武久源造 – Wikipedia

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武久 源造(Genzoh Takehisa、1957年7月27日[1] – )は愛媛県松山市生まれの鍵盤楽器奏者、チェンバロ奏者、フォルテピアノ奏者、オルガン奏者、古楽器奏者、クラヴィコード奏者、研究者、作曲家。指揮者。1998~2010年3月フェリス女学院大学音楽学部器楽科及び同大学院講師。現在、国立音楽大学客員講師。

略歴・人物[編集]

  • 2000年、古楽器グループコンヴェルスム・ムジクムを結成・主宰し、指揮・編曲活動にも力を注ぎ、常に新しく、また充実した音楽を追求し続けている。02年から毎年、韓国からの招請による「コンヴェルスム・ムジクム韓国公演」を行い、両国の音楽文化の交流に大きな役割を果たした。さまざまな編成でヨハン・ゼバスティアン・バッハ、ヴィヴァルディ、シュッツ等をレパートリーにする他、チェンバロ、ピアノ、オルガンを中心に各種鍵盤楽器を駆使して中世から現代まで幅広いジャンルにわたり様々なレパートリーを持つ。特にブクステフーデ、バッハなどのドイツ鍵盤作品では、その独特で的確な解釈に国内外から熱心な支持が寄せられている。また、作曲、編曲作品を発表し好評を得ている。音楽的解釈とともに、楽器製作の過程についても造詣が深く、楽器の構造的特色を最大限に引き出す演奏が、楽器製作家たちからも高く評価されている。オルガン、チェンバロのソロ活動も多く行い、現代作品演奏、即興演奏も行っている。
  • 2005年より鍵盤楽器の新領域とも言えるシンフォニーのピアノ連弾版に取り組み多方面から注目を集めている。学生時代から数多く放送に出演し、演奏やレクチャー、解説などを担当した。特に、06年NHK第一ラジオ「ときめきカルチャー」コーナーに年間を通して出演。その後もNHKのカルチャー・ラジオのシリーズで何度かレクチャーを務める。
  • 2011年7月、ドイツ・シュタインスフェルトでのバジリカ・オルガンを使ったコンサートでは、山口眞理子との共演で、自作の「アクア・ベリターティス」を発表。好評を得る。
  • 2013年、ラモーの抒情喜劇『レ・パラダン』の日本人による初演を指揮して、絶賛を博する。また、近年、毎年、ヨーロッパ各国(ドイツ、リトアニア、アイスランド、スウェーデン等)で、即興演奏を含む多彩なプログラムによって、オルガン、チェンバロ、ピアノその他の楽器を使った・コンサートを行い、注目を集めている。
  • 2015年、ジルバーマン・ピアノによるバッハ作曲「パルティータ」の世界初の全曲録音をリリース。
  • 2016年3月には、2度目のゴールトベルク変奏曲の録音をリリース。ここでは、日本で初めて16ft弦付チェンバロによって、ゴールトベルクの新しい可能性を切り開いている。さらに、同年、市瀬玲子との共演によって、バッハのガンバ・ソナタ全曲を、ジルバーマン・ピアノとチェンバロを使い分けて録音し、発表。
  • 2017年4月、やはり、ジルバーマン・ピアノとペダル付チェンバロを使い分けて、バッハの《平均律クラヴィーア曲集》全曲録音を始動。4部作の第一~四弾全曲を2019年8月完成発表。その際、従来誤訳として議論されてきた《平均律》を《適正律》と改め、「適正律クラヴィーア曲集」とした。
  • 古楽コンクール(97年、2001年、甲府)他多数、国際チェンバロ製作家コンテスト(1991年、米アトランタ)等で審査員を歴任。
  • コジマ録音を中心に演奏発表するほか、作曲も手がけている。
  • 91年よりプロデュースも含め40作品以上のCDをALMRECORDSよりリリース。中でも「鍵盤音楽の領域」(Vol.1~9)、チェンバロによる「ゴールトベルク変奏曲」、「J.S.バッハオルガン作品集Vol.1」、オルガン作品集「最愛のイエスよ」、「バッハの錬金術Vol.2 #1/4#2/4#3/4 #4/4 適正律クラヴィーア曲集 第1集・第2集 第1番〜第24番」、ほか多数の作品が、「レコード芸術」誌の特選盤となる快挙を成し遂げている。
  • コロナ禍にあり、バッハの『イギリス組曲』に取り組み全曲録音を果たした。2022年CDリリース予定。
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「シフォーチの別れ」(1991年、チェンバロ独奏、エリオン)
「鍵盤音楽の領域vol.1(チェンバロ、オルガン、91年〜。ALM=コジマ録音)
「J.S.バッハ ゴールドベルク変奏曲」(チェンバロ独奏、96年)
「J.S.バッハ オルガン曲集1」(オルガン・ソロ、95年)
「オルガンの銘器を訪ねて vol.1 カザルスホール」(99年)
「J.S.バッハ ヨハネ受難曲」(指揮、01年)
「オルガンの銘器を訪ねて vol.3 名古屋学院大学チャペル」(05年8月)
「J.S.バッハ 協奏曲3 バッハアンサンブルの醍醐味」(06年2月)
「J.S.バッハ 古往今来」(チェンバロソロ、07年1月)
「オルガンの銘器を訪ねて vol.4 所沢市民文化センターミューズ」(08年1月)
「アンサンブル音楽の領域vol.3. バッハの宮廷音楽」(09年1月)
「鍵盤音楽の領域 vol.8 バッハmeetsジルバーマン・ピアノ」(09年7月)
「鍵盤音楽の領域 vol.9 バルダキン・オルガンの世界」(11年2月)
「J.S.バッハ 協奏曲集 4 未来系バッハへの道」(12年1月)
「J.S.バッハ パルティータ 〈全曲〉」(15年4月)
「J.S.バッハ ゴルトベルク変奏曲 /14のカノン」(山川節子との共演、16年2月)
「バッハの錬金術 Vol.1 ヴィオラ・ダ・ガンバと鍵盤楽器のためのソナタ全曲/二つのトッカータ」(市瀬礼子と共演、16年9月)
「バッハの錬金術 Vol.2 #1/4 適正律クラヴィーア曲集 第1集・第2集 第1番〜第6番」 (17年4月)
「バッハの錬金術 Vol.2 #2/4 適正律クラヴィーア曲集 第1集・第2集 第7番〜第12番」(18年1月)
「バッハの錬金術 Vol.2 #3/4 適正律クラヴィーア曲集 第1集・第2集 第13番〜第18番」(18年2月)
「バッハの錬金術 Vol.2 #4/4 適正律クラヴィーア曲集 第1集・第2集 第19番〜第24番」(19年8月)

  1. ^ 『読売年鑑 2016年版』(読売新聞東京本社、2016年)p.513
  2. ^ 「源造さんが弾き、語る鍵盤楽器の歴史」NHKラジオ

外部リンク[編集]


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