ティーンエイジ・ミュータント・ニンジャ・タートルズ (映画) – Wikipedia

本項では、アメリカ合衆国の漫画作品『ティーンエイジ・ミュータント・ニンジャ・タートルズ』を原作とする映画について解説する。
実写映画化作品には、これまで1990年代の三部作と、2014年版、2016年版とがある。また、アニメーションでの劇場用長編映画化作品には2003年版アニメを基にした『ミュータント・タートルズ -TMNT-』がある。

作品一覧[編集]

映画三部作 (1990年代)[編集]

ミュータント・タートルズ (映画)[編集]

『ミュータント・タートルズ』は、1990年にアメリカ合衆国で公開された映画であり、映画三部作の第一作目である。
また、 ジム・ヘンソンがキャラクターデザインを手掛けた。
オリジナルキャラクターとして、シュレッダーの副官であるタツ(Tatsu)が登場する。

あらすじ(1)[編集]

人気女性キャスターのエイプリルは、ニューヨークで暗躍するフット団を追跡しようとしたところを襲われてしまい、ラファエロ、レオナルド、ミケランジェロ、ドナテルロという4匹の大きな亀たちに助けられる。彼らはある方法によって人間のような姿と人語をはなす能力を得、同様に人間のような姿となったネズミのスプリンターの元で忍術の修業に励んでいた。
エイプリルが彼らと親しくなったのもつかの間、スプリンターがフット団に攫われる。青年・ケーシーの協力を得て亀たちは救出に向かう。

キャスト(1)[編集]

日本語版制作スタッフ(1)[編集]

サウンドトラック(1)[編集]

本作のサウンドトラックは1990年3月16日にSBKレコード英語版から発売された。

曲目
  1. “This Is What We Do” – M.C.ハマー
  2. “Spin That Wheel” –Hi Tek 3英語版
  3. “Family” –リフ英語版
  4. “9.95” – Spunkadelic
  5. “Turtle Power” – Partners in Kryme
  6. “Let The Walls Come Down” – ジョニー・ケンプ英語版
  7. “Every Heart Needs A Home” – セントポール英語版
  8. “Shredder’s Suite/Foot Emperor” – ジョン・デュ・プレ
  9. “Splinter’s Tale I & Splinter’s Tale II” – ジョン・デュ・プレ(feat. ケビン・クラッシュ)
  10. “Turtle Rhapsody” – Orchestra on the Half Shell
  11. “Subway Attack/Foot Clan – ジョン・デュ・プレ (UK版では未収録)
  12. ““Shredder’s Big Entrance/Foot Clan Suite” -ジョン・デュ・プレ

反響(1)[編集]

同作はアメリカで1億3500万ドル以上の興行収入をあげ、この年にアメリカで公開された映画の中で興行収入5位となるヒットとなった[3]。この成功により続編が作られ、計3作のシリーズとなった。

ミュータント・ニンジャ・タートルズ2[編集]

『ミュータント・ニンジャ・タートルズ2』(Teenage Mutant Ninja Turtles II: The Secret of the Ooze)は、1991年にアメリカ合衆国で公開された映画であり、映画三部作の第二作目である。
前作に引き続き、キャラクターデザインはジム・ヘンソンが務めた。

オリジナルキャラクターとしてミュータントのトッカ & レイザー(Tokka and Rahzar)が登場しており、この二人組は1987年版アニメにもゲスト出演している。
また、前作に登場したシュレッダーの副官・タツも引き続き本作に登場している。

あらすじ(2)[編集]

タートルズとスプリンターはフット団を撲滅するも、下水道にあった住居を失い、エイプリルの家に居候していた。ある日、エイプリルはジョルダン・ペリー教授という人物にTGRI社の化学廃棄物処理について取材する。一方ゴミ捨て場で生き延びていたシュレッダーは、廃棄物がタートルズが突然変異する原因だと突き止める。シュレッダーはペリー教授を誘拐し、研究所から盗んできた廃棄物を用いてカミツキガメとオオカミをミュータントにする。それぞれトッカとレイザーと名付けられた二体は、ペリー教授を助けに来たタートルズにけしかけられる。だが、教授の細工によりこの二体の知能は3歳児程度しかなかった上、教授が用意した解毒剤によって元の姿に戻される。追い詰められたシュレッダーは、自ら廃棄物を浴び、スーパーシュレッダーなるミュータントに変貌するも、タートルズによって撃破される。

キャスト(2)[編集]

  • 日本語版制作スタッフ

20世紀FOX配給で劇場公開された際に制作された日本語版も存在するがビデオ化時に新しい吹替が作られ劇場版吹替は現在観られなくなっている。

ミュータント・ニンジャ・タートルズ3[編集]

『ミュータント・ニンジャ・タートルズ3』は、1993年にアメリカ合衆国で公開された映画であり、映画三部作の第三作目にあたる。日本では1994年に劇場公開されたほか、雑誌『コミックボンボン』1994年6月号〜11月号にてみかえる・はーと作画でコミカライズが連載された。

本作はテレビ東京版のキャストが担当しており、その為、一人称や性格などはアニメ寄りになっている。またケイシーは前作のラファエロを担当した二又一成が担当している。

あらすじ(3)[編集]

ある日、エイプリルは骨董店で不思議な笏を手に入れたことにより、1603年の日本にある大名・ノリナガの城に転送されていた。魔女とみなされて牢屋に入れられた彼女は、イギリス人の海賊ホウィットと出会う。そのころ、ノリナガの子・ケンシンは彼女と入れ替えに現代に転送される。
タートルズは1603年の日本に行ってエイプリルとホウィットを牢屋から出した後、紆余曲折を経て現代に戻り、ケンシンも1603年の日本に戻る。

キャスト(3)[編集]

  • 日本語版制作スタッフ

こちらは劇場公開時の吹替版がそのままビデオ化された。

リブート版[編集]

ミュータント・タートルズ(2014年版)[編集]

リブート版で、これまでの映画化作品とは関連のない作品となっている。製作はマイケル・ベイ率いるプラチナム・デューンズが行い、北米での配給はパラマウント映画が担当した。2014年8月8日に北米で劇場公開され[4]、日本では2015年2月7日に劇場公開された。

タートルズのデザインはリアル寄りであり、背丈も2メートル近くある[5]。また、撮影にはモーションキャプチャーが用いられており、演技に当たってはモーションアクターが亀の甲羅を背負っている[5]

あらすじ(2014年版)[編集]

チャンネル6のレポーター、エイプリル・オニールはニューヨーク市の港で犯罪シンジケート「フット団」の構成員達が忍者らしき集団に襲われる場面を目撃したが、上司から証拠が無い事を理由に信じられなかった。同じころ、ニューヨーク市はエイプリルの亡き父の勤務先だった大企業サックス社との契約を更新していた。「フット軍団」のボス、鍛練をしていたシュレッダーは、部下達の失態を聞く。殺されると分かっていても鍛練に付き合うほど「フット」の主従関係は徹底していた。シュレッダーは部下たちに忍者の正体を探ることを命じる。再び忍者集団が地下鉄に現れたフット軍団を叩きのめし、SWATの到着と入れ替わりに去っていき、エイプリルは様子を写真に収める事ができた。忍者の正体は人語を喋る亀で、師匠は人語を喋る鼠だった。そして、彼らとエイプリルとは過去に接点があった。一方、フット軍団たちはある邪悪な企みを遂行していた。

キャスト(2014年版)[編集]

※括弧内は日本語吹き替え

その他吹き替え – 伊藤和晃、佐久田脩、長島真祐、杉村憲司、落合佑介、志賀麻登佳、遠藤大智、高橋研二、土門敬子、北田理道、小林未沙、竹内栄治、小林親弘、野一祐子、手塚ヒロミチ、中尾智、堀井千砂、影平隆一、関雄、高杉義充、長谷川芳明、倉田彩花

  • 日本語吹き替え制作スタッフ

反響・評価(2014年版)[編集]

興行収入

本作は週末全米興行収入ランキングにて2014年8月第2週の初登場から2週連続で1位となり[7]、日本でも週末興行収入にて初登場1位(観客動員数では2位)となった[8]。日本での興行収入は12億2000万円[9]

受賞・ノミネート
第35回ゴールデンラズベリー賞では、作品・監督・脚本・助演女優(ミーガン・フォックス)・前日譚/リメイク/盗作/続編賞の5部門にノミネートされ、助演女優賞の1部門で受賞した。
批評
Game Watchの安田俊亮は、タートルズのデザインが「きもい」としつつも、モーションキャプチャーなどのおかげもあって生き生きとしているため、映画の進行とともに彼ららしさが増していると評価しており、タートルズを知らない人でも受け入れられるだろうとしている[5]。その一方で、安田は物語の粗をいくつか指摘しており、たとえばタートルズの師匠であるスプリンターが下水道で偶然拾った本から戦闘技術を習得したとされる点や、甲羅から手足がはみ出ているのにもかかわらずマシンガンの弾が甲羅にしか当たらない点を挙げている[5]。安田は特に疑問に思った点として、シュレッダーがタートルズを相手に拳闘と投げナイフだけで挑む点を挙げている[5]

ミュータント・ニンジャ・タートルズ:影<シャドウズ>[編集]

ミュータント・ニンジャ・タートルズ:影<シャドウズ>』(ミュータント・ニンジャ・タートルズ シャドウズ、原題:Teenage Mutant Ninja Turtles: Out of the Shadows)は、2016年公開のアメリカの映画。2014年の映画『ミュータント・タートルズ』の続編にあたる。日本では2016年8月26日公開[1]。日本での配給は東和ピクチャーズ(東宝東和の子会社)。なお、日本での配給におけるニコロデオン・ムービーズ作品として東宝東和が担当するのは、『タンタンの冒険/ユニコーン号の秘密』以来で、同社が本作の配給に関与するのは1990年に公開された『ミュータント・タートルズ』以来26年ぶりである。興行収入は4億2600万円[10]

あらすじ(影<シャドウズ>)[編集]

※括弧内は日本語吹き替え

その他吹き替え – 坂本くんぺい、安元洋貴、大津愛理、長谷川敦央、武内駿輔、内田雄馬、高杉義充、本多真梨子、竹内栄治、濱野大輝、堀井千砂

  • 日本語吹き替え制作スタッフ

反響(影<シャドウズ>)[編集]

『ミュータント・ニンジャ・タートルズ:影<シャドウズ>』の北米における週末3日間(2016年6月3-5日)の興行収入は3530万ドル(約38億円)であり、週末3日間の北米映画興行収入ランキングで初登場1位を獲得した[14]
ロイターは前作が最初の週末で6560万ドルの興行収入をおさめたことと比較して、さえないスタートとなったとコメントしている[14]

バットマン vs ミュータント・タートルズ[編集]

2019年に制作されたアニメ映画で、バットマンとのクロスオーバー作品でもある[15]

注釈[編集]

  1. ^ ビデオ版の吹き替えでは「ラファエル」と表記

出典[編集]

外部リンク[編集]

映画3部作
2014年版
影<シャドウズ>