ワットパクナム日本別院 – Wikipedia

ワットパクナム日本別院(ワットパクナムにほんべついん)とは、千葉県成田市にある、タイの仏教の寺院である[1]

ワットパクナムとは、アユタヤ王朝時代後期の西暦1610年にバンコクに建立された歴史ある仏教寺院であり、当院はその日本の別院である。ワットパクナム日本別院は日本で初めて建立されたタイの寺院であるという[1]。敷地は約2000坪と寺院としては広めであり、本堂、大食堂、休憩所、事務室、僧侶宿泊棟、一般宿泊棟、僧坊、庭園、布薩堂など、一般的なタイの寺院にある施設が揃っている。当院にはタイ人僧侶が常駐している。

ワットパクナム日本別院は宗教施設であるに留まらず、在日タイ人の交流の場でもあり、さらにはタイ王国大使館と協力しあい、移動領事開設、タイ古式マッサージの研修、タイ料理やタイ式フルーツカービングのレッスンなども行われている。

1996年に土地を購入し、1997年に土地に付帯した建物を寺院に改装して、その年の末に5人の僧がこの寺に入った。1998年に寺の本堂を建てるため寺の前の土地を購入し、年末に会堂の定礎式と僧衣献上式が行われた。2005年に本堂竣工式が行われ、竣工式にはタイ王国大使、105名のタイ人僧侶、タイと日本から3,000人以上のタイ人が参加した。

イベント[編集]

ソンクラーン(タイ旧正月)、ローイクラトン(灯篭流し)、ウィッサーカーブチャー(仏誕節)、タイ国王誕生日など、主要なタイ王国の祝日や仏教行事の日には、イベントが催されることがある。イベント当日には無料でタイ料理がふるまわれ、講堂で説法などが行われる。また仮設領事館が設営され、在日タイ人向けにパスポート更新などのサービスが行われることもある。イベント時には多い時で数千人が訪れ、来場者の8割程度は在日タイ人だという。人が集まる日には駐車場で出店もあり、タイ人向けの食材や雑貨などが販売される。イベントのスケジュールは公式ウェブサイトに記載があったが、2016年以降は更新されていない。

参拝・見学[編集]

「日本別院はタイ人中心の趣がありますが、日本人でも世界のどこの国の方でも、いつでも歓迎しております」として、常時参拝や見学を受け入れている。入場料や入場手続きはない。

参拝のマナーとしては、ミニスカートやノースリーブ、短パンなど露出が大きな服は好ましくなく、また女性が僧侶に触れるのは禁忌であるという。本堂は土足禁止であり、入り口で靴を脱ぐ。手を合わせるときは立ってではなく、座って正座して手を合わせる[2]

ワットパクナム日本別院は、成田国際空港内のグランドハンドリング業務を行う「日本空港サービス株式会社」の跡地に造成されており、寮や研修棟などの建物は改装して利用されているため、学校の構内のような雰囲気がある。布薩堂、本堂などの建物は後に建立された。また、敷地内にはタイ風の庭園も造成されている。

布薩堂[編集]

布薩堂はタイの仏教寺院の中で、最も大切な建物とされ、重要な儀式は必ず布薩堂で行われる。日本別院では布薩堂は最も目立つ建物で、青い屋根に大理石の壁、金色に装飾されており、内部には精緻な装飾が一面に施され、黄金の仏像も安置されている。土足不可。近年はインスタ映えするとして人気がある。訪問する日時によっては開いていないこともあるが、僧に声をかけると開けてくれることもある模様。内部見学可。

本堂[編集]

ガラス張りの本堂では、本尊である仏像と、僧侶の仏像が安置されている。内部見学可。

宿泊棟[編集]

寮を改装した、2階建ての僧侶宿泊棟(10室)と、5階建ての一般宿泊棟(50室)がある。

アクセス[編集]

アクセスには自動車が便利である。首都圏中央連絡自動車道(圏央道)下総インターチェンジが最も近いインターチェンジである。敷地内には無料の駐車場がある。

電車を利用の場合、最寄り駅はJR成田線、京成電鉄成田線の成田駅であり、成田駅からワットパクナム日本別院まではタクシーで約30分。

バスを利用の場合、京成電鉄成田駅前の千葉交通バス2番線より佐原粉名口車庫行きに乗車。51号線のセブンイレブン前の「吉岡新田」で下車。バス停留所から徒歩で約4キロ。

関連項目[編集]

  • ワッパープッタランシー 東京都八王子市にあるタイ仏教寺院。
  • 覚王山日泰寺 愛知県名古屋市にある超宗派の仏教寺院。タイ王国から寄贈された真舎利が安置され、タイと縁が深い。
  • 高尾山薬王院 東京都八王子市にある真言宗の寺院。タイ王国から寄贈された仏舎利がタイ様式の仏塔に安置されている。
  • 日本大道院純陽宮 千葉県香取郡にある台湾道教の廟。

外部リンク[編集]