畑岡奈紗 – Wikipedia

畑岡 奈紗[1](はたおか なさ、1999年1月13日 – )は、茨城県笠間市出身の日本の女子プロゴルファーである。所属はアビームコンサルティング[2]

※本項では日本女子プロゴルフ協会はJLPGA、全米女子プロゴルフ協会はUSLPGAと表記する

アマチュア時代[編集]

名前の奈紗は、アメリカ航空宇宙局(NASA)に因み、「前人未到のことをするように」との思いを込めて命名された[3]。宍戸ヒルズカントリークラブに勤務していた実母の影響で、11歳でゴルフを始める[4]。中学時代は陸上競技(200m走)で県大会入賞の経験を持つ[5]

2014年8月に開催された「日本ジュニアゴルフ選手権競技」(15-17歳の部)において、最終日にJLPGAツアー優勝経験がある同学年の勝みなみに6打差を逆転された[5]

2015年後期からJGAナショナルチーム入り[6][注 1]。同年7月の「IMGアカデミー世界ジュニアゴルフ選手権」において、個人及び団体優勝を果たす[5]。同年10月に開催されたJLPGAツアー「樋口久子 Pontaレディス」の主催者推薦選考競技会(マンデー)を勝ち上がり同ツアー初出場、初日4アンダーでトップに立つ[7]。アマチュア選手が初出場の同ツアーで首位発進するのは史上初[7]。2日目も通算5アンダーで首位を守るも[8]、最終日にスコアを伸ばせず7位タイであったがローアマチュアを獲得した[9]

2016年7月の「IMGアカデミー世界ジュニアゴルフ選手権」において、個人及び団体優勝の2連覇を果たす[10][11]。同年10月のJLPGAツアー公式戦「日本女子オープンゴルフ選手権競技」では最終日に首位から4打差の5位でスタートし、4アンダーの68で回って逆転で同ツアー初優勝を公式戦で飾った[12]。同ツアー公式戦でのアマチュアの優勝は史上初で[13]、17歳263日での優勝はこれまで宮里藍が持っていた最年少大会優勝記録(2005年=20歳105日)を大幅に更新しただけでなく[13]、平瀬真由美が「JLPGAレディーボーデンカップ」(大会名は当時。現在の「LPGAツアーチャンピオンシップ」)を優勝した際の同ツアー公式戦最年少優勝記録(1989年=20歳27日)も更新した[14]

プロ入り後[編集]

2016年10月10日にプロ転向を表明、17歳271日でのプロ入りは、宮里藍の18歳110日を更新し日本人史上最年少となった[14]。同年11月11日開幕の「伊藤園レディスゴルフトーナメント」でプロとして初出場[15]。同年12月USLPGAツアーファイナルクオリファイングトーナメント(QT)に進出し、14位タイとなり日本人最年少の17歳で翌シーズンの同ツアー出場権を獲得した[16]

2017年から森ビル所属となる[17]。同年からはUSLPGAツアーを主戦場としてプレー[18]。一時帰国して参戦したJLPGAツアー「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープンゴルフトーナメント」でプロ入り初優勝を果たした[19]。18歳254日での同ツアー2勝目は、宮里藍が保持していた18歳262日を更新するものであった[19][注 2]。その翌週の同ツアー公式戦「日本女子オープンゴルフ選手権競技」では最終日には8バーディーを奪って65とし、20アンダー(4日間通算268)で2位に8打差をつけて圧勝[14]。同ツアー公式戦における最多アンダーパー記録を更新し、樋口久子が1976年・1977年と連覇して以来40年ぶりの大会2連覇をプロ初の2週連続優勝で達成した[20][注 3]

「2017年ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープンゴルフトーナメント優勝」の資格でJLPGA入会を申請し、同時期に申請したイ・ボミと共に2017年10月1日付でJLPGA89期生となる[21]

同年USLPGAツアーファイナルQTをトップ通過し、翌シーズンの同ツアー出場権を獲得[22]

2018年は6月のUSLPGAツアーメジャー大会「全米女子オープン」では日本人初の10代でのトップ10入り(10位)となった後[23]、3週間後の「ウォルマートNWアーカンソー選手権」で同ツアー初優勝を19歳162日の日本人最年少で達成し[14]、翌週のUSLPGAツアーメジャー大会「KPMG 全米女子プロゴルフ選手権」では、惜しくもプレーオフで敗れはしたものの2位タイ。一時帰国して9月の「日本女子オープンゴルフ選手権競技」に参戦し、樋口久子以来となる2人目の大会3連覇に挑んだが、柳簫然(大韓民国)の前に3打及ばず2位となる[24]。その後11月のUSLPGA・JLPGA共催の「TOTOジャパンクラシック」では最終日に4打差を逆転しUSLPGAツアー2勝目を挙げた[25]

2019年は3月のUSLPGAツアー「起亜クラシック」で優勝し同ツアー3勝目[26]。一時帰国して参戦した9月のJLPGAツアー公式戦「日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯」で優勝[14]。大会レコードとなる18アンダーでの優勝と日本人史上最速となる同ツアー出場17試合での生涯獲得賞金1億円突破も達成した[27]。さらに10月の同ツアー公式戦「日本女子オープンゴルフ選手権競技」でも同世代の大里桃子らを抑えて大会3度目の優勝[28]。これにより1977年の樋口久子以来となる史上2人目の同一年度日本タイトル二冠を達成[29]、20歳245日での国内公式戦3勝目[14]、20歳266日での同4勝目は共に史上最年少となった[28]。この直後の同年10月7日付世界ランクで自身最高位となる3位となる[30]

2021年8月の開催となった2020年東京オリンピックゴルフ競技女子では通算274の9位だった[31]

トレーニングには他競技のやり方を取り入れてもいる。例を挙げるなら野球のバットでテニスボールを打つなど[32]

ツアー優勝[編集]

JLPGAツアー(5)[編集]

LPGAツアー(5)[編集]

※来歴に記載のない大会のみ

アマチュア

プロフェッショナル

注釈[編集]

  1. ^ 後述のプロ転向表明までの間ナショナルチームメンバーであった。
  2. ^ 宮里藍も畑岡同様にアマチュア(東北高等学校)時代の2003年にミヤギテレビ杯で日本女子ツアー初優勝を果たしており、ツアー2勝目の2004年のダイキンオーキッドレディスがプロ初優勝である。
  3. ^ 但し、樋口久子は東京放送(現在の東京放送ホールディングス)主催により『TBS女子オープン』という名称で開催された1968年の第1回から1970年までの第3回及び、現行の日本ゴルフ協会主催となり第4回大会として開催された1971年までの4年間、日本女子オープンの連続優勝記録(4連覇)を保持している。
  4. ^ 日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)のツアーも兼ねる。

出典[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]