10ナンバーズ・からっと – Wikipedia

10ナンバーズ・からっと』(テン・ナンバーズ・からっと、TENナンバーズ・からっととも表記)は、サザンオールスターズの2枚目のオリジナル・アルバム。1979年4月5日にレコードで発売。発売元はInvitation。

1984年6月21日、1998年4月22日、2008年12月3日にCDで再発売されている。1989年6月25日にはCDとカセットテープで再発売された。また、2014年12月17日からはダウンロード配信、2019年12月20日からはストリーミング配信が開始されている[4][5]

背景・制作[編集]

制作していた時期は、100本近くのライブやテレビの音楽番組への出演など多忙な日々が続いたことから、レコーディングをしながら歌詞を決めるというスタイルが間に合わなく、本作の歌詞カードには歌詞が正しく載っていない「☆◎♂」などの記号で埋められている作品が3曲ある[1]。1998年の再発盤でその3曲以外は極力直しているが、記号のものは原版をそのまま写し、 公式サイトでも未だに正しい歌詞は公表されていない。一方でこの記号に対しては「過激な言葉が含まれるため、掲載不可だった」ためこのような形になったという噂も流れた[2]

デビューして間もなかった為レコーディングに慣れていない状態で且つ多忙な中制作されたこともあり、かつて桑田はこのアルバムに対して否定的な見解を述べ、記号に対し様々な見方がなされた事に対しても「ボクらにしたら面白くも何ともない」という旨を述べた[6]

歌詞カードで記号にされた「奥歯を食いしばれ」「アブダ・カ・ダブラ (TYPE 2)」「ブルースへようこそ」の正確な歌詞は1984年の桑田の著書『ただの歌詩じゃねえかこんなもん』に掲載された[7][8][9]

リリース[編集]

初期の楽曲はバーニングが権利を持っており、本作もプロデュースはバーニングプロダクションによるものである。

1998年の再発盤の初回限定盤は、オリジナルLP復刻ジャケット(紙ジャケット)仕様で、シャララカンパニーの佐藤輝夫によるライナーノーツが封入されている。

再発売[編集]

  • シングル収録曲は各シングルで説明しているため、ここでは説明を省略する。なお、オリジナル・アナログ盤では6曲目からがB面となっていた。
  • タイトルの後ろに※の表示がされているものは、上記の通り歌詞が記号となっているもの。
  1. お願いD.J. (4:04)
    (作詞・作曲:桑田佳祐/編曲:サザンオールスターズ/弦管編曲:新田一郎)
    間奏中には小林克也のウルフマン・ジャック調DJの語りが収録されており[1]、その声の主は桑田である[2][11]
  2. 奥歯を食いしばれ (4:23) ※
    (作詞・作曲:桑田佳祐/編曲:サザンオールスターズ)
    ドラムとパーカッションが前面に打ち出されたブルースである。途中で曲調がレゲエに変わる[1]
  3. ラチエン通りのシスター (4:07)
    (作詞・作曲:桑田佳祐/編曲:サザンオールスターズ)
    楽曲のタイトルは神奈川県茅ヶ崎市にある「ラチエン通り」からつけられた。桑田がかつて交際していた小中学生時代の同級生をモデルに書かれた曲であり、曰く相手と盛り上がって、その人と結婚しようとして書いたという[12]
    2004年に発売した「愛と欲望の日々/LONELY WOMAN」にはカップリング曲としてディファ有明で行われたファンクラブ限定の『海の日ライブ』で演奏された音源が収録されている。
    山下久美子がアルバム『Duets』にて、浜崎貴司とのデュエットでカバーしている[13]
  4. 思い過ごしも恋のうち (4:38)
    (作詞・作曲:桑田佳祐/編曲:サザンオールスターズ/弦管編曲:新田一郎)
    4枚目シングルとしてシングルカットされた。
    シングルバージョンは本アルバム収録バージョンとコーラスやホーンセクションアレンジが違い、この後のコンピレーション版などにはこのアルバムバージョンで収録されている。
  5. アブダ・カ・ダブラ (TYPE 1) (2:51)
    (作詞・作曲:桑田佳祐/編曲:サザンオールスターズ)
    本曲と次曲の別歌詞バージョンがメンバー全員が出演した「日清焼そばU.F.O.」のCMソングになっている。
    本曲のラストには飛行機の飛行音が収録されており、この音がTYPE 2に繋がるようになっている。
  6. アブダ・カ・ダブラ (TYPE 2) (2:50) ※
    (作詞・作曲:桑田佳祐/編曲:サザンオールスターズ)
    ちなみにTYPE 3は「いとしのエリー」のカップリングとして収録されているためTYPE 3が一番先に世に出ている。
  7. 気分しだいで責めないで (3:34)
    (作詞・作曲:桑田佳祐/編曲:サザンオールスターズ/管編曲:新田一郎)
    2枚目シングル。
    イントロをはじめアレンジは違ったものになっており、別テイクによる新録になっている。この後のコンピレーション版などは全て本作でのアルバムバージョンが収録されている。
  8. Let It Boogie (4:04)
    (作詞・作曲:桑田佳祐/編曲:サザンオールスターズ/弦管編曲:兼崎ドンペイ)
    ライオン「ザクトライオン」CMソング。
  9. ブルースへようこそ (3:59) ※
    (作詞・作曲・編曲:サザンオールスターズ)
    4枚目シングル「思い過ごしも恋のうち」のカップリング曲としてシングルカット。
  10. いとしのエリー (4:25)
    (作詞・作曲:桑田佳祐/編曲:サザンオールスターズ/弦編曲:新田一郎)
    3枚目シングル。

参加ミュージシャン[編集]

Special Guests[編集]

  • ラチエン通りのシスター
  • アブダ・カ・ダブラ (TYPE 1)
    • 薗田憲一&ディキシー・キングス – ホーン
  • アブダ・カ・ダブラ (TYPE 2)
    • 薗田憲一&ディキシー・キングス – ホーン

出典[編集]

外部リンク[編集]