台北ドーム – Wikipedia

台北ドーム
(臺北大巨蛋)
遠雄巨蛋、Farglory Dome
Taipei Dome site 201911.jpg

建設中の台北ドーム(2019年)

施設データ
所在地 中華民国(台湾)台北市信義区
起工 2012年4月17日
開場 2022年予定
所有者 遠雄グループ中国語版
グラウンド 人工芝
スコアボード メインスコアボード – 全面フルカラーLED(18.0m x 33.0m)
照明 照明灯 456灯
建設費 370億台湾元
設計者 POPULOUS
建設者 台湾大林組
遠雄営造
大林組
ウェブサイト 遠雄巨蛋
収容人員

40,071人(プロ野球開催時の最大席数)
50,000人(コンサート開催時)

グラウンドデータ
球場規模 両翼 – 102 m (約334 ft)
中堅 – 122 m (約400 ft)
バックストップ – 18.3 m
屋根の高さ – 72.5 m
フェンス 3.5 m

台北ドーム(タイペイドーム、繁体字中国語: 臺北大巨蛋、英語: Taipei Dome)は、台湾台北市信義区に建設中の野球場。
台湾初の多目的ドーム球場であり、人工芝球場である。

台北ドームは、遠雄グループ中国語版が手掛ける台北文化体育園区における商業施設やオフィス、ホテルなどのBOT方式による複合施設開発計画の中核である[1]
当初2014年に完成予定であったが、後述の工事中断の影響により当初の予定より完成が大幅に遅れることとなった。

2021年11月時点で、中華職業棒球大聯盟所属チームによる本拠地使用については未定。
2025年のワールドマスターズゲームズ台北市・新北市大会の開会式会場となる予定である[2]

1991年11月10日、台北市立野球場中国語版で行われた台湾シリーズの優勝決定戦となる第7戦味全ドラゴンズ対統一ライオンズにおいて、天候の急変による大雨により試合が中断・延期となった。
その際、観客が「ドーム球場が欲しい」と叫んだ出来事を契機に、当該試合に来場していた当時の行政院長の郝柏村がドーム型の室内競技場の建設を指示[3]
翌1992年には、行政院の指示により台北市がドーム体育館の建設計画に着手した[4]

2002年、「台北文化体育園区全区域計画」が完成し企業誘致を開始[4]
2004年5月、入札により遠雄グループがBOT事業者として台北市から選定[1][5]
2006年10月、台北市と事業者が設立した「遠雄巨蛋事業股份有限公司」が、台北文化体育園区における台北ドームのBOT契約を締結。
翌年には、行政院が開発事業を「国家重要建設」として承認した[4]

2011年6月、ドームの建築許可証が発行[4]
11月、大林組および台湾大林組が、遠雄建設子会社の遠雄営造とのJVで建設工事を受注し[5]、翌2012年4月より工事が開始された。
また、同時期に台北市が開催地に決定した2017年夏季ユニバーシアードの競技会場の一部となる見込みであると報じられた[6]

しかしその後、工事の安全基準を巡って市と遠雄グループが対立。
隣接する史跡の松山煙草工場跡での地盤沈下や、付近の台北捷運南港線内のトンネルで損傷が見つかるなどしたため、安全面での懸念も浮上[7]
2015年5月には、遠雄グループが認可された図面通りに施工していないなどとして、台北市が8割方完成していた工事の全面停止を命令[8][9]
2016年には、市と遠雄グループがドーム建設に関するBOT契約の解除について一旦は合意に達したものの[10]、その後遠雄側が譲歩の姿勢を見せたことなどから、市が契約解除を見送ると発表した[11]

2017年9月、排水設備などの修復工事が再開。
並行して環境アセスメントや防災などの評価も進行[8]

2019年2月、ソフトバンクグループ代表取締役会長兼社長の孫正義が台北ドームを買収する予定だと台湾各メディアが報じた。
これについて台北市は「聞いていない」とコメント、遠雄建設事業はその可能性も排除できないと答えている[12]

2020年6月、建設許可の変更が台北市建築管理工程処に認可され、同年8月に建設工事を再開。
10月には、台北市長の柯文哲が2021年末までに完工するとの見方を示した[8]

2022年には、台北市副市長の蔡炳坤中国語版が同年中の完成を目指すと述べた。開場後に開催される試合として、同年の台湾シリーズや10月に台北市で予定されているWBSC U-23ワールドカップが検討されているとした[13]。しかし、3月時点で新型コロナウイルス感染症の流行や一部の建設許可変更の設計が未完了であることから、工事の進捗は大きく遅れている[14]

アクセス[編集]

外部リンク[編集]