てんびん座 – Wikipedia
てんびん座(てんびんざ、天秤座、Libra)は、黄道十二星座の1つ。トレミーの48星座の1つでもある。
西はおとめ座と、東はさそり座と接する。2等級より明るい星はなく、3つの3等星があり、これらが長方形を形作る。α星とβ星には、さそり座由来の名がついている。これはかつて、この星座がさそり座のはさみの部分であったことに起因する。
α星、β星はてんびん棒の部分で、γ星とσ星はてんびんの皿にあたる。
主な天体[編集]
恒星[編集]
以下の恒星には、国際天文学連合によって正式な固有名が付けられている。
- α星:ズベン・エル・ゲヌビ[1] (Zubenelgenubi[2]) は、アラビア語で「南の爪」を意味する。この星は光学二重星で、空気が澄んでいれば肉眼で見わけられる。
- β星:ズベン・エス・カマリ[1] (Zubeneschamali[2]) は、てんびん座で最も明るい恒星。アラビア語で「北の爪」を意味する。実際は青白色だが[3]、緑色に輝いて見える星として知られている[4][5]。
- γ星:ズベンエルハクラビ[1] (Zubenelhakrabi[2]) は、「さそりの爪」を意味する。
- σ星:ブラキウム[1] (Brachium[2]) は、半規則型変光星(変光範囲が小さいので眼視観測では変光はわかりにくい)。
その他、以下の恒星が知られている。
由来と歴史[編集]
元々はさそり座のはさみの部分であったと考えられている[1][6]。てんびん座として独立したのは紀元前1世紀頃と考えられているが、いつ誰が独立させたのか定かではない[6]。2世紀中頃、クラウディオス・プトレマイオス(トレミー)は『アルマゲスト』の中に「爪」と記している[6]。古代ローマでは昼夜の長さを等しく計る天秤であると考えられていた[6][注 1]。
ギリシア神話では、正義と天文の女神アストライアーが手に持っている、正義を計る天秤だとされる[1]。隣にあるおとめ座がアストライアーをかたどったものとする説もある[1]。
注釈[編集]
- ^ 「かつて秋分点があったことから」とされることがあるが、秋分点はてんびん座が独立したとされる時代から600年近く遡る紀元前730年頃に隣のおとめ座へ移動しているため、時期が全く合致しない[6]。
出典[編集]
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