ロピア – Wikipedia

株式会社ロピアは、スーパーマーケットや精肉店を運営する企業である。神奈川県藤沢市で精肉店として創業し、現在は本社を神奈川県川崎市幸区[1]に置く。神奈川県を中心に東京都・千葉県・埼玉県・茨城県の関東地方及び奈良県・京都府・大阪府・兵庫県の近畿圏の9都府県に出店し[2]、食品スーパーの「ロピア」「新鮮大売りユータカラヤ」を展開する[2]。2011年に株式会社ユータカラヤから株式会社ロピアに社名変更した。

社名・店名の「ロピア」は「ロープライスのユートピア」に由来し[3][4]、低価格路線で急速に店舗を増やしている[5]。食品ディスカウントストアとして扱われることもある[6]。モットーは「食生活♡♡(ラブラブ)ロピア」[3]

「新鮮大売り」を企業コンセプトとして、関東地方及び近畿地方の1都2府6県でスーパーマーケットを展開する。また神奈川県内で食肉専門店を展開している。一般的なスーパーマーケットとの同質化競争を避け、精肉を中心とした生鮮食品部門に特に力を入れている。

中規模スーパーマーケットながら、独自のプライベートブランド商品を自社開発しており[7]、飲料や調味料などのストアブランドも約10アイテム取り揃えている。また元来が精肉店であるため、ハム工場にて自家製ハム・ソーセージなども製造しており、加工食品でも「昔ながらのお肉屋さんのパン粉」がある。お菓子コーナーでは、蒸気機関車の鉄道模型が走行しており、買い物客を楽しませている。

1990年代から2000年代には西友が撤退した跡地に居抜き出店することが多かったが[8]、近年はららぽーと[4]などのショッピングセンター[2]、島忠ホームズなどのホームセンター[2]などにもテナント出店している。ららぽーとTOKYO-BAY西館(旧:船橋そごう)の改築リニューアルにより2012年11月に千葉県へ進出[9]、その後、東京都や埼玉県のみならず、大阪府・兵庫県などの近畿圏にも積極的に出店している[10]。一方、かつては静岡県にも出店していたが、こちらは撤退した。

基本的にはクレジットカードや電子マネーは利用できず、支払い方法は現金のみとなる。近年導入されているセミセルフレジもクレジットカード決済には対応していないが、ららぽーとなどショッピングセンター内の店舗ではクレジットカードが使える場合もある。また、ポイントカードのサービスもない。2019年4月よりQRコード決済のPayPayを殆どの店舗(都内の一部小型店舗を除く)で試験的に導入したが[11]、2020年4月末でPayPay導入を終了し、再び支払い方法が現金のみとなった[12]

店内のショッピングカートは放置を防ぐためコイン式のものが採用されており、コインロッカーのように100円玉を入れるとカート置き場の鍵が外れて利用でき、使用後にカート置き場に戻すと100円玉が戻ってくる仕組みである。ショッピングカート、買い物かごはどちらも、太陽ビルメン製で、買い物かごは赤い色、精算済みのかごは、黄色かオレンジ。精算済みのかごには、かごハンドルが外されている。
同様のショッピングカートはオーケーや、三和の一部店舗(イーアス高尾店、ららぽーと沼津店[13]など)でも採用されている。

経営形態[編集]

  • 1971年(昭和46年) – 神奈川県藤沢市で肉の宝屋藤沢店を創業。
  • 1972年(昭和47年) – 有限会社肉の宝屋中川畜産を設立(有限会社化)。
  • 1976年(昭和51年) – チェーン展開開始。
  • 1978年(昭和53年) – デリカテッセン部門開始。
  • 1980年(昭和55年) – ハム・ソーセージの製造開始。
  • 1994年(平成6年) – 港北ニュータウン(横浜市都筑区)中川店でスーパーマーケット事業参入。
  • 1996年(平成8年) – 有限会社肉の宝屋から株式会社ユータカラヤに社名・組織変更(株式会社化)。
  • 1997年(平成9年) – 西友跡地に新業態「新鮮大売りユータカラヤ希望ヶ丘店」(横浜市旭区、現:ロピア希望ヶ丘店)を出店。
  • 2009年(平成21年) – 新業態として「ロピア綾瀬店」(神奈川県綾瀬市)を出店。
  • 2011年(平成23年) – 株式会社ロピアに社名変更。
  • 2012年(平成24年)
  • 2016年(平成28年) – 埼玉県内初出店となる「ロピア東松山セキチュー店」を、セキチュー東松山高坂店(東松山市あずま町)に出店[8]
  • 2016年(平成28年)12月 – 相模原市の惣菜製造会社・利恵産業がロピアホールディングスのグループ会社となる[17][18]
  • 2017年(平成29年)
  • 2018年(平成30年)- 埼玉県新座市の調味料製造会社・丸越食品工業をM&Aによりグループ会社とする[21]
  • 2018年(平成30年)11月9日 – ヤマダ電機・サミットストア町田旭町店の跡地に開業した、ノジマ「ままともプラザ町田」に「ロピア町田店」を出店[22]
  • 2019年(平成31年/令和元年)
  • 2020年(令和2年)
    • 4月30日 – PayPayの試験導入を終了。5月1日から支払い方法が再び現金のみとなる[12]
    • 9月29日 – 島忠ホームズ寝屋川店に「寝屋川島忠ホームズ店」を大阪府内初出店し、関西エリアに進出[10][24]
    • 10月27日 – 島忠ホームズ尼崎店に「尼崎島忠ホームズ店」を出店し、兵庫県にも進出[25]
  • 2021年(令和3年)
    • 2月11日 – アクロスプラザ小平(東京都小平市)のオープンに伴い、核店舗として「ロピア小平店」を出店。
    • 4月29日 – 奈良1号店として奈良市に「ロピアミ・ナーラ店」を出店。
    • 5月19日 – トナリエつくばスクエアCREOに「トナリエクレオ店」を出店し、茨城県に進出。
    • 9月10日 – 奈良2号店として大和郡山市に「ロピア大和郡山店」を出店。
    • 11月18日 – 京都府内1号店として京都市に京都ヨドバシ店を出店。
  • 2022年(令和4年)
    • 1月26日 – 兵庫2号店として神戸市西区の「パチンコ123岩岡店」2階にロピア神戸岩岡店を出店。
    • 3月15日 – 兵庫3号店として三田市けやき台の「センチュリーガーデンフレスポ」内にロピア兵庫三田店を出店。

現在の店舗[編集]

2022年1月1日現在、関東地方1都4県及び近畿地方2府2県に64店舗を展開する[1]。店舗の詳細は公式サイト「店舗情報」を参照。

近畿地方に関しては株式会社関西ロピア[10]が運営している。

「関東地方」

  • 神奈川県 – 新鮮大売ユータカラヤ1店舗、ロピア27店舗[2]
  • 東京都 – 新鮮大売ユータカラヤ2店舗、ロピア7店舗[2]
  • 千葉県 – ロピア10店舗[2]
  • 埼玉県 – ロピア7店舗[2]
  • 茨城県 – ロピア1店舗[2]

「近畿地方」

  • 大阪府 – ロピア3店舗[2]
  • 奈良県 – ロピア2店舗[2]
  • 京都府 – ロピア1店舗[2]
  • 兵庫県 – ロピア3店舗[2]

過去に存在した店舗[編集]

関連会社[編集]

キャラクター[編集]

ロピアのマスコットキャラクターとして、子豚の「ロピタくん」が設定されている[26]。有料レジ袋にはロピタくんの顔のイラストが描かれており、店頭にFRP製のロピタくん人形が飾られているほか[27]、ぬいぐるみも商品化され[28]店舗で販売されている。好物は「お肉」[26]

不当解雇訴訟[編集]

  • 2018年6月に同社食肉部門担当の従業員が、店舗の商品を会計せず持ち帰ったことで懲戒解雇されたのは不当だとして、従業員が会社を訴えていた訴訟で、2019年10月10日に横浜地方裁判所で解雇無効などとする判決が言い渡された[29][30]
    従業員が精肉商品6点(3000円相当)をレジで精算することなく持ち帰ったことに対し、会社は警察に通報したのち懲戒解雇と、また会社は全店舗で従業員を名指しして窃盗を理由に懲戒解雇した旨の掲示をした。従業員は会計忘れについて過失だと主張していた[29][30]。判決では、警察の捜査が従業員に対する事情聴取だけで終わったことを指摘し、従業員が商品について同僚に説明し、目の前で加工・梱包をしていたことから、故意の犯罪行為だとすれば大胆にすぎるなどとして、故意があったとは認められないとした[29][30]。横浜地裁は解雇を無効とした上で、解雇されてから現在までの賃金相当額の支払いを命令した。また全店舗に対して掲示をした行為が名誉毀損に当たるとして、77万円の慰謝料(うち7万円は弁護士費用)の支払いも命じた[29][30]。さらに従業員が管理職(管理監督者)扱いで残業代が支払われていなかった件についても、従業員の業務は精肉加工・販売にかかわる作業であり、実際にはいわゆる「名ばかり管理職」であったとして、未払い残業代約100万円と付加金の支払いも命じた[29][30]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]