サイクロン – Wikipedia

サイクロン (Cyclone) は、インド洋北部・インド洋南部・太平洋南部で発生する熱帯低気圧である。英語のCycloneは、低気圧、暴風全般を指す語でもある。

最初にこの言葉を紹介したのは、イギリス人のヘンリー・ピディントン(Henry Piddington, 1797年-1858年)である。元海兵隊の船長で暴風に関する研究をしていたピディントンは、1789年にコリンガ(Coringa, Korangi)という町を襲った猛烈な暴風に着目し、この地域のある学術的な会合(1840年)でその危険性を紹介した。

彼は1848年に書いた「船乗りのための嵐の法則についての手引き(The Sailor’s Hornbook for the Laws of Storms)」の初版の中で、「あらゆる旋風について、ギリシャ語の’Kuklws’(とぐろを巻く蛇を意味する)からサイクロンという言葉の採用を提案する」と述べており、これがサイクロンの語源とされている。ところが1851年に出した第二版では、彼はサイクロンの語源を’Kuklws’ではなく’Kuklos’ に変更している。’Kuklos’とは言葉ではなく、回転に関する広い意味を持つギリシャ語の語根である。英語には’Kuklos’を語根に持つCyclopsesやCyclostomeという言葉があり、「とぐろを巻く蛇」よりもっと広い意味を与えるために語源を変更したと推測されている[1]。なお、インド洋の嵐をサイクロンと呼ぶことがあるが、これは世界気象機関(WMO)が定義した正式名ではない。正式名称はサイクロニック・ストームである[2]

サイクロンの分類は熱帯低気圧観測を行う機関ごとに分類されている。

記録的なサイクロン[編集]

関連項目[編集]

サイクロンという言葉について」-気象学と気象予報の発達史