モントリオール議定書 – Wikipedia

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オゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書(オゾンそうをはかいするぶっしつにかんするモントリオールぎていしょ、英:Montreal Protocol on Substances that Deplete the Ozone Layer)は、ウィーン条約(オゾン層の保護のためのウィーン条約)に基づき、オゾン層を破壊するおそれのある物質を指定し、これらの物質の製造、消費および貿易を規制することを目的とし、1987年にカナダで採択された議定書。

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略称は、モントリオール議定書。事務局はケニアのナイロビにある国連環境計画(UNEP)。

1987年に採択。1989年に発効。毎年、議定書の締約国会議が開かれ、1990年(ロンドン改正)、1992年(コペンハーゲン改正)、1997年(モントリオール改正)、1999年(北京改正)、2016年(キガリ改正)と段階的に規制強化が図られている。

この議定書により、特定フロン、ハロン、四塩化炭素などは、先進国では1996年までに全廃(開発途上国は2015年まで)、同議定書のキガリ改定によりその他の代替フロンも先進国は、2020年までに全廃(開発途上国は原則的に2030年まで)することが求められた。

日本では1988年に、「オゾン層保護法」を制定し、フロン類の生産および輸入の規制を行っている。

日本もキガリ改正には、2018年12月18日に批准し、65番目の批准国となる。同改正は2019年1月1日より発効している。

規制対象物質[編集]

キガリ改正[編集]

2019年1月1日、議定書のキガリ改正が発効された。キガリ改正の下で、各国は今後30年間で代替フロンとも呼ばれるハイドロフルオロカーボン(HFC)の使用を80%以上削減することを約束した。2018年12月27日までに、65カ国がキガリ改正を批准した。日本も2018年12月18日に批准。 代替フロンの段階的廃止は、よりエネルギー効率の高い冷却装置を再設計することで実現可能である。主に先進国で製造された代替フロンは、CFCおよびHCFCに代わるものである。代替フロンはオゾン層に害を及ぼさない。代替フロンはCFCやHCFCのように塩素を含まないからである。しかし、代替フロンは温室効果ガスであり、地球温暖化係数(GWP)が高く、CFCやHCFCと同程度である。

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7年間の交渉の後、2016年10月にルワンダ共和国の首都キガリで開催された第28回モントリオール議定書会議で、キガリ改正は代替フロンをモントリオール議定書に基づく規制対象として締約国により採択された。中国、ブラジル、南アフリカを含む発展途上国のグループは、2045年までに、代替フロンの使用量を2020年から22年にかけての平均値の80%削減することを義務付けられている。インドと他のいくつかの発展途上国 – イラン、イラク、パキスタン、そしてサウジアラビアとクウェートのようないくつかの石油経済に依存する国 – は、2024年から26年の代替フロンのそれらの平均値の85%を2047年までに削減する。

2017年11月17日には、キガリ改正の発効が可能となる批准国20か国を超え、2019年1月1日に同改正が発効することが決まる。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]


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