アベマキ – Wikipedia

アベマキ(棈、学名: Quercus variabilis)とは、ブナ科コナラ属の落葉高木。コルククヌギワタクヌギともいう。中国地方では、良質の樹皮を持つものをアベ、樹皮が薄い悪質なものをミズアベと呼んでいた。

樹皮はコルク層が発達し、深い割れ目ができるが、ヨーロッパ・北アフリカに分布するコルクガシほどではない。

葉の裏には星状毛があり、白っぽく見える。

花期は4-5月頃で、雌雄異花。雄花はタン黄色で新枝の葉の付け根から10㎝程の房になり下がる、雌花は新枝の上の方に1個ずつ付く。

果期は9-10月頃で、堅果(ドングリ)が殻斗に包まれており、クヌギの堅果とよく似ているが、クヌギよりは殻斗は浅く、楕円形のものが多い。

クヌギとの見分け方[編集]

  • 樹皮のコルク質がより発達している。
  • 葉がやや幅広であるものが多く、裏が白っぽい。
  • 殻斗だけで見分けることは困難。
  • クヌギ(Quercus acutissima )と交雑したものはアベクヌギと呼ばれ、両親の中間的な特徴をもつ。

分布・生育地[編集]

日本、中華人民共和国、台湾、朝鮮半島に多く自生している。日本では、関東地方から四国・九州の山地に自生し、西日本では雑木林に普通にみられる。日本では国の天然記念物として兵庫県養父市の口大屋の大アベマキが指定されている。

薪炭材、シイタケの原木など。

樹皮は、弾力があり軽くて強く、熱やガス、水を通さない。このためコルクの代用品[2]として栽培されていたこともある。戦時色が強くなった1941年6月以降には、産地であった広島県を皮切りに岡山県、島根県、兵庫県、京都府、石川県、鳥取県、徳島県で樹皮の県営検査が行われた[3]

アベマキ(又は、クヌギ、コナラ、ミズナラ)の樹皮は、生薬「ボクソク」(第十七改正日本薬局方 収載)の原料となる。タンニン等を多く含むため、収れん作用があり、十味敗毒湯などに処方される[4]

参考文献[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]