ラ・トレモイユ家 – Wikipedia

ラ・トレモイユ家の紋章

ラ・トレモイユ家(Maison de La Trémoïlle)は、フランス貴族の家系。ラ・トレムイユまたはラ・トレモワイユとも表記する。現在のヴィエンヌ県のラ・トリムイユ(La Trimouille)発祥の家系である。

ナポリ王位継承権[編集]

ラヴァル伯ギー16世とターラント女公カルロッタ(フェデリーコ1世王女)の間に生まれた子女のうち、唯一結婚し子孫を残したアンヌ・ド・ラヴァル(1505年 – 1554年)はターラント女公を称し、名目上のナポリ王位請求者であった[1]。1521年1月23日、アンヌはトゥアール子爵フランソワ2世・ド・ラ・トレモイユと結婚した[1]。この結婚により、ラ・トレモイユ家にはラヴァル伯領およびナポリ王位請求権とともに、フランス宮廷におけるプランス・エトランジェの称号ももたらされた[2]

アンヌとフランソワとの間の長男ルイ3世は、1599年に初代トゥアール公となり、次男ジョルジュおよび三男クロードは、それぞれロワイヤン侯家およびノワールムティエ公家を創設した[3]

ルイ・ジャン・マリー・ド・ラ・トレモイユ(1910年2月8日 – 1933年12月9日)は、12代ラ・トレモイユ公、13代トゥアール公、13代ターラント公、17代タルモン公[4]であり、12代トゥアール公およびターラント公ルイ・シャルルの唯一の男子で継承者であった。4人の姉妹は全て公爵と結婚した。

ルイ・ジャンはフランスの大貴族の一つであったラ・トレモイユ家の唯一の男子継承者であった。ルイ・ジャンの死により、ロアン家を除く最後のプランス・エトランジェの家系が断絶した。

ルイ・ジャンは23歳でイギリスのウィッチチャーチ(ハンプシャー)のリアンダー・J.・マコーミックの領地で火事のため死去した。この不可解な死は、人々に5世紀前のジャンヌ・ダルクの殉教を思い出させた。ジャンヌ・ダルクを売ったのが、ラ・トレモイユ家の富を築いた先祖ジョルジュ・ド・ラ・トレモイユであったからである[5]。ルイ・ジャンは未婚で子もなかった。

1944年の『ゴータ年鑑(Almanach de Gotha)』には、ルイ・ジャンの継承者として、長姉シャルロット(1892年 – 1971年)を挙げているが[4]、1959年に現在の法律では、世襲の称号は男子のみ相続できるとしている[6]。(1599年にアンリ4世は特許状で爵位は男子のみ継承できるとしたものの、1563年にシャルル9世により公位が与えられた際は、女子でも相続できるとされていた[7]。また、ターラント公に関してはナポリ王位継承者が帯びるため、女子相続が認められていた。)

ジャン・シャルルは13代公爵の長姉の唯一の息子であるが、1934年12月20日にベルギーにおいて「リーニュおよびラ・トレモイユ公」として「ラ・トレモイユ」姓を名乗っていた[8]。その唯一の息子シャルル・アントワーヌもまた、その称号と姓を名乗っている[8]

一族の主な人物[編集]

  1. ^ a b “Kingdom of Naples”. Encyclopædia Britannica Eleventh Edition. 1911.
  2. ^ Spanheim, Ézéchiel (1973) (French). Relation de la Cour de France. le Temps retrouvé. Paris: Mercure de France. pp. 121, 344–345 
  3. ^ Père Anselme (1967) [1728]. “Des Pairs de France – Thouars: Généalogie de la Maison de La Tremoille” (French). Histoire Genealogique et Chronologique de la Maison Royale de France, des Pairs, Grands Officiers de la Couronne. Paris: Compagnie des Libraires. pp. 169, 174, 176 
  4. ^ a b Almanach de Gotha, La Trémoïlle. Justus Perthes, 1944, p.463. French.
  5. ^ “Duke Last of Direct Male Line”. New York Times. (1933年12月10日) 
  6. ^ Heraldica.org, Francois Velde, Nobility and Titles in France, 18 June 2008, retrieved 31 July 2011
  7. ^ Pere Anselme, Histoire de la Maison Royale de France et des Grands Officiers de la Couronne, Editions du Palais Royal, Paris, 1967. Chapitre V: Thouars Duché-Pairie, p. 145. French.
  8. ^ a b Genealogisches Handbuch des Adels, Furstlicher Hauser Bande XIV, C.A. Starke Verlag, Ligne, Limburg, 1991, pp. 498-499. German.

参考文献[編集]