井上正康 – Wikipedia

井上 正康(いのうえ まさやす、1945年 – )は、日本の医学者、大阪市立大学医学部名誉教授。

1945年(昭和20年)、広島県生まれ。1970年(昭和45年)、岡山大学医学部卒業。1974年(昭和49年)岡山大学大学院医学研究科修了(病理学・医学博士)[1]。大学院生時代には妹尾左知丸教授よりワクチンの研究をすすめられている。病原体の抗原構造を生きた状態に保ちながら死菌化することで安全なワクチンを生成できるものと考え、大阪大学医学部に内地留学し、研究に取り組んでいる[2]。また、大学院の最後にインド・ペルシャ湾航路のの船医を勤めることで、世界の7割以上の人間が感染症でなくなっていることを知り、感染症学に興味を抱くようになった[3]

卒業後、「分子病理学」という分子レベルから病気のメカニズムや原因を調べる総合ジャンルを提唱し、その研究のため、熊本大学で生化学から、有機合成、分子生物学まですべて履修し直している。のち渡米し、肝臓病学と栄養学を学び[3]、アルベルト・アインシュタイン医学校客員準教授、タフツ大学医学部の客員教授(分子生理学)、帰国して熊本大学医学部助教授(生化学)を歴任。1992年(平成4年)には大阪市立大学医学部分子病態学教室教授に就任している[1]。2011年(平成23年)3月に定年退職し、翌月に東日本大震災の被災地を訪問し、感染症対策を行っている[4]。同年、大阪市立大学医学部名誉教授兼特任教授(脳科学)、宮城大学理事・副学長を兼任。2013年(平成25年)健康科学研究所所長(産業医学)、大人の学校・現代適塾塾長に就任。さらに、2015年(平成27年)、株式会社キリン堂ホールディングズ取締役、2019年(平成29年)、腸内フローラ移植臨床研究会評議員FMTクリニック院長を兼任している[1]

  • 欧米で多く死者を出した新型コロナウイルスが、日本では少ない死者数で収まっている理由として、現在、新型コロナの変異株が6000種以上誕生しており、通常はウイルスは変異を繰り返しながら弱毒化して人類との共存を模索しているからであると述べている(例外としてSARS・MERSをあげている)。政府や専門家は世界と日本での発症事例を細かく観察しつつ、危険になったら素早い対応ができる科学的体制を築き上げることが重要だとし、国民もインフォデミックによる過剰対応せずに、正しく恐れることが大切だと述べている[5]
  • ニュース速報における感染者数とはPCR検査における陽性者数にほかならないと述べている。PCR検査で判明することはウイルスの遺伝子(RNA)の断片があるかないかであって、あれば陽性、なければ陰性となるだけで、断片が発見されたとしてもウイルスの量や感染力の有無(死骸であるかどうか)は不明である。ウイルスは体内や細胞内に侵入して初めて感染者になる。ただ、PCR検査自体は実験室で適切に活用すれば有力であり、潜伏期間の短いインフルエンザやSARS・MERSなどの強毒性ウイルスに対しては有効的なツールであるが、新型コロナのように潜伏期間が4日から2週間のような長い期間に及ぶウイルスには、検査を行うと感度が低すぎて偽陰性が大量に出てしまうため、あまり役立たない、新型コロナウイルスの感染者数の8割が無症状なのは感染力は強いが、毒性は低いため、混乱の源となるPCR検査を拡大使用するのは無意味であると主張している[6]
  • 「人類初の遺伝子ワクチン」はコロナへの恐怖感から長期的な影響を検証しないまま接種が始まり、有効性と安全性が2023年5月まで不明な第4相臨床試験中の実験試藥として人体実験をしている段階であると主張し、ウイルスの変異株の誕生の繰り返しにより、現在のワクチンでは新たな変異株を制圧できぬとしている。また、コロナワクチンについて、以下の観点から接種すべきか否かを問うている。
    1. 新型コロナの本質は血栓症である。
    2. スパイクタンパク質が血栓を作る毒物である(Circulation Reseaarch & 米国ソーク研究所)。
    3. ワクチン接種後の早期死亡の多数は、血栓や血管病態、循環器系障害である。
    4. mRNAワクチンは肝臓や脾臓、骨髄に加えて、副腎や卵巣などにも集積する(ファイザー社資料)。
    5. 抗スパイク抗体の血中半減期は約36日で寿命が短いため、予防効果は数ヶ月で終わり、再感染予防効果は極めて低い。
    6. DNAワクチンは体内で半永久的に作用し続ける。
    7. 以上の観点から、多くの医師がこれらの事実を知らず、接種の判断は個人の責任としているの欺瞞であり、短期間に重症副反応や死者が劇的に増加している薬を、リスクが皆無の子供や生殖世代に接種することの問題性を訴え、接種後にひどい自覚症状があったら、ただちに肺のCT画像と血中のDダイマーを検査依頼し、不幸にも死亡した場合には、家族が「病理解剖」を依頼することを勧めている[2][7]
  • 今回の新型コロナに対してはマスクの効果は限定的であり、ポストコロナ時代には「ステイ・クローズ」をし、場の空気に支配された人間関係を回復し、日本社会の再構築を望んでいる[5]
  • 新型コロナウイルスは高齢者にとってはリスクのある感染症であり、有効な感染対策として。手洗い、うがい、鼻洗浄・口腔ケアのほかに糞口感染を防ぐためのトイレの消毒をあげている[2]
  • 日本の寺社の手水舎による手洗いの習慣、玄関で靴を脱ぐ習慣を衛生的であると述べ、お辞儀の習慣も無意識的な感染症対策になっており、日本人が歴史的に感染症に対して適切な行動をしていると述べている[5]

単著[編集]

  • 『活性酸素と医食同源―分子論的背景と医食の接点を求めて』共立出版、1996年7月1日。ISBN 9784320061149。
  • 『活性酸素と運動―しなやかな健康と長寿を求めて』共立出版、1999年5月1日。ISBN 9784320061286。
  • 『いつでもどこでも 血管ほぐし健康法―自分でできる簡単マッサージ』角川SSコミュニケーションズ、2009年7月1日。ISBN 9784827531633。
  • 『1回5分!病気からカラダを守る血管マッサージ健康法』〈永岡書店〉、2012年6月15日。ISBN 9784522430712。
  • 『もむだけで血管は若返る 切れない・詰まらない血管マッサージ健康法』PHP研究所、2016年1月22日。ISBN 9784569828886。
  • 『本当はこわくない新型コロナウイルスー 最新科学情報から解明する「日本コロナ」の真実』〈方丈社〉、2020年10月1日。ISBN 9784908925665。

共著[編集]

  • 『活性酸素と老化制御―多細胞社会の崩壊と長寿へのシナリオ』大柳善彦・井上正康、共立出版、2001年2月1日。ISBN 9784320061392。
  • 『疲労の科学 眠らない現代社会への警鐘』井上正康・倉恒弘彦・渡辺恭良(共同編集)、講談社、2001年5月16日。ISBN 9784061536678。
  • 『新ミトコンドリア学』内海耕慥・井上正康、共立出版、2001年11月1日。ISBN 9784320055810。
  • 『アンチオキシダントミラクル 健康長寿へのサプリメント』レスター・パッカー・キャロル・コールマン(共著)・井上正康(監修)、講談社、2002年6月18日。ISBN 9784061536685。
  • 『コロナワクチン幻想を切る』坂の上零・井上正康、ヒカルランド、2021年4月2日。ISBN 9784864719940。
  • 『新型コロナが本当にこわくなくなる本 医学・政治・経済の見地から”コロナ騒動”を総括する』松田学・井上正康、方丈社、2021年5月7日。ISBN 9784908925764。
  • 『コロナとワクチンの全貌』小林よしのり・井上正康、小学館新書、2021年9月30日。ISBN 9784098254101。
  1. ^ a b c 『3日で寝てれば治るのに!コロナワクチン幻想を切る』奥付より
  2. ^ a b c 『コロナとワクチンの全貌』185 – 188頁
  3. ^ a b 『コロナとワクチンの全貌』23頁
  4. ^ 『コロナとワクチンの全貌』24頁
  5. ^ a b c 『本当はこわくない新型コロナウイルス』178 – 179頁
  6. ^ 『ゴーマニズム宣言SPECIAL コロナ論3』「特別対談井上正康×小林よしのり 日本におけるコロナ対策の『失敗』とワクチンを打たないという選択肢」203 – 205頁
  7. ^ 『ゴーマニズム宣言SPECIAL コロナ論4』「第14章井上正康の緊急提言」194 – 195頁

関連項目[編集]

外部リンク[編集]