牛伝染性角結膜炎 – Wikipedia

牛伝染性角結膜炎(うしでんせんせいかくけつまくえん、infectious bovine keratoconjunctivitis)は、Moraxella bovis感染を原因とする牛の感染症。伝染性結膜炎(infectious conjunctivitis)、伝染性角膜炎(infectious keratitis)、ピンクアイ(pink eye)とは病名同義語。

モラクセラ属に属するグラム陰性通性嫌気性球~短桿菌であるMoraxella bovisが原因となる。Moraxella bovisはβ溶血性を示す。

接触あるいはハエなどの昆虫を介した伝播が起こり、その伝播力は強い。夏~秋に放牧地で多発し、ホルスタイン種、ジャージー種、ショートホーン種などの品種での発生が多い。牛伝染性鼻気管炎ウイルスとの混合感染が多い。

病変は眼に限局し、初期に流涙、結膜の充血、羞明などを示し、進行すると角膜周囲の血管が増生、充血を起こして白目が淡紅色を示すピンクアイの状態となる。さらに進行すると、二次感染による角膜潰瘍、失明が生じる。

眼結膜分泌液を血液寒天培地に接種し、菌の分離を試みる。ゲル内沈降反応、凝集反応、蛍光抗体法、ELISAも用いられる。

ホウ酸水による洗浄およびペニシリン、テトラサイクリン、クロラムフェニコールなどの抗生物質およびステロイド性抗炎症薬の点眼を行う。

ワクチンは実用化されていないので、早期発見に努め、病気の蔓延を防ぐ。衛生昆虫の防除も有効な予防策である。

参考文献[編集]

  • 清水悠紀臣ほか『動物の感染症』近代出版 2002年 ISBN 4874020747

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