鉄オタ道子、2万キロ – Wikipedia

鉄オタ道子、2万キロ』(てつおたみちこ、にまんきろ)は、2022年1月8日(7日深夜)から毎週土曜 0時52分 – 1時23分(金曜深夜)にテレビ東京系「ドラマ25」で放送されているテレビドラマ[1][2]。主演は玉城ティナ[1][2]

家具メーカーで働く大兼久道子には秘密があった。それは鉄道オタクであるということ。本業の仕事が休みになると雑誌『旅と鉄道』に寄稿する取材のため、”誰にも干渉されず、誰にも邪魔されることのない鉄道ひとり旅”をする。本作は鉄道に詳しい女性が日本全国様々な場所を旅することで、そこかしこで出会う人々との交流や普段見られない景色などを楽しみながら本当の自分を探していく物語[1][2]

大兼久の雑誌への寄稿という目的のため、題材駅そのもののほか、その駅へ向かうための列車、周辺駅での駅弁やアクティビティー、ドローンを使った周辺の景色の空撮など駅の虚無感を演出しつつ盛りだくさんの内容となっている。

番組内で使用される写真のほとんどは、大兼久役の玉城が実際に撮影したものを使用している[3]

ドラマ前半は大兼久が列車で駅に降り立ち駅をこよなく味わう駅パート、後半は大兼久が駅や駅周辺で出会う人々と会話するドラマパートになっている。

大兼久が目的の駅へ降り立った際に第一声で呟く「ここ、どこだよ…」が、番組のお決まりとなっている。

利用者がほとんどいない”秘境駅”と呼ばれる駅、取り壊しが決定している駅舎、廃止が決定している(した)駅やトンネル内の駅など特徴的な駅を題材にしているため、アーカイブとしての側面も持っている。

第3話(1月22日放送)のナレーションで用いた比喩表現が不適切だったとして、放送後の動画配信を一旦停止した。その後、1月24日より表現を差し替えて配信を再開した。

番組プロデューサーの村田充範が同局『所さんの学校では教えてくれないそこんトコロ!』のコーナー「あなたはナゼ秘境駅へ?」[注 1]でADを担当した時に、そこで出会った人たちの様々な人生模様と触れた事がドラマ企画の始まり[4][5]

ドラマではリアリティを大事にしたいと考えて、番組に鉄道監修として関わっている南田裕介、「秘境駅」という言葉を広めたライターの牛山隆信、トラベルライターの横見浩彦等へ鉄道や鉄オタ、秘境駅等に関する事前のリサーチを行っている。また、意外性を演出するために一般的なオタク像からはギャップのある玉城を主役にキャスティングした。さらに、鉄道の走行音などは本物を使い[6]、第2話の駅員さん、第4話の船頭さんは役者ではなく実際の方がそのまま出演、登場する宿や店舗は実在するなど、過度な演出は敢えて避けている[4]

タイトルにある”2万キロ”とは、かつて国鉄の旅客営業キロが20,992.9キロメートルあったことに由来している[7]

『鉄オタ道子、2万キロ』では視聴者が気軽に行けない秘境駅を主な舞台に選んでいる事から、都内近郊で手軽に行けるスポットを紹介するために『鉄オタのぞみ、50キロ』が企画された。道子と対照的な重度の鉄オタであるのぞみを主人公とする事で、鉄道を2つの視点から楽しめるようにしている[4]

主要キャスト[ソースを編集]

大兼久道子(おおがねく みちこ)
演 – 玉城ティナ
東京の家具販売会社社員としてキャリアを重ねる28歳[8]。生粋(歴10年)の鉄道オタクで日本全国へ鉄道の旅を楽しんでいる。鉄オタである事はあえて公表していないが、特に隠してもいない[6][注 2]。旅の記録を”Yui“というライターネームで雑誌『旅と鉄道』に正体を伏せて寄稿している。
黒羽則夫(くろは りお)
演 – 六角精児[9]
雑誌『旅と鉄道』の編集長。毎回、旅先の大兼久に電話して、取材の様子やリクエスト、読者からの感想を伝える等している。

甲斐(かい)

演 – 栗原類[9]
大兼久が北海道・比羅夫駅で知り合った撮り鉄の青年。アルバイトで資金をつくり、全国の鉄道を撮影してまわっている。雑誌『旅と鉄道』の愛読者で、投稿もしているがなかなか採用されない。Yui の写真や文章に憧れており、旅先で彼女と出会う事を夢見ている。大兼久とは何度も旅先で行動をともにする機会を得ているが、彼女が Yui である事は知らない。
第1話・7話・8話・12話に登場。

各話出演者[ソースを編集]

第1話
山岸やまぎし
演 – 明逸人[10]
日本で唯一宿泊できる駅「比羅夫駅」の主人。
関口由美子せきぐち ゆみこ
演 – 青坂章子
宿で大兼久と相部屋になった女性。
第2話
富田花蓮とみた かれん
演 – 佐々木告
鉄道オタクの中学生。
「百姓屋」店主
演 – 椿鮒子
花蓮が通う塾の講師(音声のみ)
演 – 冨沢竜也
第3話
旅行者
ロディろでぃ
演 – マーカス・ジョンソン
トーマスとーます
演 – ライアン・ブレネセン
矢部洋次やべ ようじ
演 – 笹入舟作
接岨湖湖畔で出会った釣り人。
第4話
為末守流ためすえ まもる
演 – 水石亜飛夢
鉄道車輌の走行音などを録音していた音鉄。
旅人
演 – 団長安田(安田大サーカス)
旅行客
演 – 呑山仁奈子、五十嵐美紀、田日苗水
第5話
鶴峰甚太つるみね じんた
演 – 黒田大輔
「早戸温泉つるの湯[11]」主人。
「早戸温泉つるの湯」宿泊客
箕輪俊介みのわ しゅんすけ
演 – 高橋大翔
崎村香苗さきむら かなえ
演 – 園田あいか
「霧幻峡の渡し[12]」船頭
演 – 渡部貴裕
第6話
鉄オタ親子
成瀬春真なるせ はるま
演 – 安藤瑛大
成瀬大地なるせ だいち
演 – 安藤陸人
成瀬かおりなるせ かおり
演 – 高野志穂
舞香まいか
演 – 森田想
大兼久の大学時代の友人。
勇作ゆうさく
演 – 青木瞭
舞香の恋人。
「箱根上の湯スイッチバックカフェ[13]」店員
演 – 橘ほの花
第7話
橘真琴たちばな まこと
演 – 佐藤かなん
地元に帰省していた女性。
第8話
“西郷どん”風の地元住民
演 – 米田翔太(劇団鳴かず飛ばず)
第9話
トンネル駅に現れた男
演 – 大野大輔
第10話
荒木ひかりあらき ひかり
演 – 高石あかり
大兼久の会社の後輩。
カップル
演 – 宮下葵、坂口龍誠
第11話
地元住民
演 – 松木大輔、枝元萌
話数 放送日 サブタイトル 食事 脚本 監督
第1話 2022年
1月08日
ep 01 北海道・比羅夫駅/日本唯一の泊まれる駅へ かなやのかにめし(長万部駅) 竹村武司 古澤健
第2話 1月15日 ep 02 栃木県・男鹿高原駅/日本屈指の秘境駅へ とち福弁当(鬼怒川温泉駅) 鈴木史子
第3話 1月22日 ep 03 静岡県・奥大井湖上駅、ひらんだ駅[15]/日本一の絶景駅へ 東海軒のおにぎり、大井川鐡道ビール(千頭駅) 中村允俊 ヤング・ポール
第4話 1月29日 ep 04 福島県・大川ダム公園駅/音鉄男子あらわる… 南会津おふくろ弁当(会津田島駅) たかせしゅうほう 古澤健
第5話 2月05日
1:12 – 1:43
ep 05 福島県・早戸駅/絶景渡し船に乗れる駅 会津を紡ぐわっぱめし(会津若松駅)
第6話 2月12日
1:05 – 1:36
ep 06 箱根登山鉄道・塔ノ沢駅/クリスマス編 渡邊ベーカリーの梅干しあんぱん(宮ノ下駅) 鈴木史子
第7話 2月19日
1:02 – 1:33
ep 07 北海道・渡島沼尻駅/レトロ列車で秘境駅へ 元祖森名物いかめし(森駅) 竹村武司
第8話 2月26日 ep 08 鹿児島県・西大山駅/JR最南端の駅へ 鰻温泉のスメで蒸したサツマイモ(西大山駅) 市川榮里 ヤング・ポール
第9話 3月05日
1:22 – 1:53
ep 09 新潟県・筒石駅/地下40m!モグラ駅探検 鱈めし(直江津駅) 中村允俊 古澤健
第10話 3月12日 ep 10 鹿児島県・薩摩高城駅[16]/後輩と二人旅 えびめし(出水駅) 市川榮里 ヤング・ポール
第11話 3月19日 ep 11 静岡県・川根小山駅/吊り橋を渡る 大井川ふるさと弁当(千頭駅) たかせしゅうほう
第12話 3月26日(予定) ep 12 千葉県・竹岡駅/潮の香り漂う駅 菜の花弁当(木更津駅) 古澤健

『鉄オタのぞみ、50キロ』[ソースを編集]

本編放送終了後にひかりTV、Paravi、YouTube(テレビ東京公式 ドラマチャンネル)、ネットもテレ東(公式サイト、TVer、GYAO!)[注 3]で配信される。

『旅と鉄道』の編集者であるのぞみが何かを切っ掛けに自ら「覚醒」と呼ぶ「鉄分」補給の衝動にかられ、近場の鉄道スポットに出かけて堪能する様を描く。「覚醒」時には、のぞみの脳内で構内アナウンス風に流れる吉川正洋(ダーリンハニー)の「のぞみ、発車しまぁーす」を合図に、のぞみ自身がブレーキ緩解音の口真似をして目的地へ「出発進行」してしまう。

タイトルにある”50キロ”に深い意味は無く、気軽に行ける距離ということで50キロになった[4]

キャスト(鉄オタのぞみ、50キロ)[ソースを編集]

のぞみ
演 – 久保乃々花[9]
雑誌『旅と鉄道』の編集者で、黒羽の部下。
Yui からは毎回ドラマ本編で訪れた場所の写真がSNSで送られてくる。
のぞみ覚醒時の構内アナウンス
声 – 吉川正洋(ダーリンハニー)
のぞみの学生時代の友人。
あずさ(第5話)
演 – Michi
つばさ(第7話)
演 – 早坂ちあき
広田(第8話)
演 – 長嶋トモヒコ(ダーリンハニー)
『旅と鉄道』が仕事を依頼しているイラストレーター。
カップル(第9話)
演 – 明石光輝、木村ななこ
社長(第11話)
演 – 野月貴弘(SUPER BELL”Z)
社員(第11話)
演 – 明石光輝

スタッフ(鉄オタのぞみ、50キロ)[ソースを編集]

  • 監督 – 相笠文寿
  • 脚本 – 市川榮里
  • 鉄道監修 – 渡辺雅史
  • プロデューサー – 村田充範(テレビ東京)、山野和也、山守文雄
  • 音楽 – カワイヒデヒロ
  • 製作協力 – C&Iエンタテインメント、dE[注 4]
  • 制作著作:テレビ東京

配信日程(鉄オタのぞみ、50キロ)[ソースを編集]

株式会社天夢人『旅と鉄道』編集部[ソースを編集]

劇中に登場する同誌編集部は実際の編集部で収録している。2022年1月21日発行の『旅と鉄道』3月号では、玉城ティナのインタビュー等をコラボ企画として掲載した[17]

クラブツーリズム鉄道部[ソースを編集]

最終回直前のコラボ企画として2022年3月25日にオンラインイベントを開催予定[18]

注釈[ソースを編集]

  1. ^ 同コーナーで取り上げたひらんだ駅、川根小山駅、男鹿高原駅、早戸駅は、ドラマの舞台にもなっている。
  2. ^ 企画段階では、鉄オタである事を周囲に隠して生活しているという設定だったが、玉城が演じていく中で「別に訊かれてないから言ってないけど特に隠してないよ」という設定に変わったとプロデューサーの村田は語っている。第6話で恋人と一緒にいた学生時代の友人と偶然会って「鉄オタなの?」と訊かれた際は「違うよ」と否定していたが、第10話で後輩社員から「職場のみんなは気づいてたけど黙ってた」「もう隠す必要はありませんよ」と言われ安堵の涙を見せている。
  3. ^ 第1話は2月28日まで、第2話以降は1週間限定の配信。
  4. ^ 鉄道チャンネル等を手がけるエキスプレスのグループ会社。

出典[ソースを編集]