小学校。広尾一丁目の住宅地に所在し、渋谷区地域において3番目に歴史がある小学校である。

学校は北西の渋谷方面に國學院大學、北の青山方向に日本赤十字社医療センター、日本赤十字看護大学広尾キャンパス、聖心女子大学、東京女学館など、東方向に有栖川宮記念公園、フランス大使館、ドイツ大使館等の大使館が多く存在し、都内でありながら緑の多い地域である。主要な交通路は東京メトロ広尾駅、及び山手線恵比寿駅があり、恵比寿駅から徒歩の場合約8分ほどの場所に位置する。恵まれた環境と交通の便の良い地域にある。敷地と校舎は周囲公道に面し南側に明治通りがある。

臨川小学校は、渋谷小学校、千駄ヶ谷小学校に次ぐ第3番目の創立になる古い学校である。本校の設立は渋谷小学校創立の刺激を受けたと考えられる点が多分にある。土地の古老柴田久左衛門の語るところによれば「上に渋谷小学校ができたのだから、下渋谷もつくろう」という話が有志の間に持ち上がって設立が計画され、設置の場所、設立に対する費用についての検討が進められた。地元有志の発起によって進められた建設計画は着々とその実を結び、設立費用に関する寄付金は一口当り30円から最低1円に至るまで65口におよび、その内には数名をもって一口の寄附とするものなどを含んでいたのであるが、総額は実に540円が寄せられたのであって、この当時としては村の財政比しても相当に大きな比重となることから考えれば、この地域の人々がたとえ有力者の勧奨があったにもせよ、学校建設に熱意を持っていたと考えることは至当であろう。

東京府に提出された「設立願書」によってその詳細を見るならば、学校位置は第二中学区内第二九番小学区第七区一小区下渋谷村一七一番地とあり、これは現在とほほ同じであって、創立の時から場所が変わらないのは本校のみである。敷地坪数は下渋谷村祥雲寺持畑1200坪の内の305坪であって、その内の155坪は学校敷地として下附、150坪を借地とし、その敷地に45.5坪草葺平屋建ての校舎を建設したのである。教室は4室で12畳が2教室、24畳が1教室でいずれも板敷きであり、四方は障子であった。教師控室、世話掛り子使詰所の両室は共に6畳でやはり障子張りであるなどは、寺子屋の大きいものと考えてもよいであろう。このような姿は明治初期における小学校に共通のものであっただろう[1]

経緯

臨川小学校は、渋谷区内の小学校の中で2番目に歴史が古く、1877年(明治10年)12月1日、第一大学区東京府第二中学区第29番公立小学臨川学校として設立された。当時の敷地は祥雲寺 (渋谷区)の寺領で、明治初期は豊多摩郡渋谷町大字下渋谷に属していた。1877年に寺の持畑地が学校の敷地となる[2]

年表
  • 1877年(明治10年)12月1日 – 第一大学区東京府第二中学区第29番公立小学臨川学校として創立した[3]
  • 1908年(明治41年)1月1日 – 渋谷町立臨川尋常小学校と名称変更。
  • 1932年(昭和7年)10月1日 – 東京市編入と共に東京市臨川尋常高等小学校と名称変更。
  • 1941年(昭和16年)4月1日 – 東京市立臨川国民学校と名称変更。
  • 1947年(昭和22年)4月1日 – 文部省令により東京都渋谷区立臨川小学校と名称変更。
  • 1977年(昭和52年)6月30日 – 渋谷区特別研究奨励校研究発表を行った。

教育方針[編集]

教育目標[4]
「礼儀正しく思いやりのある人間」「社会に貢献しようとする人間」「個性と創造力豊な人間」
小学校の児童数と教員数[5]
年度 児童総数 1年生 2年生 3年生 4年生 5年生 6年生 教員数 職員数
平成23年 145人 13人 27人 21人 42人 18人 24人 17人 7人
平成24年 143人 20人 17人 28人 22人 41人 15人 18人 7人
平成25年 150人 24人 18人 15人 28人 22人 43人 17人 7人
平成26年 149人 34人 24人 24人 17人 29人 21人 17人 6人
平成27年 169人 46人 31人 23人 22人 17人 30人 19人 5人
平成28年 202人 59人 48人 31人 24人 23人 17人 18人 5人
平成29年 246人 48人 64人 49人 35人 25人 25人 23人 5人
平成30年 284人 64人 48人 63人 47人 38人 24人 22人 5人
令和元年 327人 60人 62人 55人 61人 49人 40人 23人 6人
令和2年 338人 62人 54人 58人 54人 60人 50人 24人 5人
令和3年 356人 70人 63人 55人 60人 50人 58人 23人 5人

学校行事[編集]

放課後クラブ[6]
渋谷区内の全区立小学校・全児童が対象の事業。校庭、体育館、図書館、特別教室など、学校施設を活用して活動している。
校外学習[7]
渋谷区立小中学校の児童・生徒たちが、校外学習を行う宿泊施設があり、学校が使用しない期間は社会教育団体に開放している。利用資格は区内在住・在勤者を主とする社会教育団体が対象。
  • 山中高原学園 – 〒401-0501 山梨県南都留郡山中湖村山中263
  • 富山臨海学園 – 〒299-2216 千葉県南房総市久枝784

通学区域[編集]

子供が通学する学校は、住所により指定されている、また、2004年(平成16年)から学校選択希望制を導入しており、入学を希望する学校を選べる。学校選択希望制は、現行の通学区域を維持したうえで、通学区域外の学校を希望することが出来る制度で、特色のある学校づくりや地域に開かれた学校づくりを推進し、区民から選ばれる学校づくり等を図る[8]

住所別通学区域
広尾一丁目 広尾二丁目 広尾四丁目 広尾五丁目 恵比寿一丁目 恵比寿二丁目 恵比寿三丁目
9番、10番 10 – 22番 全域 全域 29 – 31番 1 – 8番
11 – 39番
2 – 3番、
43番、45番
通学区域では調整区域を設けている、通学の距離等を考慮し保護者の申請により指定校の変更が出来る区域[9]
調整区域
希望校 指定校 町丁名
加計塚小学校 臨川小学校 恵比寿三丁目 2 – 3番、43番、45番

進学先中学校[編集]

中学校の学校別通学区域は、住所により指定されている[10]
渋谷区立広尾中学校
広尾一丁目
-二丁目
広尾三丁目 広尾四丁目
-五丁目
恵比寿一丁目
-四丁目
恵比寿南一丁目 恵比寿南二丁目 東二丁目 東三丁目 東四丁目
全域 2 – 3番
8 – 17番
全域 全域 18 – 26番 12 – 18番
20 – 31番
8 – 17番
24番
1 – 16番 11 – 14番
東京都の卒業者の進路状況[11]
卒業年度 卒業者合計 都内中学校合計 公立中学校 国立中学校 私立中学校 都外中学校合計 その他
平成23年 94,787人 93,067人 76,980人 432人 15,655人 1,558人 162人
平成24年 95,149人 93,465人 77,586人 377人 15,502人 1,540人 144人
平成25年 94,570人 92,815人 77,399人 417人 14,999人 1,608人 147人
平成26年 93,868人 92,273人 76,492人 395人 15,386人 1,449人 146人
平成27年 93,986人 92,461人 76,078人 446人 15,937人 1,370人 155人
平成28年 91,979人 90,465人 74,400人 439人 15,626人 1,384人 130人
平成29年 90,297人 88,781人 72,095人 413人 16,273人 1,393人 123人
平成30年 94,580人 93,004人 75,598人 453人 16,953人 1,423人 153人
令和元年 96,868人 95,288人 77,021人 408人 17,859人 1,473人 107人
令和2年 97,695人 96,132人 77,438人 413人 18,281人 1,451人 112人
100% 98.4% 79.3% 0.4% 18.7% 1.5% 0.1%

臨川小学校には、渋谷区立臨川幼稚園が併設されている。

鉄道
路線バス

ギャラリー[編集]

出身者

関連項目[編集]

外部リンク[編集]