南アフリカ鉄道NG G16型蒸気機関車 – Wikipedia

南アフリカ鉄道 NG G16形
基本情報
運用者 南アフリカ鉄道
設計者 ハノマーグ
南アフリカ鉄道
製造所 Société Anonyme John Cockerill
ベイヤー・ピーコック
ハンスレット-テイラー
製造番号 コッカリル 3265-3268 (1937) [1]
ベイヤー・ピーコック 6919-6926 (1939), 7426-7432 (1951), 7862-7868 (1958) [2]
ハンスレット-テイラー 3894-3901 (1967-1968) [1]
車両番号 85-88, 109-116, 125-131, 137-143, 149-156
製造年 1937年 – 1968年
製造数 34両
主要諸元
軸配置 2-6-2+2-6-2 (ダブルプレイリー)
軌間 1,435 mm
長さ 14.713 m
2.134 m
高さ 3.150 m
機関車重量 60.0 t
62.3 t (137-143)
動輪上重量 39.9 t
40.8 t (137-143)
先輪径 533 mm
動輪径 838 mm
従輪径 533 mm
軸重 7.0 t
シリンダ数 4気筒
シリンダ
(直径×行程)
305 mm × 406 mm
弁装置 ワルシャート式
ボイラー圧力 1,240 kPa
火格子面積 1.812 m2
全伝熱面積 85.573 m2
過熱伝熱面積 13.843 m2
全蒸発伝熱面積 7.627 m2
燃料 石炭
燃料搭載量 4.1 t
6.3 t (137-143)
水タンク容量 前部 5,840 l、後部 2,500 l
前部 6,020 l (137-143)
前部 6,020 l、後部 2,500 l (149-156)
引張力 75% ボイラー圧力時18,850 lbf (83.8 kN) [3]
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NG G16形は、南アフリカ鉄道が1937年から1968年にかけて軌間2フィートのAvontuur鉄道路線に34両を導入した車輪配置2-6-2+2-6-2英語版のガーラット式連接蒸気機関車である[4][5]

製造会社[編集]

1927年の南アフリカ鉄道によるNG G13形狭軌ガーラット式の成功は同様の設計の狭軌用機関車の更なる導入を導いた。31年間以上に渡り3社から5回以上にわたり総計34両の車輪配置2-6-2+2-6-2「ダブルプレイリー」の機関車が製造された。[4]

コッカリル社[編集]

1937年にベルギーのセランのジョン・コッカリル社によって納入された車両番号85から88があてがわれた4両の機関車は旧式の機関車と似ていたので当初クラス NG G13として分類された。しかしながら軸箱にローラーベアリングと急曲線通過の為の横移動を許容するゲルスドルフ式機構英語版の為の内部車輪式先台車を備えた点がクラス NG G13との外観上の特徴で、間もなくクラス NG G16として再分類された。[1][4]

これらの初期のクラス NG G13のような戦前の機関車は炭水車がリベットで接合され、水タンクの上部の曲線半径が大きい。[5]

ベイヤー,ピーコック[編集]

2次発注の8両の機関車は1939年ベイヤー・ピーコックから納入され、109から116の車両番号があてがわれた。[2][4][5]

3次発注は1951年にさらに7両が再びベイヤーピーコックに発注され、車両番号125から131があてがわれた。これらは炭水車が溶接による接合で水タンクの上部の側面が丸く、その間の上部が平らである。[2][4][5]

4次発注は7両で車両番号は137から143があてがわれ、ベイヤーピーコックによる最後の蒸気機関車で南西アフリカ(SWA)のツメブ銅会社の仕様による発注と製造だった。それらは機構的に初期のクラス NG G16と似ていたが石炭と水の積載量が増えた。これらの機関車は前部の水の積載量が増したが、後部の炭水車には水は積載ぜず石炭の積載量を増やす為に使われた。計画ではナミブ砂漠を横断する為に水タンクを増設し軌間1067mmのクラス GMクラス GMAMとして検討された。[2][4]

しかしながら機関車の製造中に全てのSWA狭軌路線を軌間1067mmに改軌する決定が下された。新しい機関車は1958年に直接SARに納入された。[4]

南アフリカの給水所の間隔は短かったので AvontuurNatal線では水槽車は不要だった。[4]

ハンスレット-テイラー[編集]

最後の発注は1967年に車両番号149から156があてがわれた8両でSARによって発注された最後の新製蒸気機関車だった。海外の製造会社はどこからもそれらを入手できなかったのでトランスバールのガーミストンのハンスレット-テイラー社によって製造され、使用されるボイラーは海外の親会社であるハンスレット機関車会社によって製造された。1967年から1968年にかけて製造され、これらの機関車はツメブ社向けに同様の拡大された前部の水タンクを備えたが後部の炭水車は1951年発注の機関車と同様の石炭と水を積載するものだった。[1][4]

コッカリル製の85から88号機は大半の運用期間をNatal線で過ごした。[4][5]

SARによって発注されたベイヤーピーコックの機関車である109から116と125から131号機はNatalとAvontuur線で運用された。[4][5]

ツメブ銅会社によって発注された7輌のベイヤーピーコックの機関車である137から143号機は当初はUmzintoPort ShepstoneAvontuur線で運用されたが3輌はLangkloofへNatalと同様に移送された。[4][5]

ハンスレット-テイラーの149から156号機は1968年にNatalのHardingとDonnybrook支線で運用された。[4][5]

近代化改修機 NG G16A[編集]

4路線のNatal狭軌がSARによって廃止され、WeenenMid Illovo線は増加したがHarding線はAlfred County鉄道 (ACR)として民営化された。[5]

鉄道の競争力を維持するためにACRのクラス NG G16 機関車はクラス 26 Red Devilと類似の技術を導入して再度組み立てられた。ガス生成燃焼システム (GPCS)、lempor英語版排気装置、と改良型火の粉飛散防止装置、軽量ピストン弁、改良型弁機構と機械的潤滑装置が導入された。2輌の機関車はクラス NG G16A英語版として1989年に141号機、1990年に155号機に再分類された。[6][7]

比較試験において従来のNG G16と比較して141号機の燃料の節約は25%に達し通常の運行における整備が容易だった。改造費用は12ヶ月で償却しNG G17の開発につながったが道路網の拡大により輸送量が減少した為に実現しなかった。[6][7][8]

SARでの引退以来複数の機関車が個人に売却され、運用可能な状態に維持されていて、2012年時点において3両が今尚運転(または復元)されている。[8]

ウェルシュ・ハイランド鉄道[編集]

イギリスのウェルシュ・ハイランド鉄道は4両のNG G16を所有し1両は他の3両の運行を維持する為の部品取り用である。これらの3両の機関車はコッカリル社の87号とベイヤーピーコックの138号と143号で良好な状態で製造時の状態で維持されている。[8]

パッフィングビリー鉄道[編集]

オーストラリアのパッフィンビリー鉄道(PBR)ではNG G16 129号機が軌間2’6″へ改軌され、ヴィクトリア鉄道Gクラス ガーラット G42の予備機として運用される。129号機は次回のG42の分解整備期間中に代替として運用される予定である。129号機は複数の必要な部品の製造に直面しており、2012年初頭にPBRは同様にNG G16 127号機を部品確保を目的として購入した。これにより復元計画は大幅に簡略化され、さらに2輌目のNG G16の復元も予定される。[9]

状況[編集]

2012年初頭において消息が知られている全てのNG G16機関車を以下の一覧に示す。[8]

南アフリカ鉄道クラス NG G16 2-6-2+2-6-2 の所在

NG G16には多様な型がある。

コッカリル製の87号機、現在はWHRで運行
コッカリル製の87号機
ベイヤーピーコック製138号機、現在はWHRで運行
ベイヤーピーコック製138号機
ベイヤーピーコック製143号機、現在はWHRで運行
ハンスレット-テイラー製153号機

関連項目[編集]

  1. ^ a b c d Hamilton, Gavin N., The Garratt Locomotive – Garratt Locomotives from Other Builders, http://www.beyergarrattlocos.co.uk/other.html 2012年11月10日閲覧。 
  2. ^ a b c d Hamilton, Gavin N., The Garratt Locomotive – Garratt Locomotives produced by Beyer, Peacock, http://www.beyergarrattlocos.co.uk/bp.html 2012年11月10日閲覧。 
  3. ^ South African Railways and Harbours Locomotive Diagram Book, 2’0” & 3’6” Gauge Steam Locomotives, 15 August 1941, as amended
  4. ^ a b c d e f g h i j k l m Paxton, Leith; Bourne, David (1985). Locomotives of the South African Railways (1st ed.). Cape Town: Struik. pp. 10-11, 107, 109-110. ISBN 0869772112 
  5. ^ a b c d e f g h i Durrant, A E (1989). Twilight of South African Steam (1st ed.). Newton Abbott, London: David & Charles. pp. 126-127. ISBN 0715386387 
  6. ^ a b The Ultimate Steam Page – P. Girdlestone”. trainweb.org. 2009年7月10日閲覧。
  7. ^ a b c Alfred County Railway 2-6-2+2-6-2 NG G16A Garratts 141 & 155”. martynbane.co.uk. 2009年7月10日閲覧。
  8. ^ a b c d Middleton, John N. (2002). Railways of Southern Africa Locomotive Guide – 2002 (as amended by Combined Amendment List 4, January 2009) (2nd, Dec 2002 ed.). Herts, England: Beyer-Garratt Publications. pp. 32-33 
  9. ^ a b Puffing Billy Monthly News, February 2012”. Bill Russell. 2012年1月30日閲覧。
  10. ^ a b c d e f g h i j Payling, D (2012). Garratts & Kalaharis of the West Highland Railway (1st ed.). Porthmadog, Wales: The Ffestiniog & Welsh Highland Railways. pp. 129–130. ISBN 978 0 901848 10 9.
  11. ^ Welsh Highland Railway news
  12. ^ Welsh Highland Railway news
  13. ^ a b Stars of Sandstone, Official Operating Programme for 12th – 21st April 2014 (stars 2014 – official operating programme-7.pdf)
  14. ^ a b Exmoor Steam Railway and its history Archived 2015年8月11日, at the Wayback Machine.
  15. ^ Humewood Road in Port Elizabeth”. Steam Locomotives South Africa (2009年8月23日). 2010年6月14日閲覧。

外部リンク[編集]