坤輿万国全図 – Wikipedia

坤輿万国全図(こんよばんこくぜんず、正字: 坤輿萬國全圖)は、明末にカトリック宣教師マテオ・リッチ(利馬竇)が作成した世界地図。「亜細亜」「赤道」など、漢語に翻訳されたヨーロッパの地理用語や地名などが記されている。「坤輿」は大地や地球の意。

イタリア出身の宣教師マテオ・リッチが作成した漢訳版世界地図であり、地球球体説を基にして六枚一組にして、卵型の図形の中心に中国を描き、他に天文図なども含んだ。当時の中国人の世界観に大きな影響を与えた。1602年に北京で刊行され、鎖国時の日本にも輸入されたり、『坤輿万国全図』という名で摸本が作られたり[1]して、世界についての知識の典拠となった。

「日本海」という呼称の初出と言われている[2][3]

朝鮮について、以下が記述されている。

朝鮮乃箕子封國 漢唐皆中國郡邑 今爲朝貢屬國之首 古有三韓濊貊渤海悉直駕洛扶餘新羅百濟耽羅等國今皆併入
〈朝鮮は箕子の封国であり、漢代も唐代も皆中国の郡邑であった。今は朝貢属国の筆頭である。古くは三韓、濊貊、渤海、悉直、駕洛、扶余、新羅、百済、耽羅等の国があった。今は皆朝鮮に含まれる〉

日本では現在、宮城県図書館及び京都大学図書館に数部が保管されており、宮城県図書館ではそのレプリカが常設展にて公開されている。模写としては東北大学附属図書館狩野文庫、古河歴史博物館などが所蔵する[1]

  1. ^ a b 【大航海時代の絵画十選】(7)「坤輿万国全図」(旧大陸図)東京国立博物館主任研究員・鷲頭桂『日本経済新聞』朝刊2018年11月22日(文化面)2018年11月23日閲覧。
  2. ^ 外務省 (2015年5月15日). “日本海~国際社会が慣れ親しんだ唯一の名称~ (PDF)”. 外務省. p. 3. 2017年6月21日閲覧。
  3. ^ 海上保安庁 海洋情報部 (2016年8月22日). “日本海呼称について|海上保安庁 海洋情報部”. 海上保安庁. 2017年6月21日閲覧。

関連項目[編集]

  • 山海輿地全図
  • 両儀玄覧図
  • 天文図解
  • 聖徳太子の地球儀
  • マテオ・リッチ(宣教師)
  • フェルディナント・フェルビースト
  • イエズス会

外部リンク[編集]