異世界ワンターンキル姉さん〜姉同伴の異世界生活はじめました〜 – Wikipedia

異世界ワンターンキル姉さん〜姉同伴の異世界生活はじめました〜』(いせかいワンターンキルねえさん あねどうはんのいせかいせいかつはじめました)は、原作:このえ、作画:田口ケンジによる日本の漫画。2020年3月6日から小学館の漫画配信サイトおよびコミックアプリ『サンデーうぇぶり』にて連載中。同年10月2日から漫画配信サイト『裏サンデー』およびコミックアプリ『マンガワン』でも連載中。

概要

田口ケンジ作品の前作『JK、社畜を買う』が2019年11月10日に連載終了してから1か月後、小説家このえによって同年12月28日から「小説家になろう」にて小説として連載開始。2020年1月4日まで毎日配信し、それ以降は配信日時を毎週土曜日に変更する。同年3月6日から「サンデーうぇぶり」にて連載を開始し、本編とオマケ番外編を同日で隔週金曜日に配信する。

単行本第1巻発売を記念して小学館による第1巻宣伝用のPV動画がYouTubeにて公開され、作中のナレーションおよび軍場朝陽役と真夜役をそれぞれ声優の小清水亜美が担当した[1]

2022年3月には単行本第7巻にてアニメ化の企画が発表された[2]

あらすじ

現実世界で車に轢かれそうに少女を助け出した主人公軍場朝陽は昏睡状態に陥り異世界に誘われ第二の人生を送る。一方、朝陽の姉軍場真夜は昏睡状態の朝陽が呟いた異世界が気掛かりで昏倒程度の自殺し朝陽のいる異世界へとやってくるのと同時にチート級の力を得て合流を果たす。軍場姉弟は元の現実世界に戻る術が無いままシーザリオ王国の首都エピファネイアを拠点として、姉弟共に様々なクエストを受けながらファンタジー生活を送る。

登場人物

主要人物及びスーパー朝陽軍団のメンバー

軍場 朝陽(いくさば あさひ)
本作の主人公。年齢15歳[3] 。冒険者のジョブはファイター[3]。RPGの博学としての知識を持つ普通の少年。
現実世界で車に轢かれそうになった少女を助け出し重症を負う昏睡状態となり、自身の魂はRPG風の異世界に誘われる[4]。異世界で使えない携帯電話を売ってお金に変えて冒険者の服装と武器を購入し、冒険者ギルドの初心者として簡単にやりこなせるモンスター討伐のクエストを受注してから町の外に出て冒険者としてデビューする。スライム等の雑魚モンスターは難なく倒せる実力と全ステータスの能力値が低い初心者のラビット級のランクの持ち主[3]。大型モンスターのワイバーンには手に負えず逃げ回り、実姉の真夜が異世界にやって来てからはチート級の強さを頼るようになる[4]。ワイバーンやオーク三兄弟を当本人が討伐したこととなってエピファネイアまで噂が広まり、これまでの功績で冒険者ギルドのターニャからラビット級から一気にオーガ級に昇級されるようになる[5] 。しかし、雑魚モンスターでしか倒せない実力と真夜の大型モンスターを一撃で倒した功績をターニャに説明しないまま時間が過ぎていき、経歴詐称で冒険者ギルドから剥奪される恐れを抱いてしまい[注 1]、真夜に魔法で指示を出したり[6]、咄嗟に嘘を言ったりする。異世界の生活で簡単にやりこなせるクエストを受注し生活費を稼ぎながら宿泊と野宿を第10話まで繰り返し、第11話で悪霊レイスが纏わり着いた家のクエストを受注し真夜とキルマリアの活躍で解決してから真夜と共にマイホームとして住み込む[7]。第30話と第31話のスライム大水害でグローリアとクオンとの協力により、スライムのコアを見つけ出して「投石」でコアの破壊に成功した功績によって、オーガ級からゴーレム級へと昇級した[8]。第33話からグローリアの家出騒動に巻き込まれた最中にクオンからクラン結成を考えるようになり、第36話から真夜・ソフィ・グローリア・クオンでクラン結成を果たすと同時に自身をパーティのリーダーになる[9]
装備は「ブロードソード」[3]→「ミスリルソード」[10]「旅人の服」[3]「革の手袋」[3]「ハンティングブーツ」[3]
スキルは「投石」[3]、「エスケープ」[3]、「フラッシュ」[11]、「物理攻撃力+3%」[3]、「炎属性耐性+3%」[3]、「ポーション効果+5%」[3]
軍場 真夜(いくさば まや)
本作の主人公。年齢17歳[12] 。冒険者のジョブはソーサラー[12]。家事全般が得意で極度なブラコン気味の心配性な性格を持つ少女。グラマー体質で赤髪のポニーテールが特徴[13]。戦闘の基本戦術は素手のまま戦いながら全属性の攻撃魔法を扱い、魔法を唱える際に全て「姉」を付けている[4]。重量性のある武器を手軽に扱えるが、試しに使用するだけで有り余った力を発揮し、いかなる武器の耐久値に関わらず壊してしまうため武器の装備はできない[10]
実弟の朝陽が交通事故に遭ったショックで、病床の朝陽が呟いた「異世界」のワードが気掛かりとなって朝陽の魂は異世界にいると仮説を立てるようになり、自身の額を壁に何度か頭突いて昏倒程度の自殺を図り、自身の魂を朝陽がいる異世界に誘われた[4]。異世界にやって来た途端に全ステータスの能力値を限界以上全てはみ出す程のチート級の力を得て[12]、大型モンスターのワイバーンをたった一撃を倒せるようになる[4][注 2]。異世界にやっきた当初ワイバーン討伐後に学校の制服から露出度の高い服装を着こなす。その性格を持つが故に朝陽に傷つけようとする輩達に敵意を向け成敗したり、万が一のためにアイテム屋で回復薬を大量に買い込む[14]。魔王六将のキルマリアとの出会いから互角以上の激闘を広げ勝利し[15]、それ以降はキルマリアとは素っ気ない態度を取る[16]。悪霊等のオカルトに強く[注 3]、不利の異常ステータスの耐性を持つ[17]。第36話からスーパー朝陽軍団のパーティに加わり、クラン結成の名前は仲間同士の絆として咄嗟に考案した。[18]
装備は「魔力のマフラー」[12]、「アサシンスーツ」[12]、「レザーガントレット」[12]、「ソーサレスブーツ」[12]
スキルは「姉ファイア」[12]、「姉アイス」[12]、「姉サンダー」[12]、「姉サイクロン」[12]、「姉アースクエイク」[12]
ソフィ=ピースフル
神官職を勤める少女。冒険者のジョブはプリースト[19]。年齢15歳[19]。可愛い素顔でお転婆の性格。丸帽子被ったショートボブの白銀の髪が特徴[20]
母の言い聞かせた現世の勇者が現れてくるのを信じ込み、冒険者の初心者として漆黒の旅団に加わる。財宝が眠る洞窟で出発前に朝陽と初めて会った時は彼のかすり傷を見て回復魔法で治した[21]。洞窟内でろくに回復魔法を使わなかったことから大型モンスターの食人植物(マンイーター)と遭遇し自身以外のパーティがそのモンスターに食べられてしまい、最後の1人となって触手に捕まり食べられそうになった所を朝陽に助けられ気を失なった[注 4][21]。その翌日に軍場姉弟が食堂で食事をとっていた最中に朝陽の再会と真夜の初対面を果たし、朝陽を勇者として称えるようになり軍場姉弟達の仲間入りを申し出る。しかし、後からやって来た漆黒の旅団の3人との口論になり、逆に3人のダメ出しの指摘部分を毒舌として言い出したことや朝陽を勇者として見込んで漆黒の旅団を脱退した[注 5][22] 。朝陽にとって自身が毒舌として言い出したことからマイナスのイメージとして思われトラブルメーカーだと判断され仲間として迎えることなく置き去りにされてしまい、ソロの冒険者として朝陽を探しだす旅に出る[22]。第19話からは冒険者ギルドの前に朝陽を待ち伏せしたり、彼とパーティを組む回復役を臨時として探し求めると現れて来るようになる[23]。第36話から朝陽がクラン結成の話を聞き出してからメンバーを入れてくれるよう頼み込み、スーパー朝陽軍団のメンバーに加わる[24]
装備は「ルビーロッド」[19]、「シルクのローブ」[19]、「癒やしの帽子」[19]、「少女のくつ」[19]
スキルは「ヒール」[19]、「キュアポイズン」[19]、「プロテクト」[19]、「レジスト」[19]
グローリア=ブリガンダイン
冒険者ランクのゴーレム級の強さを持つ女性。年齢16歳[25]。冒険者のジョブはホーリーナイト[25]。 長い金髪が特徴で[26]、丁寧な言葉遣いで喋る。重量性のある両手剣を軽々と扱える脳筋タイプ。
ブリガンダイン家のメイドで仕えるクオンと共に行動している。冒険者ランクを偽装する事件を追う中で初心者の朝陽がオーガ級の持ち主だと疑うようになり[27]、第24話で彼と初めて対面しコロシアムの戦いを申し入れる[28]。第25話のコロシアムの戦いで前日の朝陽が放った魔法(実際は真夜が放った魔法)を警戒しながら攻撃するようになり、大技で決めるはずが彼の光魔法フラッシュで目を眩み刃を向けられてしまい、彼が「女の子に刃を振れないよ」と言い出して顔を赤くなってしまい、戦意喪失で敗北を受け入れ、コロシアムを去っていった[29]。第28話以降からは和解するようになり、朝陽にデートに誘う等、好意を寄せている[30]。第31話からお嬢様としての生活より冒険家業に専念するがためにクオン以外の周囲の人達に反対され、特に執事のセバスチャンに止められるが力付くで振り切り、朝陽を巻き込んでクオンと共に別荘の屋敷まで家出する[31]。第36話からスーパー朝陽軍団のメンバーに加わり、ブリガンダイン家の屋敷をクランの拠点地にしている[32]
装備は「華麗なるクレイトモア」[25]、「凛々しきミスリルアーマー」[25]、「煌めくミスリルガントレット」[25]、「雄々しきミスリルレギンス」[25]
スキルは、「グレイスフルストライク」[25]、「エレガントスプリットバスター」[25]、「ノーブルローズブレイド」[25]、「パリィ」[25]etc。
クオン
ブリガンダイン家を仕えるメイドの女性。年齢15歳[33]。冒険者のジョブはアサシン[33]。左右に短剣を持つ二刀流スタイルで素早い攻撃が得意。黒い短髪で常にメイドの服装を着こなす[26]
グローリアと共に行動し、彼女のピンチになると自身の身を挺して助け出す[28]。強い気配を感知しやすい体質を持つ。グローリアの私生活の中で厄介事が多く、彼女の寝起きに雑なやり方で起こしたり[29]、ブリガンダイン邸以外の食事では毒味のつもりが全て平らげる[34]。第25話の朝陽とグローリアとのコロシアムの戦いで、2人の戦いの邪魔立てにならないよう、観客席にいる真夜とキルマリアを監視の役を担う[29][注 6]。朝陽とグローリアが和解してから、朝陽とは真夜やキルマリアに対する心配性と自身のグローリアのトラブル事に巻き込まれる苦労話で意気投合しあう真柄の関係を築く[35]。グローリアの家出騒動で朝陽を巻き込んで彼女と共に別荘まで家出し、朝陽にクラン結成を提案したことできっかけを作った[36]。第36話からスーパー朝陽軍団のメンバーに加わる[37]
装備は「絶影の二刀ダガー」[33]、「暗いゴシックメイドドレス」[33]、「白のメイドカチューシャ」[33]、「黒の手袋」[33]
スキルは、「電光石火・禄連」[33]、「乱れ月光花」[33]、「影縫い」[33]、「鷹の目」[33]etc。

エピファネイアの住人

ターニャ
エピファネイアの冒険者ギルドを勤める受付嬢。年齢15歳[38]。朝陽と同じ背格好でギャル風の褐色肌が特徴[4]。冒険者の駆け出しだった朝陽を1日でこなせるクエストを紹介し、彼と顔見知りとなる。受付嬢の他にもランとナタリー[39]、家族は実弟のロイがいる。
ロイ
ターニャの弟。年齢10歳[38]。朝陽と始めて会った時は人見知りで打ち解けてなく、ターニャから彼の活躍を聞かされ、冒険者の憧れを持つ。ターニャと共に隣町まで行くための護衛として朝陽に頼みこむのを提案する[38]
ジークフリート
冒険者ランクのドラゴン級の実力を持つ男性。冒険者のジョブはドラゴンスレイヤー[40]。年齢28歳[41]
仲間を率いてバルムンクのチームを結成した当初は美麗的容姿だった[6]。魔王討伐の旅に出てから道中にキルマリアとの遭遇で戦いを挑むがパーティ全員敗れてしまい、エピファネイアに帰還しパーティは解散となる[41]。解散してから実力の無さに感化し落ちこぼれていき、無精髭を生やし後ろ髪を少し伸ばす不格好となって路上でお酒を大量に飲む生活として変貌する[41]。泥酔状態でならず者達に囲まれ酷い目に遭ったところ通りかかった朝陽に助けられるが、ならず者達の矛先を朝陽に向けられ、たった1人でならず者達を倒した。朝陽から顔を見られて自身の名前を言われてから、魔王を倒すための教育を受けた過去に嫌気を刺すようになった。冒険者だった先輩として朝陽を色々なアドバイスする相談相手になり、彼の純粋な志しを見て初心に帰る決意として改める[42]。しかし、ダウチョレース[注 7][43]や人間同士で戦うコロシアム[29]等のギャンブルに自身の手を染めてしまい、同じ仲間だったミモザとはギャンブルの場で頻繁に出会う[44]
装備は「村人の服」[40]と「村人のブーツ」[40]
スキルは「ドラゴンキラー」[40]、「アストラルブレード」[40]、「エアリアルスラッュ」[40]、「ガードインパクト」[40]etc。

バルムンクのメンバー

ジークフリードが魔王討伐のために結成したクラン。キルマリアとの一戦でパーティ全員敗北しエピファネイアに帰還してから療養後に解散している。

ミモザ
バフ・デバフ・回復魔法を得意とするソーサラー[41] 。男好きでホストに通っている。冒険者ギルドのナタリーとは飲み友達[42]
シューレイン
弓使い[41]。種族はエルフで150歳越えの年齢。上から目線でいつもジークフリードに説教していた。[41]
ゴードン
ディフェンダータイプのタンク[41]。鉄仮面を被っているため素顔は明かされていない。コミュ障でジークフリードと一切言葉を交わしていない[41]

魔王軍

キルマリア
魔王を仕える魔王六将の幹部で魔族の女性。グラマー体質で胸元をかなり露出する服装と腰まで伸ばしている黒い長髪、頭の左右に角が生えているのが特徴[45]。強い相手に興味を持ち弱い相手に殺生を好まない性分と豪快な性格の持ち主。全ステータスの能力値を限界まで近い程の実力を持つ[46]。『壊乱のキルマリア』と自称し、「壊」は魔王六将の通常時の姿、「乱」は認識を阻害し町娘のような人間の姿として変える魔術を持ち、「マリア」と偽名として名乗る[47][注 8] 。魔王討伐の旅に出たジークフリード率いるバルムンクを容易く倒す[6]。カイザーベアから逃げていた朝陽を魔法で助け出し、彼の持つ冒険者メダルを拾い上げるのと同時に刻まれた名前を読み上げた途端に勝負を挑もうにも彼の実力の無さに逃げ出してしまい、その矢先に真夜との遭遇で朝陽の代わりに勝負し、激闘を広げた末に敗北を受け入れる[15]。真夜に止めを刺すよう促すはずが朝陽がカイザーベアの件で助けてくれた礼として見逃してくれる[15]。それ以降は軍場姉弟を気に入り、特に真夜をライバル視としてリベンジを燃やす。軍場姉弟がマイホームとして住み込んでからは頻度に遊びに来るようになり、「乱」の魔術で姿を変えて街を出入りしている[47]。第17話で人間の文化に興味持つようになり、人間の飲食でかなりの食べっぷりと酒豪で、酔うと「乱」の効力が切れる[48]
装備は「エンブレスローブ」[46]、「業火と終焉のコート」[46]、「オリハルコンチェーン」[46]、「魔神のブーツ」[46]
スキルは「クリムゾンブレイズ」[46]、「イグニートファイア」[46]、「フィオフルフレア」[46]、トータルヒーリング[49]

オマケマンガ

本編終了後の後日談で軍場姉弟やキルマリア、街の人々たちの雑談をやりとりする日常を描く。

書誌情報

脚注

注釈

  1. ^ ターニャが親指の首切る動作を見せられてから、朝陽にとって斬首の刑に処されるイメージ図[5]
  2. ^ 真夜自身はワイバーンやオーク三兄弟を倒した功績から、本来なら朝陽からターニャに説明さえすればオーガ級のランクを持つようになると思われる。
  3. ^ 悪霊レイスに体を乗っ取られるが、操られることなく自我を保てる[7]
  4. ^ マンイーターを真夜が触手を破壊しながら本体を攻撃し倒したのと同時にソフィ以外の食べられた漆黒の旅団のパーティ達を助け出すことに成功する。ソフィ以外のパーティは胃液まみれの状態になって臭いがするのが嫌だと朝陽が文句を言い出し、洞窟の外でソフィと共に置き去りにした。
  5. ^ 漆黒の旅団の3人からバトルする勢いとなってしまい、真夜1人で沈静化させた。
  6. ^ 真夜とキルマリアは万が一のために魔法でサポートするはずが、彼女たちの背後からクオンが攻撃体制を取るようになり、キルマリアのプレッシャーを感じ取った。
  7. ^ ダチョウと酷似した動物を走って競い合いレース。現実世界に例えると競馬そのもの。
  8. ^ 第13話で真夜を脅かそうと試みるはずが、逆に禍々しい気配を感じ取とり即座にバレてしまった。

出典

外部リンク