ステファヌス (教皇選出者) – Wikipedia

ステファヌス(ラテン語:Stephanus、? – 752年3月25日) は、ローマのキリスト教聖職者。752年3月にザカリアスの次のローマ教皇に選出された。しかし聖別を受け就任する前に死去したため、正式な教皇の中には数えられていない。

745年、ステファヌスは教皇ザカリアスにより司祭枢機卿に任じられた。彼に割り当てられた名義教会英語版サン・クリソゴーノ教会英語版だった。752年3月半ばにザカリアスが帰天すると、同月23日にステファヌスが新教皇に選出された。ところがステファヌスもその数日後に脳卒中に倒れ、ローマ司教就任のための聖別を受ける間もなく帰天した[1][2]

「教皇ステファヌス」とその代数[編集]

当時の教会法英語版によれば、教皇の任期は聖別された時点から始まるものだった[3]。そのため本項で述べている教皇選出者ステファヌスは、教皇の一人に数えられることが無かった。16世紀以降、教皇選挙で選出された時点で教皇と見なすようになり、教皇選出者ステファヌスは時代錯誤的に「教皇ステファヌス2世」と呼ばれるようになった[5]。しかし1961年に「ステファヌス2世」の名が『教皇庁年鑑英語版』から削られ[6]、1975年10月1日に正式に教皇の列から除外された[7]

現在「教皇ステファヌス2世」とされているのは、教皇選出者ステファヌスの次に選出された人物である。なお、以降の「ステファヌス」(イタリア語からの転写ではステファノ)の名を持つ教皇の代数は「ステファヌス2世(3世)」のように書かれることもある[8]

  1. ^ Horace Mann, “Pope Stephen II” in Catholic Encyclopedia (New York 2013)
  2. ^ History’s great untold stories: larger than life characters & dramatic … By Joseph Cummins. National Geographic Books. p. 13.
  3. ^ Annuario Pontificio 2012 (Libreria Editrice Vaticana 2012 978-88-209-8722-0), p. 11*
  4. ^ For example, see Rev. Joseph Deharbe, S.J., A Full Catechism of the Catholic Religion (translated by Rev. John Fander; 1863), p. 60-61.
  5. ^ Richard P. McBrien, Lives of the Popes (Harper Collins 2013 978-0-06228834-9), p. 121
  6. ^ For example, see Rev. Joseph Deharbe, S.J., A Full Catechism of the Catholic Religion (translated by Rev. John Fander; 1863), p. 60-61.
  7. ^ 歴代教皇”. カトリック中央協議会2014-12-12. 2021年4月28日閲覧。

参考文献[編集]

  • バンソン, マシュー『ローマ教皇事典』長崎恵子・長崎麻子訳、三交社、2000年。

関連項目[編集]