『ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘』(ゴジラ・エビラ・モスラ なんかいのだいけっとう)は、1966年(昭和41年)12月17日に公開された日本映画で[5][8]、「ゴジラシリーズ」の第7作である[12]。製作は東宝[3]。カラー、東宝スコープ[5][10]。併映は『これが青春だ!』[3]。 初回興行時の観客動員数は345万人[13][注釈 2]。 南海の孤島を舞台に、若者たちの活躍を描いたアクション活劇[9]。従来の怪獣映画とは毛色の異なる作風となっており、本作品でのゴジラは人類の敵でも味方でもない中立の存在と語られている[9]。従来のような都市破壊描写も存在しない[14]。タイトルにはモスラも名を連ねているが、出番は少ない[14][9]。 本編監督や音楽担当も、それまでの「ゴジラシリーズ」の主軸を務めた本多猪四郎から福田純へ、伊福部昭から佐藤勝へ変わり、作風もそれまでの重厚なものから軽快なものへ変わっている[出典 3][注釈 3]。 ストーリー[編集] 青年・良太は、南洋でマグロ漁船ごと行方不明になった兄の漁師、彌太が生きているとの恐山のイタコの託宣を信じ、マスコミを頼ってひとり上京してきた。ヨットの賞品が懸かった「耐久ラリーダンス大会」を知り、会場を訪れた良太は、途中ギブアップした出場者の大学生・仁田、市野と知り合う。その晩、葉山海岸に向かった一同は、港にあった太平洋横断用のヨット「ヤーレン号」に無断で泊まり込むが、そこに訳あり風の男、吉村がオーナー顔でいた。翌朝目が覚めた一同は、良太の手でヤーレン号が港を離れはるか海上にあることを知り、さらに吉村の金庫破りを報じるラジオニュースを聞いて驚く。こうして良太の兄探しに同行する羽目となった吉村らだが、突如ヨットを襲った暴風雨の中で巨大なハサミに襲われて遭難、南海の孤島レッチ島に流れ着く。 島に上陸した一同だが、この島は秘密結社「赤イ竹」の工場となっており、核兵器の製造が行われていた。良太らの見守る中、黄色い液体を海にまきながら、島の波止場に赤イ竹の定期輸送船が入港してくる。そのとき、小舟を奪った脱走奴隷が海へ出たが、たちまち現れた巨大なエビの怪獣「エビラ」の餌食になってしまう。ヤーレン号を転覆させたのは、エビラの巨大なハサミだったのだ。定期連絡船の撒いていた黄色い液は木の実の汁で、エビラの苦手とするものだった。赤イ竹は巨大蛾モスラの住むインファント島の住民を強制連行して労働を強い、この黄色い汁の製造に従事させていたのである。 島からの脱出案を練る吉村らは、脱走して来たインファント島の娘・ダヨと出会う。ダヨは彌太がインファント島で無事にいることを良太に教え、行動を共にするようになる。彼らは偶然島の谷底に眠っていたゴジラを発見。避雷針を急ごしらえし、落雷による電気ショックを与えて復活させる。覚醒したゴジラは本能的にエビラと戦うが、決着はつかなかった。ゴジラは島で暴れ始め、大コンドルや赤イ竹の戦闘機隊と一戦を交えながら[注釈 4]、赤イ竹の重水工場へ向かって来る。吉村は得意の錠前破りで基地に潜入、一方赤イ竹に捕まり、インファント島民と同じ洞窟へ監禁された仁田は彼らに呼び掛けて、偽の黄色い汁を作らせる。 やがて防衛線を突破したゴジラは施設を破壊、赤イ竹は基地放棄を決め、島の自爆装置を作動させる。しかし、エビラ除けの黄色い汁が偽物にすり替えられていたため、脱出した赤イ竹はエビラにより全滅する。ゴジラとエビラが再び壮絶な激闘を繰り広げる中、目覚めたモスラが島民たちを救出するべくレッチ島に向かっていた。 登場人物[編集] 吉村(よしむら)[17] 本作品の主人公。実は金庫破りで、ヤーレン号に潜伏しているところを市野たちに出くわし、良太の彌太探しに無理矢理駆り出される[17][18]。鍵穴を見るとムズムズする性格と自称するが、根は浪花節に弱い人情家[17][18]。彼の「武器はなくともアイデアで勝負だ」という言葉が役に立つことになる。 ダヨ[19] 本作品のヒロイン。日本語を話せるインファント島の娘で[19][18]、「赤イ竹」の監視をかいくぐり脱走。そこで吉村らと出会い、島民救出のために奔走する。彼女以外に、捕えられていた原住民の老人も日本語を理解している。
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