岩国駅 – Wikipedia
岩国駅(いわくにえき)は、山口県岩国市麻里布町一丁目にある、西日本旅客鉄道(JR西日本)・日本貨物鉄道(JR貨物)の駅である。
山陽本線を所属線[2]とし、当駅を起点とする岩徳線を加えた2路線が乗り入れる。山陽本線における広島シティネットワークの西端駅であり、当駅発着列車が多数設定されている。駅番号は山陽本線のみJR-R16が制定されている。
また、岩徳線経由で錦川鉄道錦川清流線の列車も当駅まで乗り入れてくる。ただし当駅から川西駅の間は片乗り入れという扱いのため、川西駅までの運賃はJRの運賃として計算される。
当駅はICOCAエリアに含まれるが(相互利用可能ICカードはICOCAの項を参照)、岩徳線では全線がエリア外のため利用できない。
なお「岩国市岩国」は西岩国駅、錦帯橋周辺にあるため、当駅は本来の「岩国」から離れている。
空襲(爆撃)に関する碑(表・裏)
年表[編集]
この節は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。2018年8月)
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旧岩国機関区[編集]
当駅には、かつては岩国機関区が置かれ、蒸気機関車が配置されていた。蒸気機関車の営業運転は1971年2月28日の岩徳線を最後に終了し[10][11]、蒸気機関車の配置はなくなったが、以後も岩徳線・岩日線で運用される気動車や、芸備線・木次線の急行ちどりに使用される急行型気動車が配置された[12][13]。1984年(昭和59年)2月以降は、車両基地集約化に伴い配置車両は他区所に転属となったが、岩徳線・岩日線運用気動車は引き続き岩国機関区に常駐した[13]。その後組織上は広島運転所に統合され、同所の派出となった[14]。
3面6線のホームを持つ地上駅で、橋上駅舎を有する。1番線は西口に面した単式ホームで、0番線は1番線の下関側にある切欠きホームである。3・4番線、6・7番線がそれぞれ島式ホームとなっている。また線名は、1番線が岩徳線本線、4番線が山陽線上り本線、7番線が山陽線下り本線となっている。
直営駅で管理駅[1]であり、みどりの窓口が設置されている。
駅舎には近距離区間用自動券売機が3台(機能限定券売機2台と多機能券売機1台)、それに加えて「みどりの券売機プラス」が設置されている。
のりば[編集]
のりば | 路線 | 方向 | 行先 | 備考 |
---|---|---|---|---|
0 | ■錦川清流線 | – | 清流新岩国・錦町方面 | 当駅到着列車は降車時に車内で運賃精算 |
1 | ■岩徳線 | – | 玖珂・徳山方面 | |
3・4・6[15] | R 山陽本線 | 上り | 宮島口・広島・瀬野方面 | 6番のりばは主に折り返しと当駅止めの列車 |
6・7 | ■山陽本線 | 下り | 柳井・徳山方面 | 6番のりばは一部列車 |
貨物取扱・専用線[編集]
JR貨物の駅は、専用線発着のコンテナ貨物、臨時車扱貨物の取扱駅となっている。2014年3月改正時点では、1日2往復の高速貨物列車が広島貨物ターミナル駅との間で運行されている[16]。
駅の東側に日本製紙岩国工場へ続く専用線があり、主にコンテナによる製品の発送が行われている[14][17]。駅西側には貨物列車の入換作業や線路保守用車両の留置等に使用されている側線施設がある[14]。かつては帝人岩国工場への専用線も敷設されていた[17]。
駅構内[編集]
- 1階
- 日本旅行
- おみやげ街道
- 岩国市スペース(バス待合所、観光案内所など)
- コインロッカー
- 2階
- セブンイレブンキヨスク
- 岩国珈琲(軽食、喫茶)
岩国駅周辺整備事業[編集]
東口駅舎は1948年(昭和23年)の完成以来65年以上が経過し、老朽化に加えてバリアフリー対策が未整備であること、加えて駅の東西を結ぶ通路が地下通路しかないことを踏まえ、岩国市が主導して『岩国駅周辺整備事業』に着手している。具体的には、以下の内容が挙げられている[18][19]。
- 東口・西口の駅舎を統合し橋上駅舎化(JR西日本施行)。エレベーター・エスカレーターを新設してバリアフリー化。
- 橋上駅舎前に東西自由通路(歩行者専用)の新設(JR西日本施行)。
- 地下通路出入り口の改良(スロープの緩傾斜化など、岩国市施行)。
- 東口駅前広場を拡張。道路反対側にあった駐輪場を移転し、新たに2階建ての駐輪場の新設し交通広場を整備(岩国市施行)。
- 西口駅前広場を再整備し、西口駐輪場連絡通路を整備(岩国市施行)。
- 西口駅前ロータリーを撤去し国道188号を直線化(国土交通省施行)。
2014年3月24日に岩国市とJR西日本が「岩国駅自由通路新設等工事の施行に関する協定書」及び「岩国駅橋上駅舎化工事の施行に関する協定書」を締結[20]、2015年3月から工事に着手した。2015年11月1日には西口駅舎を閉鎖し、仮駅舎に移転している[21]。総事業費は約90億円で、うちJR西日本施行分の橋上駅舎整備に約32億5千万円、東西自由通路整備に約31億9千万円の事業費が見込まれている[8]。
2015年11月9日に東西自由通路と橋上駅舎の建設工事の安全祈願祭(起工式)が実施され、本格的にJR西日本施行分の工事に着手した[8]。駅舎と東西自由通路については2017年11月26日の併用開始を[7]、その他の整備については2019年6月の事業完了を予定している[8]。
駅西側は、岩国駅前商店街、中通り商店街とその周辺に多数の商店が存在しており、商業の中心地になっている。近年では、駅周辺でのマンション建設が著しい。2006年11月現在、貨物設備の跡地の一部が再開発中である。既に広島方面寄りにJR貨物の手で貸しビルが完成しており、テナントとしてヤマダデンキテックランド岩国店が営業している。1番ホーム寄りには、山口銀行岩国支店が2007年5月新築移転した。
岩国市役所など公共の施設は1km程度離れた地域に集まっている。駅東側は、「人絹町」と呼ばれる工業地帯と既存市街地である。なお「人絹町」の由来は、帝國人造絹糸株式会社岩国工場が立地するからである。また、南へ徒歩10分ほど行くとコンサートホールであるシンフォニア岩国が所在し、さらに進むとアメリカ海兵隊/海上自衛隊岩国基地がある。
- 商店
- 西口側が岩国の中心市街地にあたり、国道188号(岩国駅前商店街(本通り商店街))から西側、おおむね、山口県道50号岩国停車場線、国道2号、山口県道113号南岩国停車場磯崎線、山口県道15号岩国玖珂線(岩国市役所の裏を通る、通称「電車通り」)に囲まれる地域(中通り商店街も含まれる)にある。この外側にも商店は点在する(山口県道15号岩国玖珂線と岩徳線に囲まれた地域および近傍、国道2号沿い西方など)。山口県道113号南岩国停車場磯崎線や国道2号から国道188号に近づくにつれ、店舗数も増える。国道188号側から中通り商店街を通り抜けると、料飲店の集まる区画に出る。
・ビジネス旅館白鷺
・寿栄広食堂
- 金融機関(ATMを含む)
- 山口銀行、西京銀行、広島銀行、西中国信用金庫等が、店舗を構えている。郵便局は、岩国郵便局がある。いずれの場所にも、ATMコーナーが設置されている。
バス・タクシー[編集]
西口正面の駅前ロータリーに、市内一帯に路線網を持ついわくにバス、防長交通が乗り入れている。防長交通は後述の高速バス以外は、徳山駅行きの国道2号経由・快速便のみ。かつては、JR(国鉄)バスや石見交通バスおよび広電バスも乗り入れていた[5]が、既に廃止されている。
高速バスとしては、日中は広島・周防大島行(広島行きはいわくにバス・防長交通、周防大島行きは防長交通が運行)が、早朝・夜間には神戸・大阪・京都行き『カルスト号』(防長交通・近鉄バスの共同運行)および東京行き『萩エクスプレス』(防長交通単独運行)が停車する。
駅正面(西口)前には、常設のタクシー乗り場もある。小型車と中型車の乗り場が隣接しているので、乗り間違いに注意(乗車料金が異なる。→基本的な運賃料金システム)
利用状況[編集]
1日の平均乗車人員は以下の通りである[22]。山口県の駅では下関駅、徳山駅、新山口駅に次いで第4位である。
乗車人員推移 | |
---|---|
年度 | 1日平均人数 |
1999 | 6,936 |
2000 | 7,013 |
2001 | 6,797 |
2002 | 6,619 |
2003 | 6,592 |
2004 | 6,583 |
2005 | 6,475 |
2006 | 6,306 |
2007 | 6,288 |
2008 | 6,336 |
2009 | 6,043 |
2010 | 5,818 |
2011 | 5,779 |
2012 | 5,837 |
2013 | 5,823 |
2014 | 5,722 |
2015 | 5,938 |
2016 | 5,942 |
2017 | 5,971 |
2018 | 5,796 |
2019 | 5,691 |
2020 | 4,281 |
- 西日本旅客鉄道
- R 山陽本線
- ■快速「通勤ライナー」(平日朝上りのみ運転)
- 大竹駅 (JR-R14) ← 岩国駅 (JR-R16)
- ■快速「シティライナー」(土休日のみ運転、当駅発着)
- 和木駅 (JR-R15) – 岩国駅 (JR-R16)
- ■普通
- 和木駅 (JR-R15) – 岩国駅 (JR-R16) – 南岩国駅
- ■快速「通勤ライナー」(平日朝上りのみ運転)
- ■岩徳線(錦川鉄道錦川清流線の列車含む)
-
- 岩国駅 – 西岩国駅
-
関連項目[編集]
参考文献[編集]
- ^ a b “「WEST EXPRESS 銀河」山陽コース(上り)運行開始に伴う 式典および「おもてなし」の実施について” (pdf) (プレスリリース), 西日本旅客鉄道, (2020年12月10日), p. 2, https://www.westjr.co.jp/life/region/pdf/hiroshima/20201210.pdf
- ^ 『停車場変遷大事典 国鉄・JR編』JTB 1998年
- ^ 「内務省告示第119号」『官報』1940年3月20日(国立国会図書館デジタルコレクション)
- ^ “彫刻家 澄川喜一さん(1931年~) <5> 学徒動員 過酷さに漠然と死覚悟” (日本語). ニュース特集 生きて. 中国新聞 (2009年11月14日). 2013年6月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年4月2日閲覧。 “中国地方にゆかりのある人物達のそれぞれの半生を綴る特集記事のうちの、澄川喜一の巻(全15回)の第5回。1945年4月(岩国工業学校(現・岩国工業高等学校)入学)〜同年8月14日 岩国駅を中心とする空襲の体験談。”
- ^ a b c 岩国駅 藤重勇 編 (1977). 岩国駅開業80周年記念 岩国駅いまむかし. 岩国駅. “略年表より” [要ページ番号]
- ^ “JR岩国駅、東西自由通路と橋上駅舎 9日から建設工事”. 山口新聞. (2015年10月28日). http://www.minato-yamaguchi.co.jp/yama/news/digest/2015/1028/4.html
- ^ a b “岩国駅の橋上駅舎および東西自由通路の使用開始について” (プレスリリース), 西日本旅客鉄道, (2017年7月28日), オリジナルの2017年8月4日時点におけるアーカイブ。, https://web.archive.org/web/20170804165947/http://www.westjr.co.jp/press/article/2017/07/page_10884.html 2017年9月10日閲覧。
- ^ a b c d “東西自由通路新設や橋上駅化へ 岩国駅で起工式”. 山口新聞. (2015年11月11日). オリジナルの2015年11月13日時点におけるアーカイブ。. https://archive.today/2015.11.13-034613/http://www.minato-yamaguchi.co.jp/yama/news/digest/2015/1110/3p.html 2015年11月12日閲覧。
- ^ “みどりの窓口3駅廃止へ 広島支社管内、宮島口・大町・柳井”. 中国新聞. (2019年2月20日). オリジナルの2019年3月12日時点におけるアーカイブ。. https://archive.fo/2Fe1j 2019年3月12日閲覧。
- ^ 西岩国駅長 竹中 (1980-6). 西岩国駅開業50周年記念誌. (国鉄)西岩国駅 岩国市中央図書館・蔵
- ^ 朝日新聞社 角川和男, ed (1976-6). 世界の鉄道別冊 蒸気機関車100年. 朝日新聞社 岩国市中央図書館・蔵
- ^ 『鉄道ジャーナル』別冊No.34「懐かしの国鉄列車 PART1」 pp.74-75
- ^ a b 「特定地方交通線の実態と問題を現地に見る(38) 岩日線」 『鉄道ジャーナル』1984年11月号(No.213)
- ^ a b c 『JR・私鉄全線各駅停車9 山陽・四国920駅』 小学館、1993年、p58
- ^ 岩国駅構内図JRおでかけネット
- ^ 『貨物時刻表 平成26年3月ダイヤ改正』、鉄道貨物協会、2014年、 74-81頁。
- ^ a b 日本国有鉄道貨物局『専用線一覧表 昭和45年10月1日』p.260(『トワイライトゾーンMANUAL12』 ネコ・パブリッシング、2003年、p.357掲載)
- ^ 岩国駅周辺整備事業について (PDF) – 岩国市都市建設部 拠点整備推進課 岩国駅周辺整備班
- ^ 岩国駅周辺整備計画検討図 (PDF) – 岩国市都市建設部 拠点整備推進課 岩国駅周辺整備班
- ^ “市長記者会見「岩国駅自由通路新設等工事・岩国駅橋上駅舎化工事の施行に関する協定締結について」”. 岩国市秘書広報課広報班. 2016年6月13日閲覧。
- ^ 工事進捗情報(平成27年11月2日現在)仮駅舎使用開始 (PDF) – 岩国市都市建設部 拠点整備推進課 岩国駅周辺整備班
- ^ 山口県統計年鑑 – 山口県
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