関菜々巳 – Wikipedia

関 菜々巳(せき ななみ、女性、1999年6月12日 – )は、日本のバレーボール選手。ニックネームはセナで、シャツネームはSEKI。V.LEAGUE Division1の東レアローズに所属している[1][2][3]

千葉県船橋市出身。2人姉妹の次女。小学2年生のとき、姉の影響を受け自身もバレーボールを始めた[2][4]

船橋市立法典西小学校 時代

千葉県船橋市立法典西小学校に進学。塚田JSCに所属しており、来歴にあるように姉の影響でバレーボールを始めた。同チームで、父はコーチとして指導。関東大会にも出場し、小学校6年生はキャプテンとしてチームを引っ張った。当時ポジションはセンターであった。

──バレーを始めた年齢ときっかけは?
小2の頃からです。きっかけは姉が先にやっていたので…。

──初めてセッターになったのは?
小5で一度セッターになり、小6で一度アタッカーに戻りました。その時はセンターでしたね。 — 関菜々巳「バレーボールマガジン|日本代表初選出。東レ・関菜々巳『ベスト6、最優秀新人賞は周りの方々のおかげ』」より[4]

船橋市立行田中学校時代はJOC杯都道府県対抗大会に出場し、ポジションはアタッカーだった。

──中学校では?
年功序列の学校だったので、中1の時は試合にあまり出ないまま終わってしまいました。中2でセッター、中3はツーセッターでした。 — 関菜々巳「バレーボールマガジン|日本代表初選出。東レ・関菜々巳『ベスト6、最優秀新人賞は周りの方々のおかげ』」より[4]

千葉県立柏井高等学校 時代[編集]

千葉県立柏井高等学校に進学。同学を選んだ理由は、関が中学3年生のときに柏井高校が3位入賞した「春の高校バレー」を会場で観戦していたことがきっかけだった。当時高校2年生だった中元南、工藤嶺ら両エースに「トスを上げてみたい」と憧れて同学への進学を決めたという[5]

──本格的にセッターをやり始めたのは高校から?
そうですね。高校でも最初はアタッカーでしたが、その後セッターに転向して、そこからはずっとセッターです。

──トスの組み立ては高校時代からミドル中心?
そうですね。高校はサイドの選手が大きくなかったので、当時の監督に「ミドルが決まらないと試合に勝てない」と言われて…。そこから意識するようになりました。 — 関菜々巳「バレーボールマガジン|日本代表初選出。東レ・関菜々巳『ベスト6、最優秀新人賞は周りの方々のおかげ』」より[4]

2016年7月、タイのナコンラチャシマで開催される「第18回アジアジュニア女子選手権大会(U-19)」の代表メンバーに選出された(同時選出は黒後愛、積山春花、松井珠己、オクム大庭冬美ハウィ、新井祥、山口珠李、荒谷栞、堀江美志、安井由香子、東谷玲衣奈、上坂瑠子ら)[6]

2017年1月24日、翌月18〜19日に渡り府民共済SUPERアリーナで開催される「第14回 2017全日本ジュニアオールスタードリームマッチ」の「チームMAX」のキャプテンとして選出された[7][8][9]

3年生時にはキャプテンとしてチームを率い「第70回全日本バレーボール高等学校選手権大会(春の高校バレー2018)」に出場。1回戦の三重高等学校にストレートの勝利を収め、2回戦の郡山女子大学附属高等学校にも勝利するも、高校総体準々決勝でも敗戦を喫していた大分の名門・東九州龍谷高等学校にリベンジ叶わず今大会をベスト16で終えた[10][11]

──関について
絶対的エースはいなくても、そのトスワークでチームの攻撃力を最大限に引き出すのがセッターで主将の関だ。高い位置から正確なトスを上げ、ミドルブロッカーを巧みに使いながら、得点を演出する。春高バレーでのチームの最高成績はベスト4。その壁を打ち破れるかは、司令塔としての彼女の技、そして主将としての闘争心が鍵を握っている。 — フジテレビ「春の高校バレー2018|注目選手」より[10]

東レアローズ 時代[編集]

2017年11月30日、東レアローズへの入団内定が発表された[12][13]

自分の出来る事を精一杯、頑張りたいと思います。 — 関菜々巳「東レアローズ|内定選手の加入について」より[12]
──東レでは新人がひとりだけで同期がいない状況ですが、入団時に不安はなかった?
最初は不安だったのですが、先輩方が優しいのですぐに馴染むことができました。特に小川さんがよく遊んでくれます(笑) — 関菜々巳「バレーボールマガジン|日本代表初選出。東レ・関菜々巳『ベスト6、最優秀新人賞は周りの方々のおかげ』」より[4]

2019年2月8日、「2018-19V.LEAGUE オールスターゲーム」の日程が発表。これに合わせて昨年12月25日から行われていたファン投票の中間発表が行われ、関はセッター部門の5位(738票)につけ、同年3月15日に最終結果が発表され、結果は変わらず5位(2,024票)。最終的に出場するセッターは宮下遥、比金桃子、佐藤美弥、田原愛里ら4名が選ばれ、関は惜しくも出場を逃した[14][15]

2019年4月5日、「2018-19 V.LEAGUE DIVISION1 WOMEN V・ファイナルステージ ファイナル」の前日記者会見が行われ、久光スプリングスから酒井新悟監督、岩坂名奈、野本梨佳らが、東レアローズからは関と菅野幸一郎監督、堀川真理が出席した[16]

V.LEAGUE Division1 2018-19では「最優秀新人賞」および「ベスト6」を受賞[17]

2019年4月24日、味の素ナショナルトレーニングセンターで2019年度日本代表女子バレーボールチームの始動会見が行われた[18]

──今年度は日本代表にも選出されました
とても驚きましたが、選手としていつかは行ってみたい場所と思っていたので、嬉しいです。私はまだまだ技術も足りないですし、代表ですから責任も重大ですが、学ぶことも多いと思うので、もっと成長できるように頑張りたいと思います。 — 関菜々巳「バレーボールマガジン|日本代表初選出。東レ・関菜々巳『ベスト6、最優秀新人賞は周りの方々のおかげ』」より[4]
── セッターとして代表に入ることはひとつの夢だったと思いますが、その夢が叶いました。どんな頑張りを見せていきたいと思いますか?
初の全日本ということでとても緊張していますが、自分の今できる全力のプレーでチームの勝利に貢献したいです。 — 関菜々巳「バレーボールマガジン|日本代表女子始動会見 中田久美監督『若手を意識して選出した。関菜々巳が戦力として世界で戦えるか見ていきたい』全選手コメント」より[18]

2019年4月1日、2019年度の日本代表メンバー28名に選出された。関はこれが日本代表初選出(同時選出は古賀紗理那、岩坂名奈、新鍋理沙、荒木絵里香、宮下遥、石井優希、内瀬戸真実、島村春世、冨永こよみ、鍋谷友理枝、佐藤美弥、奥村麻依、小幡真子、井上琴絵、黒後愛、田代佳奈美、山岸あかね、今村優香、渡邊彩、長内美和子、吉野優理、入澤まい、芥川愛加、東谷玲衣奈、中川美柚、石川真佑、宮部愛芽世ら)[19]

2019年5月、この年の「モントルーバレーマスターズ」に出場する代表メンバー17名に選出(同時選出は古賀紗理那、岩坂名奈、新鍋理沙、宮下遥、石井優希、鍋谷友理枝、佐藤美弥、奥村麻依、小幡真子、黒後愛、山岸あかね、今村優香、渡邊彩、長内美和子、芥川愛加、中川美柚ら)。関は全5試合中4試合にスターティングメンバーとして出場し「ベストセッター賞」に輝くなどの活躍を見せ日本代表チームの2位入賞に大きく貢献した[20]

モントルーバレーマスターズ、日本の最終結果は準優勝。代表初選出の関菜々巳選手、長内選手が活躍したことは、来週21日から始まるネーションズリーグに向けて大きな収穫となった。 — 寺廻太 強化委員長「日本バレーボール協会|モントルーバレーマスターズ」より[20]

2020年1月27日、2020年度の日本代表メンバー29名に選出された(同時選出は黒後愛、古賀紗理那、岩坂名奈、新鍋理沙、荒木絵里香、宮下遥、石井優希、山岸あかね、田代佳奈美、芥川愛加、鍋谷友理枝、佐藤美弥、奥村麻依、小幡真子、井上琴絵、渡邊彩、長内美和子、吉野優理、井上愛里沙、石川真佑、入澤まい、及川真夢、工藤嶺、松井珠己、山田二千華、林琴奈、水杉玲奈、曽我啓菜ら)[21][22]

2020-21 V.LEAGUE DIVISION1ではチームのレギュラーラウンド21戦全勝での優勝に貢献し、自身も2シーズンぶりにベスト6を受賞[23][24]。しかし、ファイナルで対戦することとなったJTマーヴェラスに敗れ今シーズンを準優勝で終える。優勝を逃した直後に行われた会見では涙を流しながらインタビューに答えた[25]

ただただ悔しいという感想しかない…。目の前に優勝というチャンスがある中で自分の納得いくプレーができずに本当に悔しい。すごく後悔してる。自分の弱さが出てしまった。 — 関菜々巳「スポーツニッポン|東レ、21戦負けなしもPOで優勝逃し涙…黒後愛『勝ちたかった』」より[25]

2021年2月22日、2021年度の日本代表メンバー24名に選出された(同時選出は黒後愛、古賀紗理那、島村春世、長岡望悠、荒木絵里香、宮下遥、石井優希、石川真佑、田代佳奈美、芥川愛加、鍋谷友理枝、佐藤美弥、奥村麻依、小幡真子、井上琴絵、渡邊彩、井上愛里沙、東谷玲衣奈、山田二千華、林琴奈、内瀬戸真実、水杉玲奈、籾井あきら)[26][27]

2021年5月、ネーションズリーグの代表メンバー17名に選出されるも、今大会での正セッターは籾井あきに譲ることとなる。関の出場は2枚替えを含む途中出場が主であった。予選ラウンドでは随所で存在感を見せていたもののファイナルラウンドでは出場機会に恵まれず、この大会のあとに関は2020年東京オリンピック出場メンバーから落選する[28][29][30][31]

今回の日本代表での4ヶ月を振り返り、自分に一番足りないのはメンタル面かなと。自分は捉え方がネガティブ。それが悪循環を生んでるなと。すぐに全てを変えるのは難しいけど、少しずつ考え方を変えていきたい。 — 関菜々巳「カンテレ|【バレー】日本代表での経験を糧に 東レアローズ・関菜々巳がチーム合流」より[30]
──関の東京オリンピック落選について
何か足りなくて落とされている。オリンピックメンバーに選ばれなかった悔しさを忘れずに足りないところを埋めれば、パリ五輪も目指せる選手。私もその手助けをしたい。 — 中道瞳 コーチ「カンテレ|【バレー】日本代表での経験を糧に 東レアローズ・関菜々巳がチーム合流」より[30]

人物・エピソード[編集]

──バレーを離れたオフの日は、どんなことをして過ごしますか?
美味しいものを食べに行くのが好きです。甘いものが好きですね。あとは結構ダラダラしています(笑) — 関菜々巳「バレーボールマガジン|日本代表初選出。東レ・関菜々巳『ベスト6、最優秀新人賞は周りの方々のおかげ』」より[4]

所属チーム[編集]

ジュニア代表

日本代表(2019年-)

個人成績[編集]

V.LEAGUEの個人通算成績は下記の通り[34]

大会 チーム 出場 アタック バックアタック アタック
決定本数
ブロック サーブ サーブレシーブ 総得点























































V1 2018-19 東レ 33 126 62 37 1 59.7 0 0 0 0.29 17 0.13 572 4 24 20 174 11.6 4 0 0 0 37 17 28 82
V1 2019-20 24 92 28 17 1 60.7 0 0 0 0.18 12 0.13 361 3 13 18 104 10.4 5 0 0 0 17 12 16 45
V1 2020-21 23 78 24 13 0 54.2 1 0 0 0 0.17 3 0.04 272 2 17 10 92 14.5 3 0 1 16.7 13 3 19 35
V1 2021-22 34 122 47 26 0 55.3 0 0 0 0.21 14 0.11 418 2 21 23 119 11.2 6 0 0 0 26 14 23 63
通算:4シーズン 114 418 161 93 2 57.8 1 0 0 0 0.22 46 0.11 1623 11 75 71 489 11.7 18 0 1 2.8 93 46 86 225

外部リンク[編集]

その他

関係のある人物[編集]

千葉県立柏井高等学校時代のチームメイト