一ノ瀬メイ – Wikipedia

一ノ瀬 メイ(いちのせ めい、1997年3月17日 – )は、日本の競泳の元選手である。近畿大学所属。200m個人メドレークラスSM9、50m自由形クラスS9、100m自由形クラスS9、100m背泳ぎクラスS9、100m平泳ぎクラスSB9の5つの日本記録保持者[2]。愛称は「水のプリンセス」。

来歴

京都市出身。父がイギリス人で母が日本人[3]。先天性右前腕欠損症[3][4][5]のために、右腕が人よりも短い。幼少期より家庭内で英語を用いたために英語が堪能。1歳半で水泳を始めた。小学生のころに地元のスイミングスクールで障害を理由に入会を断られた苦い経験がある[3]。小学校2年生で京都市障害者スポーツセンター(京都SC)に入り、その年の近畿障害者水泳選手権大会で25m背泳ぎと50m自由形で1位に[6]。当時パラリンピックの競泳日本代表監督を務めていた猪飼聡は、一ノ瀬が小学校3年生になったとき、将来パラリンピックに出てみないかと声をかけた[6]。小学校4年の途中で1年間イギリスに留学しスイミングスクールに通い大会にも出場[3]

2012年、京都市立紫野高等学校普通科・英文系に入学[7]。高校3年時に、2014年アジア競技大会に出場。200m個人メドレークラスSM9、100m平泳ぎクラスSB9で銀メダル。50m自由形クラスS9、100m背泳ぎクラスS9で銅メダルを獲得した[8]

2015年2月に行われた全英連第8回全国高等学校英語スピーチコンテストでは、障害の「社会モデル」についてのスピーチを行い全国優勝。文部科学大臣賞・ 文部科学大臣杯を受賞した[9][10]

2015年4月、近畿大学へ進学[11]。同年7月に行われた2015グラスゴー世界選手権では、200m個人メドレークラスSM9で決勝進出を果たした[12]

2016年3月6日、リオ・パラリンピック派遣選手選考会において、個人ベスト記録を4秒16縮める2分41秒35の日本新記録で出場が内定[13]。200メートル個人メドレーなど競泳8種目に出場する[14]

2019年3月、近畿大学を卒業。卒業後は大学職員になり、近畿大学とオーストラリアを練習拠点とする[15]

2021年10月27日、現役引退を表明[16]

自己ベスト

種目 水路 クラス 記録 樹立日 大会名 備考
200m個人メドレー 長水路 SM9 2分41秒35 2016年3月6日 リオデジャネイロ・パラリンピック日本代表選考会兼春季静岡記録会 日本記録
50m自由形 長水路 S9 31秒06 2015年9月5日 2015 ジャパンパラ 水泳競技大会 日本記録
100m自由形 長水路 S9 1分09秒16 2013年10月28日 2013アジアユースパラゲームズ 日本記録
100m背泳ぎ 長水路 S9 1分18秒97 2015年7月13日 グラスゴー2015世界水泳選手権大会 日本記録
50m平泳ぎ 長水路 SB9 40秒80 2016年6月11日 2016ドイツオープン アジア記録
100m平泳ぎ 長水路 SB9 1分25秒83 2016年6月9日 2016ドイツオープン 日本記録

出演

CM

  • 【WOW BEAUTIFUL NAME篇】、【WOW MESSAGE 一ノ瀬メイ」】 (2017年1月、トヨタ自動車)[17]
  • 【WOW】MESSAGE MOVIE スポーツ篇(2016年5月、トヨタ自動車)[18]
  • 【WOW】イチローが嫌いだ篇(2016年8月、トヨタ自動車)
  • 【WOW】イチロー&一ノ瀬メイ篇(2016年8月、トヨタ自動車)

作品

書籍

  • 「私が今日も、泳ぐ理由 パラスイマー一ノ瀬メイ」[14](文・金治直美、学研プラス)

出典

外部リンク