サムソン・キトゥール – Wikipedia

サムソン・キトゥール Portal:陸上競技
選手情報
フルネーム サムソン・キトゥール
ラテン文字 Samson Kitur
国籍  ケニア
競技 陸上競技 (短距離走)
種目 400m
生年月日 (1966-02-25) 1966年2月25日
出身地 ケニアの旗 エルドレットモイベン英語版
没年月日 (2003-04-25) 2003年4月25日(37歳没)
身長 186cm
体重 77kg
成績
オリンピック 400m 3位 (1992年)
4x400mR 決勝途中棄権 (1992年)
4x400mR 決勝棄権 (1996年)
世界選手権 400m 3位 (1993年)
4x400mR 2位 (1993年)
地域大会決勝 コモンウェルスゲームズ
400m 2位 (1990年)
4x400mR 優勝 (1990年)
最高世界ランク 400m 2位 44秒32 (1994年)
自己ベスト
400m 44秒18 (1992年) ケニア記録

獲得メダル

陸上競技
 ケニア
オリンピック
1992 バルセロナ 400m
世界選手権
1993 シュトゥットガルト 4x400mR
1993 シュトゥットガルト 400m
世界室内選手権
1991 セビリア 400m
コモンウェルスゲームズ
1990 オークランド 4x400mR
1990 オークランド 400m
アフリカ競技大会
1991 カイロ 400m
1991 カイロ 4x400mR
1995 ハラレ 400m
アフリカ選手権
1990 カイロ 400m
グランプリファイナル
1994 パリ 400m
Africa (orthographic projection).svg アフリカ
ワールドカップ
1994 ロンドン 4x400mR
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サムソン・キトゥールSamson Kitur、1966年2月25日 ‐ 2003年4月25日)は、ケニア・モイベン英語版出身で短距離走が専門の元陸上競技選手。400mの自己ベストは44秒18のケニア記録保持者。1992年バルセロナオリンピック男子400mの銅メダリストである。2003年に37歳の若さで急逝した。

長距離王国ケニアが生んだ世界レベルのロングスプリンター。400mでは1991年セビリア世界室内選手権で銀メダル、1992年バルセロナオリンピックと1993年シュトゥットガルト世界選手権で銅メダルを獲得し、4×400mリレーでは1993年シュトゥットガルト世界選手権でアンカーを務めて銀メダルを獲得した。世界大会では金メダルを獲得することができなかったが、コモンウェルスゲームズ、アフリカ競技大会、アフリカ選手権といった主要国際大会では金メダルを獲得した。

1991年3月、セビリア世界室内選手権の男子400mに出場すると、準決勝を46秒43のケニア記録(当時)で突破し、決勝でも46秒21のケニア記録(当時)を樹立したが、優勝したデボン・モリス英語版とは0秒04差の2位で惜しくも金メダルは逃した[1]。しかし、これは世界室内選手権の400mにおいてアフリカ勢が獲得した初のメダルであり、世界室内選手権の短距離種目においてケニア勢が獲得した初のメダルでもあった[2]

1992年8月、バルセロナオリンピックの男子400mに出場すると、準決勝を44秒18のケニア記録で突破。決勝では準決勝のタイムに迫る44秒24をマークし、クインシー・ワッツ(43秒50)、スティーブ・ルイス(44秒21)に次いで銅メダルを獲得した。オリンピックの400mにおけるケニア勢のメダル獲得は、1972年ミュンヘンオリンピックで銅メダルを獲得したジュリアス・サング(男子)以来、史上2人目の快挙だった[3]

1993年8月、シュトゥットガルト世界選手権に出場すると、男子400m準決勝で44秒34をマークし、同じ組のマイケル・ジョンソンに先着する全体トップのタイムで決勝に進出した。決勝では44秒54とタイムを落とし、マイケル・ジョンソン(43秒65)、ブッチ・レイノルズ(44秒13)に次いで銅メダルに終わった[4][注 1]。これは1987年ローマ大会で銀メダルを獲得したイノセント・エグブニケ以来、世界選手権の400mにおいてアフリカ勢が獲得した2つ目のメダルであり、世界選手権の短距離種目においてケニア勢が獲得した初のメダルでもあった。男子4×400mリレーではケニアチームのアンカーを務めると、決勝では2分59秒82をマークしての2位に貢献[5]。2分54秒29の世界記録で優勝したアメリカには大差をつけられたものの、世界選手権の4×400mリレーにおけるアフリカ勢初のメダルを獲得した[6]

1995年8月、ヨーテボリ世界選手権に出場すると、男子400mで2大会連続の決勝に進出した。2大会連続のメダルがかかった決勝では44秒71をマークするも、マイケル・ジョンソン(43秒39)、ブッチ・レイノルズ(44秒22)、グレッグ・ホートン(44秒56)に次ぐ4位でメダルを逃した[7]。男子4×400mリレーではケニアチームの1走を務めると、予選を3分00秒81の組1着(全体4位)で突破[8]。2大会連続のメダルがかかった決勝だったが、ケニア代表は決勝を棄権した。理由は決勝のアンカーを誰にするかで話し合いがまとまらなかったからだという[9]

2003年4月25日、自宅で病死[10]。37歳没。

2人の兄も世界大会に出場経験を持つ陸上一家。7歳年上のシモン・キトゥール英語版は1984年ロサンゼルスオリンピックと1988年ソウルオリンピックの400mハードルセミファイナリスト。4歳年上のデイヴィッド・キトゥール英語版は1987年ローマ世界選手権の400mと4×400mリレーのファイナリストである。1992年バルセロナオリンピック4×400mリレー予選では、デイヴィッドが1走、サムソンが2走を務めて2分59秒63のケニア記録を樹立している。

自己ベスト[編集]

種目 記録 年月日 場所 備考
400m 44秒18 1992年8月3日 スペインの旗 バルセロナ アフリカ歴代5位
ケニア記録
400m (室内) 46秒21 1991年3月10日 スペインの旗 セビリア 元ケニア記録

主要大会成績[編集]

備考欄の記録は当時のもの

大会 場所 種目 結果 記録 備考
1990 コモンウェルスゲームズ (en ニュージーランドの旗 オークランド 400m 2位 44秒88
4x400mR 優勝 3分02秒48 (2走)
アフリカ選手権 (en エジプトの旗 カイロ 400m 優勝 45秒15
1991 世界室内選手権 スペインの旗 セビリア 400m 2位 46秒21
世界選手権 日本の旗 東京 400m 準決勝 46秒07
4x400mR 5位 3分00秒34 (1走)
アフリカ競技大会 (en エジプトの旗 カイロ 400m 優勝 45秒40
4x400mR 優勝 3分03秒14 (4走)
1992 オリンピック スペインの旗 バルセロナ 400m 3位 44秒24 準決勝44秒18:ケニア記録
4x400mR 決勝 DNF (1走) 予選2分59秒63:ケニア記録
1993 世界選手権 ドイツの旗 シュトゥットガルト 400m 3位 44秒54
4x400mR 2位 2分59秒82 (4走)
グランプリファイナル イギリスの旗 ロンドン 400m 4位 45秒13
1994 グランプリファイナル フランスの旗 パリ 400m 3位 45秒37
ワールドカップ (en イギリスの旗 ロンドン 400m 6位 45秒98 アフリカ代表
4x400mR 2位 3分02秒66 (3走) アフリカ代表
1995 世界選手権 スウェーデンの旗 ヨーテボリ 400m 4位 44秒71
4x400mR 決勝 DNS
アフリカ競技大会 (en ジンバブエの旗 ハラレ 400m 優勝 44秒36
1996 オリンピック アメリカ合衆国の旗 アトランタ 400m 準決勝 45秒17
4x400mR 決勝 DNS

注釈[編集]

  1. ^ なお、この決勝にはサムソンを含めケニアから3人が決勝に進出している。アメリカからも3人が決勝に進出しており、決勝に残った8人のうち6人がケニアとアメリカの選手だった。

出典[編集]

  1. ^ 第3回世界室内選手権男子400m決勝リザルト”. 国際陸上競技連盟. 2016年3月11日閲覧。
  2. ^ World Indoor Championships Portland 2016 Athletics Statistics Handbook(RESULTS FROM PAST MAJOR CHAMPIONSHIPSやCOUNTRY INDEXなどを参照) 国際陸上競技連盟 (PDF, 24.76 MB) 2016年09月23日閲覧
  3. ^ Rio 2016 Olympic Games Athletics Statistics Handbook(COUNTRY INDEX参照) 国際陸上競技連盟 (PDF, 36.73 MB) 2016年09月23日閲覧
  4. ^ 第4回世界選手権男子400m決勝リザルト”. 国際陸上競技連盟. 2016年3月11日閲覧。
  5. ^ 第4回世界選手権男子4×400mリレー決勝リザルト”. 国際陸上競技連盟. 2016年3月11日閲覧。
  6. ^ World Championships Beijing 2015 Athletics Statistics Handbook(RESULTS FROM PAST MAJOR CHAMPIONSHIPSやCOUNTRY INDEXなどを参照) 国際陸上競技連盟 (PDF, 70.89 MB) 2016年09月23日閲覧
  7. ^ 第5回世界選手権男子400m決勝リザルト”. 国際陸上競技連盟. 2016年3月11日閲覧。
  8. ^ 第5回世界選手権男子4×400mリレー予選リザルト”. 国際陸上競技連盟. 2016年3月11日閲覧。
  9. ^ 及川義朗「世界の陸上 四方山話」『月刊陸上競技』第48巻第11号、講談社、2014年10月号、 218頁。
  10. ^ IAAF NEWS 国際陸上競技連盟 (PDF, 1.4 MB) 2014年12月26日閲覧

外部リンク[編集]

功績
1人目:
ナイジェリアの旗 イノセント・エグブニケ
(男子・銀)
1987 ローマ
世界選手権400m
アフリカ人メダリスト

1993 シュトゥットガルト
3人目:
ウガンダの旗 デービス・カモガ
(男子・銀)
1997 アテネ
過去:
なし
世界室内選手権400m
アフリカ人メダリスト

1991 セビリア
2人目:
ナイジェリアの旗 サンデー・バダ
(男子・銀)
1993 トロント
1人目:
ジュリアス・サング
(男子400m・銅)
1972 ミュンヘン
オリンピック短距離個人種目
ケニア人メダリスト

1992 バルセロナ
3人目:
ボニフェス・ツムティ
(男子400mハードル・銀)
2016 リオデジャネイロ
過去:
なし
世界選手権短距離個人種目
ケニア人メダリスト

1993 シュトゥットガルト
2人目:
ニコラス・ベット英語版
(男子400mハードル・金)
2015 北京
過去:
なし
世界室内選手権短距離種目
ケニア人メダリスト

1991年セビリア
2人目:
未定