ダメ (囲碁) – Wikipedia

ダメとは、囲碁用語のひとつ。下記のように「打つ価値のない場所」という意味と、「石の呼吸点」という両方の意味で用いられる。日常語で「無駄」「やってはいけない」「価値がない」の意の「ダメ」は、囲碁用語から転じたものといわれる。漢字「駄目」と表記されるが、平仮名として「だめ」とか、片仮名とも表記されるときもある。

価値のない場所[編集]

囲碁の終局時に、どちらの陣地でもない領域のことをいう。終局前にここへ打ったとしても、1目の価値をも有していない点。

例えば下のような終局図があった場合、aの点が「ダメ」となる。終局の際、このダメを交互に埋めることとなる。かつて日本ルールでは、終局を確認した後に交互にダメを詰めてから整地していた。この作業を「駄目を押す」といい、とどめを刺す意味の駄目押しの語源となっている。

ダメヅメは記録に残されなかったが、近年、トラブルが多いためダメを詰めてから終局とし、その過程も棋譜に残すようルールが改正された。

また広い意味では、地になりそうにない実質のない着点を「ダメ」「ダメ場」と呼ぶことがある(「ダメをつながらされる」「白がダメ場を打っている間に~」などと用いる)。

石の呼吸点[編集]

ある石に隣接した空点のこと。この点(呼吸点)が全て埋まる、すなわちダメが全て詰まった石は相手に取られる(囲碁のルール参照)。例えば下図黒1の石は、周囲の4点を白に囲まれると打ち抜かれる。この場合「黒にはダメが4つ空いている」という言い方をする。

ダメが多く詰まると、様々な面で不利益を生じることがあるため、一般になるべく無駄なダメは詰めない方がよいとされる。この不利益を生じる状態を「ダメヅマリ」と称する。詳細は当該項目を参照。