シャドウ・ザ・ヘッジホッグ (キャラクター) – Wikipedia
シャドウ・ザ・ヘッジホッグ(Shadow The Hedgehog)は、セガグループ(セガゲームス、セガ・インタラクティブ)のビデオゲーム『ソニックシリーズ』に登場する架空のキャラクター。生みの親は前川司郎。シリーズキャラクターの中ではソニックに次ぐ人気キャラクターで、声優は初登場の『ソニックアドベンチャー2』以後、アニメ『ソニックX』も含め遊佐浩二が担当している。 プロフェッサージェラルドによって生み出された究極生命体で、ハリネズミを擬人化したような容姿をしている。宇宙をさまよう戦闘民族『ブラックアームズ』の統率者であるブラックドゥームの血をひいており、彼と同じく永遠の生命力を持つ。ソニックと姿や特徴がとても似ていた為、ソニックが犯人だと誤解され、当初はソニックからは偽者と呼ばれていたがシャドウ本人はソニックのほうが自分の偽物(フェイク)だと言い返したことがある。ソニックと似ている理由は不明。 初登場のソニックアドベンチャー2では、連邦政府軍『GUN』の巨大戦闘兵器『ホットショット』を一瞬のうちに撃破したり、Dr.エッグマンと共謀して連邦政府大統領に直接脅迫をかけるなど人類を滅ぼす最高機密兵器として恐れられていたが、彼を主人公にしたスピンオフ作品『シャドウ・ザ・ヘッジホッグ』では、本当はブラックアームズの脅威からこの星を守るために作られた、人類の最終手段であることが発覚した。 『ソニックアドベンチャー2』のラストストーリーで散る姿が見られる通り、当初の設定では登場は1作限りだったのだが、ダークヒーロー的な側面を持っており、想像を超える人気の高さゆえに次作の『ソニックヒーローズ』以降も出演することとなった。『ソニックヒーローズ』では、連邦政府GUNエージェントのルージュと彼女が見つけた(Eシリーズ最強のメカ)E-123オメガの3人でチームダークを結成し、この2人はヒーローズ以降の作品でもシャドウと共に行動することが多かった。2006年以降の作品では、シャドウはパーティーゲームのゲストやそっくりさんとして出演することが大半だったが、『ソニック フリーライダーズ』で久々に登場し、ソニックに挑戦するため、ルージュと彼女が見つけたE-10000B(メタルソニック)とチームダークを結成する。『ソニック ジェネレーションズ』ではライバルとして登場し、青の冒険では、過去のシャドウがソニックと競争し、白の時空ではソニック達と同様、事件に巻き込まれた本人と勝負することになり、知らない場所であろうとソニックと決着をつけたかったらしい。スピードでは僅かにソニックに劣るが足場が不安定なため、カオスブーストで常に宙に浮き、スピードを落とさず移動し、ソニックとエナジーコアを奪い合う。パワーアップするとお馴染みのカオスコントロールやカオススピアを駆使し、ソニックを苦しめる。タイムイーターとの戦いでは、「お前の力を見せてみろ」と挑発的だがルージュとともにソニックの応援に駆けつける。その後、場の流れでソニックの誕生日会に飛び入りという形で参加することになった。 生い立ち[編集] その誕生の真相はブラックアームズの指導者・ブラックドゥームとエッグマンの祖父ジェラルド・ロボトニックとの取引にある。ブラックドゥームが細胞を提供する代わりに、50年後に彼等が再び戻ってくる際に7つのカオスエメラルドを差し出すという内容である。しかしブラックドゥームが星の征服を目的としていることを悟ったジェラルドが、それらを撃退し得る「究極生命体」として生み出したのが「シャドウ」である。同時にジェラルドは侵略者に対抗するため、アーク内に様々な兵器を遺している。ジェラルドは孫娘のマリアの病を治すため『不老不死の研究』を目的に進められた極秘計画「プロジェクトシャドウ」に携わっていたが、その研究の中で「究極生命体」を生み出す、すなわちシャドウを開発する研究も行われていた。プロジェクト名と彼の名前である「シャドウ」は『存在しないもの』『実体が無いもの』という意味が込められている。GUNがアークを襲撃した際マリアを連れてアークからの脱出を試みるが、脱出ポッドにもう少しでたどり着こうとした所でマリアが撃たれてしまい、マリアによってアークから独り脱出させられる。 50年後、GUNの監獄でコールドスリープ状態で保管されていた所をエッグマンによって目覚めさせられる。マリアをGUNに殺されたジェラルドに記憶を弄られた事もあり、当初は慕っていたマリアの復讐の為にジェラルドの意志を継ぎ、全ての人類に復讐しようと自分の封印を解いたエッグマンに忠誠を誓ったふりをし、世界征服を企む彼を唆し、人類を滅ぼそうと企んでいたが、エミーの説得をきっかけにマリアの本当の願いを思い出し改心する。その後、ソニックと共にアークの地球激突を阻止するも、カオスエメラルドの力に肉体が耐えきれず地球へと墜落していった。 前述の理由で死亡したと思われていたが、『ソニックヒーローズ』でルージュによって経緯は不明ながらカプセルに入った状態で発見され、そのまま彼女によって目覚めさせられるという形で再登場を果たす。当初は墜落時の衝撃のせいか『シャドウ・ザ・ヘッジホッグ』という自分の名前と、マリアという少女が殺された、という事以外思い出せない状態になっており、自分を模したアンドロイドの姿に苦悩することもあった(ただし、『ソニックヒーローズ』のチームダーク編のラストで僅かながらルージュのことを覚えている節を見せた)。この記憶喪失の設定は後述するスピンオフ作品『シャドウ・ザ・ヘッジホッグ』にも引き継がれた。 『シャドウ・ザ・ヘッジホッグ』ではブラックアームズの指導者・ブラックドゥームから「約束を果たしてもらう」「記憶を知りたければ7つのカオスエメラルドを探し出して渡せ」と言われ、再びカオスエメラルドを集めて自分の真実を知ろうと奮闘する。記憶が戻ると共にブラックドゥームの野望を知り、生みの親の一人である彼と最終的には真っ向から対峙し、倒すことに成功する。ちなみにこの戦いの際、ジェラルドとマリアの遺した思いを果たし、二人のことを吹っ切った描写があり、以降は誰のためでもなく自分の生きる道を模索するようになった。その後はパートナーであるルージュと同じく連邦政府大統領専属エージェントとして数々の難ミッションをこなしているとされているが、そういった背景が明確に描かれているのは2006年版の『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』が主であり、その他の作品ではそういった活躍については描かれていない。 上記の復活したシャドウは、エッグマンが作ったアンドロイドとされていたが、『シャドウ・ザ・ヘッジホッグ』にて実は大気圏突入時にエッグマンがロボットを送って救助していたことが後に明かされる。その際の衝撃による後遺症で前述のように多くの記憶を失ったものの、その発言でオリジナルのシャドウが生存していることが証明された[1]。 一人称は『僕』。クールで冷静、とても無口で必要最低限の発言しかしない。怜悧な頭脳を持ち、冷徹な態度を取り、強気でプライドが高いため、周囲の人々を見下すような態度をとることが多い。 出来るだけ早く確実に目的を達成しようとする傾向があり、目的のためなら手段を問わない危ういまでの純粋さがある。一方で、対決した相手を見下して手加減をする傾向や、プライドを傷付けられると当初の目的を無視して傷付けた相手を返り討ちにしないと気が済まない性分も併せ持つ。時折クールな性格に見合わない行動を取ることもあり、エッグマン基地内のコンピュータに潜入を試みた際は端末を殴るという乱暴な手段を取ったことがある(結果としてワープホールが出現し、潜入には成功している)。また当初はマリアのことで一心だったためか、時折感情的な一面も見せたが、記憶を失った後はそれらしい部分はほとんどない。 誰にも従わず、誰の意見も取り入れようとしないなどやや協調性に欠けており、人の話を無視する場面も多々見られる。しかし、姉弟のように育った不治の病を持つマリアを気遣ったり(アドベンチャー2では意思を誤解しているとはいえマリアのために行動していた)、度々行動を共にしているルージュを助けたり(ソニックアドベンチャー2の時は『目的のため』と言い放っていたが、ソニックヒーローズでは純粋にオメガの攻撃からルージュを庇った)、ソニックバトルでは「悲劇を繰り返させないため」「自分のような思いをするのは自分一人で十分だ」という思いからエメルを破壊しようとするなど、不器用な優しさも持っている。 一匹狼の印象が強かったが、シリーズを重ねるごとにルージュへ協力を求めたり、オメガに対しては強い仲間意識を持ったり、メタルソニックを相棒のように接するなど変化が見られる。エッグマンとは立場上対立することがあるが、過去の協力や恩があるためか「ソニックライバルズ」などのように手を組んだり助け合うこともあり、微妙な距離はあるものの度々協力している。ソニックの事は「気に食わない」ということも多いが、力は認めており共闘することも少なくない(ソニックアドベンチャー2の最終決戦でもソニックを「本当の究極生命体なのかもしれない」と認める場面があった)。『マリオ&ソニック AT ロンドンオリンピック』では、ジェットの実力を認め、クッパとエッグマンと戦うマリオとソニックに「究極の勝利をしろ」というなど、マリオに対してもソニックと同等の実力を持っていることを認めている。
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