仕事算 – Wikipedia

仕事算(しごとざん)は文章題の一種。

  • ある仕事を終えるのにかかる時間が異なる人が数人あつまって共同作業をしたときに、仕事を終えるまでに要する時間はいくらかを求める問題。
    • 仕事全体を1とおくのが初歩的な解法。仕事全体を各人のかかる時間の最小公倍数にすると分数を使わなくても解ける。
    • これが「人」や「仕事」ではなかったり、負の仕事をするものが現れたりするなど、さまざまなバリエーションがある。ただし、負の仕事を交えた場合にはニュートン算というくくりに入れるのが普通である。
    • この問題を解くことは、それぞれがかかる時間の調和平均を求めることと等価である。
    • 仕事算に類似の問題として出会い算が考えられる。
      • 出会い算は、2人が協力して一定の道のりを歩くという仕事をすることとみなせるからであり、その意味で、ニュートン算追いつき旅人算とみなせる。
    • 水槽算も仕事算と同じである。仕事算は人が仕事をする量の計算に対して、水槽算は管が水を出し入れする量の計算である。

Aは部屋の掃除に3時間かかり、Bは同じ部屋を掃除するのに2時間かかる。AとBが一緒に掃除すると、どれだけの時間で終わらせることができるか。

解法[編集]

一般的な解法は以下のとおり。

  • Aが1時間当たりに掃除できる量を1とする(時間に対して線形に掃除を終わらせることができるとする)。
    • この場合、掃除する量は1×3=3である。
    • また、Bさんの1時間あたりの掃除する能力は、3÷2=1.5である。
    • これより、二人の掃除する能力の和は1+1.5=2.5となる。
    • 3だけ掃除をするのに要する時間は、3÷2.5=1.2時間、すなわち1時間12分が答えとなる。
  • なお、よくある誤答として、3時間と2時間の相加平均として「2時間30分」としてしまうものがある。そもそも、一人でも2時間で仕事ができてしまう人がいることに注意しなければならない。

Bが1時間当たりの掃除できる量を1とおいてもかまわない。

別解[編集]

  • 仕事全体を1と見ると、Aさんは1時間に
    13{displaystyle {frac {1}{3}}}

    ,Bさんは1時間に 12{displaystyle {frac {1}{2}}}

    の仕事をする。

よって、A、B2人では1時間に

13{displaystyle {frac {1}{3}}}

12{displaystyle {frac {1}{2}}}


56{displaystyle {frac {5}{6}}}

の仕事をする。

ゆえに、1÷

56{displaystyle {frac {5}{6}}}

=1.2(時間)で終わらせられる。

これは調和平均を求める操作と完全に等しい。

  • 仕事全体を2と3の公倍数6と見ると、Aさんは1時間に2,Bさんは1時間に3の仕事をする。

よって、A、B2人では1時間に、2+3=5の仕事をする。

ゆえに、6÷5=1.2(時間)で終わらせられる。

答えは同様に1時間12分となる。