W・レーシングチーム – Wikipedia

ベルギーの旗W・レーシングチーム
2018年バサースト12時間 アウディ・R8 LMS

2018年バサースト12時間 アウディ・R8 LMS
創設者 ヴィンセント・フォッセ
ルネ・バービスト
イヴ・ウェールツ
活動期間 2009年-
カテゴリ FIA 世界耐久選手権
ヨーロピアン・ル・マン・シリーズ
GTワールドチャレンジ・ヨーロッパ
インターコンチネンタルGTチャレンジ
ADAC GT マスターズ
チームズ
タイトル
26 (2021 FIA WEC – LMP2まで)
ドライバーズ
タイトル
23 (2021 FIA WEC – LMP2まで)
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W・レーシングチーム

種類

株式会社
業種 自動車産業
設立 2009年8月14日 (12年前) (2009-08-14) in モンス, エノー州, ベルギー
創業者 イヴ・ウェールツ
ルネ・バービスト
ヴィンセント・フォッセ
本社 Rue des Roseaux 66、

ボドゥール

ベルギー
売上高 増加 € 10.841.417[1] (2015)

営業利益

減少 € 53.624 (2015)

利益

減少 € 13.524 (2015)
総資産 増加 € 7.654.319 (2015)
純資産 増減なし € 600.000 (2015)

従業員数

増減なし 12 (2015)
親会社 Pole Invest.be SPRL
Delta Capital Company SA
Upperwest SPRL
子会社 AMP Belgium SPRL
ウェブサイト www.w-racingteam.com ウィキデータを編集

W・レーシングチームWRT)は、2009年にエンジニアで、フォルクスワーゲン・モータースポーツの元トップであるルネ・バービスト、レーシングドライバーのヴィンセント・フォッセ、起業家のイヴ・ウェールツによって設立された、ベルギーのレーシングチームである。チームは、国内および国際的なGTカーシリーズにアウディ・R8 LMSで、ベルギーツーリングカーシリーズにフォルクスワーゲン・シロッコGT24で参戦した。チームは2つのブランドとの提携を通じて、ベルギーアウディクラブとベルギーフォルクスワーゲンクラブから主要なサポートを受けている。 2010年、チームはベルギーGT選手権のドライバー、チームタイトルを獲得し、2011年にはスパ24時間レースで優勝した。その後も様々なGT選手権で複数のタイトルを獲得し、WRTはGTレースで世界最高のチームの1つと見なされている。2019年、アウディ・RS5ターボ DTMでDTMに参戦。2021年、FIA 世界耐久選手権(WEC)とヨーロピアン・ル・マン・シリーズ(ELMS)にオレカ・07で参戦し、2021年のル・マン24時間レース英語版のLMP2クラスでクラス優勝した。ELMS、WECでもLMP2クラスドライバー、チームの両タイトルを獲得した。

チームの歴史[編集]

チームが2009年後半に設立された時、WRTは公式のベルギーアウディモータースポーツの輸入業者として、3台のアウディ・R8 LMSレースカーを購入した。

2010年、3台の車は国内のベルカー耐久選手権、フランスのFFSA GT選手権、シーズン半ばのスパ・24時間レースにそれぞれ参戦した。チームは最初から成功を収め、グレゴリー・フランキアンソニー・クンペンによる2回の勝利と、フランソワ・バービスト、バート・ロンギン、ビル・ベイリーで、ゾルダー・サーキットでの10時間耐久レースでの3回目の勝利を含め、1台の車で全てのベルカー耐久選手権で表彰台を獲得した。フランキとクンペンはドライバーズ、WRTはチームタイトルを獲得した。フランキはステファン・レメレとのペアで、FFSA GTでさらに2回表彰台を獲得した。このプログラムに加えて、2台のフォルクスワーゲン・シロッコGT24がベルギーツーリングカーシリーズで使用する為に購入され、チームはそのカテゴリーで2位だった。

2011年、WRTはFIA GT3ヨーロッパ選手権[2]ブランパン耐久シリーズを追加し、プログラムを拡大した。WRTがFIA GT3選手権の初戦で、フランキとエンツォ・イデは2レースの内、2レース目を優勝した。フランス人ドライバーのデヴィッド・ハリデーとステファン・オルテリによるチームアウディフランスでのGTツアープログラムもディジョン・プルノワで最初の勝利を獲得した。7月、WRTは2度目の参戦でスパ・24時間レースに勝利し、フランキはアウディのファクトリードライバーであるティモ・シャイダーとマティアス・エクストロームと共にドライブした。

2012年、WRTはアウディの代表としてFIA GT1世界選手権へエントリーし、プログラムのさらなる拡大を発表した。[3]チームの順位で3位に終わり、3レースで優勝した。

2013年、WRTは新たに命名されたFIA GTシリーズのチームとドライバーズタイトルの両方を獲得した。

2014年、WRTはブランパン耐久シリーズと、FIA GTシリーズの後継であるブランパンスプリントシリーズの両方に参戦した。チームは耐久シリーズとスプリントシリーズ両シリーズにフルエントリーするドライバー、チームにタイトルを争う権利を得る、ブランパンGTシリーズとブランパン耐久シリーズの両方でチーム、ドライバーズタイトルの両方を獲得した。またブランパンスプリントシリーズのチームチャンピオンシップで優勝した。2014年7月、彼らはアウディ・R8 LMSで、ローレンス・ヴァントール、レネ・ラスト、マルクス・ヴィンケルホックとともにスパ・24時間レースで2度目の優勝を果たした。

2015年、ブランパンGTシリーズでチーム、ドライバー、両チャンピオンシップを再び獲得した。また、スプリントと耐久シリーズではチームチャンピオンに輝いた。2015年5月、WRTは新型のアウディ・R8 LMSで、ニュルブルクリンク・24時間レースで優勝し、さらに大きな成功を収めた。

2016年、WRTはツーリングカーレースにデビューし、TCRインターナショナルシリーズでフォルクスワーゲン・ゴルフを2台、レオパードレーシングのバッジで走らせた。ドライバーは、ステファノ・コミニジャン・カール・ベルネだった。コノミがドライバーズタイトルを獲得した。WRTはLMP2マシン、リジェ・JS P2を使用し、ヨーロピアン・ルマンシリーズにデビューし、スパ4時間レースのみの参戦だが2位になった。

2018年、WRTは初の参戦でアウディR8 LMSでバサースト12時間レースで優勝した。

2018年10月12日、WRTは2019年のDTMに2台のアウディ・RS5ターボ DTMを使用するカスタマーチームとして参戦すると発表した。[4][5]後にジョナサン・アバデインと、F1チャンピオンのエマーソン・フィッティパルディの孫であるピエトロ・フィッティパルディを、ドライバーとして発表した。アバデインは表彰台は無かったものの、ルーキーとして最高位のシーズン10位で終えた。2019年8月、WRTはIGTCの1戦となった第48回鈴鹿10時間レースで優勝した。

2019年の終わり、WRTは2016年のインディ・ライツチャンピオンのエド・ジョーンズFIA F3ファビオ・シェーラーからなる2020年のDTMの新ラインナップを発表した。その後以前はアストンマーティンをドライブしていた、フェルディナント・ハプスブルクが3台目のマシンに乗ることを発表した。しかしシーズンが始まる前にジョーンズは、COVID-19パンデミック為に渡航が困難になり、ハリソン・ニューウェイと交代となった。ハプスブルクは自身とチームの初表彰台とポールポジションを獲得した。シーズンの終わりにアウディがDTMから撤退した結果[6]、DTMはクラス1は廃止し、GT3マシンに置き換えられることになった。WRTは2021年にDTMに参戦しない決定をした。

2021年、WRTは2023年から導入となるLMDhプログラムの準備の為、2021年のWEC、LMP2クラスに参戦する意向を発表した[7]。1月21日、チームはオレカ・07で参戦する発表をした。[8]ドライバーはロビン・フラインス、フェルディナント・ハプスブルク、シャルル・ミレッシ。WRTは後に、2021年のELMSにオレカ・07で、ロバート・クビサがドライブすると発表した。[9]またルイ・デレトラズとイェ・イーフェイがチームメイトとなった。チームはELMSの3レースで優勝し、ドライバー、チームの両タイトルを獲得した。

WRTは、ルマン24時間レースで2台のマシンで初参戦した。レース前半にリードを奪った後、WRTはルマンデビュー戦でセンセーショナルな1-2フィニッシュを達成する為にレースを進んだ。しかし最終ラップでイェ・イーフェイがドライブした#41はスロットルセンサーが壊れてフィニッシュできず、後につけていた#31がLMP2クラス優勝を収めた。[10]その後WECでも#31はトータル3勝を収め、初のフル参戦でLMP2クラスのドライバー、チームのダブルタイトルを獲得した。

チームの戦績[編集]

注目すべき勝利[編集]

  • 総合優勝- 2011年と2012年のゾルダー24時間レース
  • 総合優勝- 2011年2014年のスパ・フランコルシャン24時間レース
  • 総合優勝- 2013年と2014年のバクーワールドチャレンジ
  • 総合優勝- 2015年のニュルブルクリンク24時間レース
  • 総合優勝- 2015年のセパン12時間レース
  • 総合優勝- 2016年のドバイ24時間レース
  • 総合優勝- 2016年のFIA GTワールドカップ
  • 総合優勝- 2018年のバサースト12時間レース
  • 総合優勝-2019年の鈴鹿10時間レース
  • LMP2クラス優勝- 2021年のル・マン24時間レース

主な選手権タイトル[編集]

  • ブランパン耐久シリーズ/ GTワールドチャレンジ・ヨーロッパ・エンデュランスカップ
    • 2011年2012年2014年、2015年、2021年、総合チームチャンピオン
    • 2011年、2012年、2014年、総合ドライバーズチャンピオン
  • FIA GTシリーズ/ブランパンスプリントシリーズ/ブランパンGTシリーズスプリントカップ/ GTワールドチャレンジ・ヨーロッパス・プリントカップ
    • 2013年、2014年、2015年、2016年2017年2018年2020年2021年、総合チームチャンピオン
    • 2013年、2016年、2017年、2020年、2021年、総合ドライバーズチャンピオン
  • ブランパンGTシリーズ/ GTワールドチャレンジ・ヨーロッパ
    • 2014年、2015年、2020年2021年、総合チームチャンピオン
    • 2014年、2015年、2021年、総合ドライバーズチャンピオン
  • アンドロストロフィー
  • ヨーロピアン・ル・マン・シリーズ
    • 2021年、LMP2チームチャンピオン
    • 2021年、LMP2ドライバーズチャンピオン
  • FIA 世界耐久選手権
    • 2021年、LMP2チームチャンピオン
    • 2021年、LMP2ドライバーズチャンピオン

FIA 世界耐久選手権[編集]

クラス 番号 シャーシ エンジン ドライバー 1 2 3 4 5 6 クラス 
2021年 LMP2 31 オレカ07 ギブソンGK4284.2L V8 オランダの旗 ロビン・フラインス
オーストリアの旗 フェルディナント・ハプスブルク
フランスの旗 シャルル・ミレッシ
SPA

12

POR

4

MON

2

LMN

1

BAH 1
1
BAH 2
1
1位 151

ヨーロピアン・ル・マンシリーズ[編集]

クラス 番号 シャーシ エンジン ドライバー 1 2 3 4 5 6 クラス 
2021年 LMP2 41 オレカ07 ギブソンGK4284.2L V8 スイスの旗 ルイ・デレトラズ
ポーランドの旗 ロバート・クビサ
中華人民共和国の旗 イェ・イーフェイ
CAT
1
RBR
1
LEC
5
MNZ
4
SPA
1
ALG
2
1位 118

ル・マン24時間レース[編集]

チーム クラス 番号 シャーシ エンジン ドライバー ラップ 総合   クラス
2021年 ベルギーの旗 チーム・WRT LMP2 31 オレカ07 ギブソンGK4284.2L V8 オランダの旗 ロビン・フラインス
オーストリアの旗 フェルディナント・ハプスブルク
フランスの旗 シャルル・ミレッシ
363 6位 1位
LMP2 41 オレカ07 ギブソンGK4284.2L V8 スイスの旗 ルイ・デレトラズ
ポーランドの旗 ロバート・クビサ
中華人民共和国の旗 イェ・イーフェイ
362 DNF DNF

バサースト12時間レース[編集]

チーム ドライバー 車両 車両# クラス ラップ 総合   クラス
2018年 ベルギーの旗 アウディスポーツチームWRT オランダの旗 ロビン・フラインス
イギリスの旗 スチュアート・レオナルド
ベルギーの旗 ドリス・バンスール
アウディ・R8 LMS 37 GT3-APP 271 1位 1位
ポルトガルの旗 ペドロ・ラミー
オーストリアの旗 マティアス・ラウダ
カナダの旗 ポール・ダラ・ラナ
オーストラリアの旗 ウィル・デイヴィソン
39 GT3-APA 267 14位 8位

ドイツツーリングカー選手権[編集]

Year Car No Driver 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 DC Points TC Points
2019 アウディ・ RS5 Turbo DTM 27 南アフリカ共和国の旗 ジョナサン・アバデイン HOC1

1

15

HOC1

2

12

ZOL

1

Ret

ZOL

2

12

MIS

1

8

MIS

2

7

NOR

1

13

NOR

2

14

ASS

1

6

ASS

2

4

BRH

1

9

BRH

2

13

LAU

1

14

LAU

2

7

NÜR

1

4

NÜR

2

5

HOC2

1

14

HOC2

2

Ret

10th 67 7th 79
21 ブラジルの旗 ピエトロ・フィッティパルディ HOC1

1

10

HOC1

2

15

ZOL

1

14

ZOL

2

9

MIS

1

MIS

2

NOR

1

Ret

NOR

2

15

ASS

1

11

ASS

2

10

BRH

1

DNS

BRH

2

16

LAU

1

7

LAU

2

9

NÜR

1

15

NÜR

2

13

HOC2

1

15

HOC2

2

15

15th 22
34 イタリアの旗 アンドレア・ドヴィツィオーゾ HOC1

1

HOC1

2

ZOL

1

ZOL

2

MIS

1

12

MIS

2

15

NOR

1

NOR

2

ASS

1

ASS

2

BRH

1

BRH

2

LAU

1

LAU

2

NÜR

1

NÜR

2

HOC2

1

HOC2

2

NC 0
2020 アウディ・ RS5 Turbo DTM 10 イギリスの旗 ハリソン・ニューウェイ SPA

1

13

SPA

2

Ret

LAU1

1

10

LAU1

2

12

LAU2

1

15

LAU2

2

13

ASS

1

12

ASS

2

15

NÜR1

1

14

NÜR1

2

13

NÜR2

1

11

NÜR2

2

11

ZOL1

1

5

ZOL1

1

6

ZOL2

1

7

ZOL2

1

9

HOC

1

Ret

HOC

2

13

14th 27 7th 103
13 スイスの旗 ファビオ・シェーラー SPA

1

12

SPA

2

12

LAU1

1

14

LAU1

2

11

LAU2

1

11

LAU2

2

13

ASS

1

15

ASS

2

Ret

NÜR1

1

15

NÜR1

2

16†

NÜR2

1

Ret

NÜR2

2

14

ZOL1

1

13

ZOL1

1

5

ZOL2

1

5

ZOL2

1

Ret

HOC

1

13†

HOC

2

12

16th 20
62 オーストリアの旗 フェルディナント・ハプスブルク SPA

1

DNS

SPA

2

15

LAU1

1

6

LAU1

2

10

LAU2

1

11

LAU2

2

14

ASS

1

8

ASS

2

7

NÜR1

1

11

NÜR1

2

15

NÜR2

1

7

NÜR2

2

62

ZOL1

1

7

ZOL1

1

7

ZOL2

1

32

ZOL2

1

101

HOC

1

11

HOC

2

14

10th 68
  1. ^ Comptes Annuels en Euros W Racing Team”. Staatsblad Monitor. 2017年5月5日閲覧。
  2. ^ 17/03/2011 WRT Step Up to FIA GT3 European Championship in 2011”. FIA GT3 European Championship. SRO Group (2011年3月17日). 2011年8月3日閲覧。
  3. ^ Revamped 2012 season plans take shape”. FIA GT1 World Championship. SRO Group (2011年7月30日). 2011年8月3日閲覧。
  4. ^ “WRT becomes Audi customer team in the DTM”. DTM.com. (2018年10月12日). https://www.dtm.com/en/news/wrt-becomes-audi-customer-team-dtm-2018-10-12.html 2018年10月12日閲覧。 
  5. ^ DTM:ベルギーの強豪WRTが2019年からアウディカスタマーチームとしての参戦を正式発表”. autosport web. 2018年10月15日閲覧。
  6. ^ どうなるDTM!? アウディが2020年限りのDTMドイツ・ツーリングカー選手権の活動終了を発表”. autosport web. 2020年4月28日閲覧。
  7. ^ “WRT Set To Confirm LMP2 Entry For 2021 FIA WEC”. Dailysportscar. (2021年1月18日). http://www.dailysportscar.com/2021/01/18/wrt-set-to-confirm-lmp2-entry-for-2021-fia-wec.html 2021年1月18日閲覧。 
  8. ^ “A NEW EXCITING CHALLENGE FOR TEAM WRT, AS IT ENTERS THE FIA WEC AND THE LE MANS 24H IN LMP2”. w-racingteam.com. (2021年1月21日). https://w-racingteam.com/news/detail/324/a-new-exciting-challenge-for-team-wrt-as-it-enters-the-fia-wec-and-the-le-mans-24h-in-lmp2 2021年3月1日閲覧。 
  9. ^ “ROBERT KUBICA TO JOIN TEAM WRT IN ELMS PROGRAMME”. w-racingteam.com. (2021年2月12日). https://w-racingteam.com/news/detail/325/robert-kubica-to-join-team-wrt-in-elms-programme 2021年3月1日閲覧。 
  10. ^ Broken Throttle Sensor Denies No. 41 WRT Oreca LMP2 Victory”. FIA WEC (2021年8月23日). 2021年9月9日閲覧。

外部リンク[編集]