グレーターロンドン (競走馬) – Wikipedia

グレーターロンドンGreater London[1])は、日本の競走馬、種牡馬。主な勝ち鞍は2018年の中京記念(GIII)。馬名の意味は「大+母名の一部。母ロンドンブリッジをしのぐ活躍を願って」[3]

半姉に2004年の優駿牝馬を制したダイワエルシエーロがいる。さらに、全姉ブリッツフィナーレの産駒には2017年の菊花賞を制したキセキがいる良血馬である[4]

2012年5月23日に北海道日高町の下河辺牧場で誕生。姉のダイワエルシエーロと同様、遅生まれのため育成中は他の馬と比べて小柄であった[5]

美浦・大竹正博厩舎に入厩。3歳2月のデビュー戦(東京芝1600m)を快勝。「遅れてきたダービー馬候補」との呼び声も上がったが、2戦目の山吹賞(500万下)は落鉄の影響もあって2着に敗れ、レース後にソエの症状も出たため休養に入る。秋に復帰し、500万下を勝利して2勝目を挙げるが、その後蹄葉炎を発症して1年間の長期休養を強いられる。関係者の努力により回復して復帰にこぎつけることができたが、以後蹄の慢性的な不安に引退まで悩まされることになる[6]

2016年11月の500万条件戦で復帰を果たしてからは鋭い末脚を武器に怒涛の5連勝を遂げ、「マイル界のニューヒーロー」「第二のモーリス」として競馬ファンの期待を集めた[7]。ダービー卿チャレンジトロフィーをソエの影響で回避し[6]、ぶっつけでの挑戦となった2017年の安田記念で4着に終わり連勝はストップしたものの、勝ち馬サトノアラジンからは0.1秒差であった。秋初戦の毎日王冠でも上がり3F最速タイの32秒6の末脚を繰り出してリアルスティール、サトノアラジンのGI馬2頭に次ぐ3着に入った。しかし、極度の不良馬場で行われた天皇賞(秋)では早め先頭の積極策に打って出たが最後の直線で失速して9着に沈んだ[8]

天皇賞後はしばらく不振が続いたが、2018年の京王杯スプリングカップで上がり3F32秒5の末脚で僅差の4着に入り復活の兆しを示すと、次走の中京記念では直線で豪快に伸びて2着ロジクライを差し切り、1分32秒3のレコードタイムで待望の初重賞制覇を果たした[9]。秋は京成杯オータムハンデキャップから始動予定だったが、蹄の不安で回避。同年10月29日に現役引退と種牡馬入りが発表された[10]

競走成績[編集]

以下の内容は、netkeiba.comの情報[2]に基づく。

競走日 競馬場 競走名 距離(馬場)


オッズ
(人気)
着順 タイム
(上り3F)
着差 騎手 斤量
[kg]
1着馬(2着馬) 馬体重
[kg]
2015.02.14 東京 3歳新馬 芝1600m(良) 16 4 8 001.30(1人) 01着 R1:37.3(33.7) -0.4 0北村宏司 56 (ルールザユニバース) 460
0000.04.04 中山 山吹賞 500万下 芝2200m(良) 12 5 5 001.80(1人) 02着 R2:13.8(34.1) 0.0 0北村宏司 56 レッドライジェル 458
0000.10.31 東京 3歳上500万下 芝1800m(良) 18 8 16 002.40(1人) 01着 R1:47.8(33.5) -0.0 0横山典弘 55 (ディアコンチェルト) 468
2016.11.12 東京 3歳上500万下 芝1600m(稍) 17 6 11 003.60(1人) 01着 R1:34.8(33.4) -0.1 0田辺裕信 57 (エンジニア) 472
0000.12.03 中山 3歳上1000万下 芝1600m(良) 13 5 7 002.00(1人) 01着 R1:34.1(33.7) -0.0 0田辺裕信 57 (デルカイザー) 462
2017.01.29 東京 節分S 1600万下 芝1600m(良) 13 4 5 001.70(1人) 01着 R1:33.6(32.3) -0.2 0田辺裕信 56 (オートクレール) 468
0000.03.12 中山 東風S OP 芝1600m(良) 10 3 3 001.50(1人) 01着 R1:36.7(33.3) -0.2 0田辺裕信 56 (ダイワリベラル) 472
0000.06.04 東京 安田記念 GI 芝1600m(良) 18 4 7 011.80(6人) 04着 R1:31.6(33.9) 0.1 0福永祐一 58 サトノアラジン 474
0000.10.08 東京 毎日王冠 GII 芝1800m(良) 12 6 7 006.90(4人) 03着 R1:45.8(32.6) 0.2 0田辺裕信 56 リアルスティール 474
0000.10.29 東京 天皇賞(秋) GI 芝2000m(不) 18 7 13 015.40(6人) 09着 R2:10.4(40.8) 2.1 0田辺裕信 58 キタサンブラック 472
0000.12.17 中山 ディセンバーS OP 芝1800m(良) 12 8 11 001.60(1人) 03着 R1:48.1(34.3) 0.3 0田辺裕信 57 マイネルハニー 472
2018.02.04 東京 東京新聞杯 GIII 芝1600m(良) 16 8 16 004.20(1人) 09着 R1:34.5(34.4) 0.4 0川田将雅 56 リスグラシュー 474
0000.03.31 中山 ダービー卿CT GIII 芝1600m(良) 16 2 4 003.60(1人) 05着 R1:32.7(34.3) 0.5 0田辺裕信 56.5 ヒーズインラブ 470
0000.05.12 東京 京王杯SC GII 芝1400m(良) 18 3 6 005.50(3人) 04着 R1:19.6(32.5) 0.1 0田辺裕信 56 ムーンクエイク 468
0000.07.22 中京 中京記念 GII 芝1600m(良) 16 4 7 005.00(1人) 01着 R1:32.3(34.1) -0.1 0田辺裕信 56.5 (ロジクライ) 468
  • タイム欄のRはレコード勝ちを示す。

種牡馬時代[編集]

現役時代にはビッグタイトルに手が届かなかったものの、良血が買われて種牡馬入りが決まり、2019年からブリーダーズ・スタリオン・ステーションで供用される。同ステーション事務局は「近親に綺羅星のごとく活躍馬がおり、大変活力のある母系がバックボーンにあります。マイル前後で披露したスピードと瞬発力は間違いなく一流馬のものでした。本来の実力を完全に出し切ることなく、このたび引退を余儀なくされましたが、今後は種牡馬として、自身の卓越したスピードと良血を産駒に伝えてほしいです」と期待を込めた[4]

初年度の種付け料は受胎条件50万円、出生条件80万円に設定された[11]

母ロンドンブリッジは1997年のファンタジーステークスの勝ち馬で、1998年の桜花賞でも2着に入っている[12]

注釈[編集]

出典[編集]

外部リンク[編集]