スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還 – Wikipedia

スター・ウォーズ エピソード6/ ジェダイの帰還』(―ジェダイのきかん、Star Wars: Episode VI Return of the Jedi)は、1983年のアメリカのスペースオペラ映画。公開時のタイトルは、『スター・ウォーズ/ ジェダイの復讐』(スター・ウォーズ ジェダイのふくしゅう、Return of the Jedi)。製作総指揮のジョージ・ルーカスのストーリーを基に、リチャード・マーカンドが監督、ローレンス・カスダンがルーカスと共に脚本を務めた。「スター・ウォーズ」旧三部作(オリジナル・トリロジー)の第3作目として製作され、「スカイウォーカー・サーガ」の第6作目でもある。舞台は『帝国の逆襲』の1年後。出演は、マーク・ハミル、ハリソン・フォード、キャリー・フィッシャー、ビリー・ディー・ウィリアムズら。

1997年の《特別篇》公開、2004年のDVD版や2011年のブルーレイ版の発売に際し、その都度最新のデジタル技術などを用いて一部内容の修正・変更が行われている。

ストーリー

遠い昔、はるか彼方の銀河系で…

『スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲』より1年ほどの月日が流れた。ルーク・スカイウォーカーとレイア・オーガナ、そしてランド・カルリジアンは、惑星タトゥイーンに根城を構える犯罪王ジャバ・ザ・ハットの宮殿に潜入する。惑星ベスピンにてシスの暗黒卿ダース・ベイダーに敗北したルークは更なる修業を積み、ジェダイの騎士として大きく成長していた。一同はジャバの手中に落ち、あやうく処刑されそうになるが、ルークの反撃を機に攻勢に出る。ジャバのギャング一味は壊滅し、無事救出したハン・ソロを伴い、一同はタトゥイーンを後にする。

ルークはジェダイの騎士としての修行を完成させるため、惑星ダゴバに戻るが、ジェダイ・マスターヨーダは老衰による死の床にあった。ヨーダは改めて指導を申し出たルークに、ジェダイとして技術的なことはすべて習得しており、もはや自分が教えることは何も無いとその成長を認める。だが、真の意味でジェダイの騎士になるには、最後の試練として、父ベイダーとの対決は不可避であることも告げるのだった。ヨーダは静かに息を引き取り、その肉体はオビ=ワン・ケノービの時と同じく消滅した。その後ルークは、霊体として現れたオビ=ワン・ケノービから、ベイダーの正体が自身の父アナキン・スカイウォーカーであること、更にはアナキンすら知らない事実として、彼にはもう一人子供がおり、それがレイアでルークの双子の妹であることを知らされる。

一方、銀河帝国は森の惑星エンドアの軌道上に第2デス・スターの建造を進めており、最終段階視察のためにベイダー、更に銀河皇帝ダース・シディアス自らが来訪していた。その情報を入手した反乱同盟軍は、アクバー提督の下で全戦力をつぎ込んだ最後の反攻作戦を立案する。デス・スター攻撃隊長に志願したランド・カルリジアンに愛機ミレニアム・ファルコン号を貸したソロは、ルーク、レイアたちを加えた潜入部隊を率い、デス・スターを護るシールド発生施設の破壊のためエンドアへと向かう。

エンドアの森の中で、ソロたちは原住民イウォーク族と遭遇、彼らの協力を得ることに成功する。ベイダーの存在を感じたルークは単身帝国軍に投降し、再びベイダーと対面する。ルークはかつてのジェダイとしての魂を取り戻すように呼びかけるがベイダーは応じず、ルークを第2デス・スターにいる皇帝の下に連行する。やがて反乱軍の反攻作戦が開始されるが、ソロたち潜入部隊は待ち構えていた帝国軍に捕えられ、ランドら攻撃部隊はシールドとスター・デストロイヤー艦隊やTIEファイターの挟み撃ちに遭う。全ては皇帝の仕掛けた罠であった。絶望的な戦況の中、ルークは皇帝の眼前で、ベイダーとセーバーを交えながら必死にフォースの暗黒面に抵抗する。一方のソロたちも、イウォーク族の応援を得て反撃を開始する。攻撃隊を指揮するランドは、ソロがシールドを破壊してくれることを信じ、帝国軍艦隊を前に決死の総力戦を挑む。

激戦の果てに、潜入部隊はシールド発生施設の破壊に成功し、攻撃隊がデス・スター内部への突入を開始した。ルークはベイダーの説得を続けていたが、妹レイアの存在を悟ったベイダーは、彼女を暗黒面に引き込むと宣言し、ルークを挑発する。激情に駆られたルークは怒りのあまり、ベイダーの右腕を切り落としてしまう。皇帝はルークを褒めたたえ、ベイダーに止めを刺させようとするが、辛うじて平静を取り戻したルークは自らのライトセーバーを投げ捨て、暗黒面との決別を宣言する。ルークを見限った皇帝はフォースの電撃でルークを殺そうとするが、助けを求める息子の声を聞いたベイダーは「アナキン・スカイウォーカー」の心を取り戻し、皇帝を葬り去る。皇帝の電撃によってスーツの生命維持装置が破壊され、虫の息となったアナキンは、最期に素顔を晒して息子の顔を見た後、息を引き取った。

ランドたちの攻撃によって崩壊するデス・スターを地上から見上げるレイアはハンにルークが実の兄であることを伝える。エンドアのイウォーク族の村に集まった反乱軍による祝賀会を催される中、ルークはひとり森の中で父アナキンの遺体を荼毘に付す。霊体となったオビ=ワンとヨーダ、そしてアナキンが見守る中、ルークは無事レイアやハン・ソロと合流し喜びを分かち合うのだった。

キャスト

日本語吹替

地上波放送履歴

スタッフ

カメオ出演

  • チューバッカとイウォーク達に乗っ取られるマーカンド少佐役で、監督のリチャード・マーカンドが出演している[2]
  • エンドアのシールド発生装置バンカー内で、ハン・ソロに爆弾の入ったザックを投げつけられるデイアー大佐役で、サウンドデザインのベン・バートが出演している[要出典]

受賞歴

  • 第56回アカデミー賞
  • サターン賞
    • 受賞:最優秀主演男優賞、最優秀衣装賞、最優秀メイキャップ賞、最優秀SF映画賞、最優秀特殊効果賞
    • ノミネート:最優秀主演女優賞、最優秀監督賞、最優秀作曲賞、最優秀助演男優賞、最優秀脚本賞
  • BAFTA映画賞
    • 受賞:最優秀特殊視覚効果賞
    • ノミネート:最優秀メイキャップ賞、最優秀美術賞、最優秀録音賞
  • ヒューゴー賞
    • 受賞:最優秀映像部門賞

副題

ルーカスフィルムは当初、本作の副題を『Revenge of the Jedi』(『ジェダイの復讐』)と発表した。その後、パラマウント社が『スタートレック』シリーズの劇場版第2作の副題を『Vengeance of Khan』(『カーンの復讐』)と発表したため、ルーカスフィルムが副題が類似しているとパラマウント社に抗議し変更を求めた。対立の末パラマウント社が折れ、『スタートレック』の劇場版第2作は『The Wrath of Khan』(『スタートレックII カーンの逆襲』)に変更された[3][4]

しかし本作の公開直前になりジョージ・ルーカスが「高潔なジェダイの騎士に「復讐(リベンジ)」という言葉はそぐわない」と考えを改めた等の理由で『Return of the Jedi(『ジェダイの帰還』)』に変更した[3]

だが、日本ではすでに『ジェダイの復讐』名義の(宣伝ポスターなども含める)関連商品の生産がすでに充分に進んでおり、宣伝効果として同名義での認知度はすでに高く変更が間に合わない、また興行的成功を狙ったインパクトのある副題を求めたため[要出典]、そのまま『ジェダイの復讐』として1983年に公開され、1997年に公開された《特別篇》でも踏襲された[注 3]。2000年夏に日本で本シリーズのファンが改題署名運動を行ったが実現せず[要出典]、2004年の「スター・ウォーズ トリロジー DVD-BOX」の発売を機に、原題の直訳である『ジェダイの帰還』へ変更された。

逸話

  • 当初はスティーヴン・スピルバーグが監督を務める予定だった。しかし、前作『エピソード5/帝国の逆襲』でジョージ・ルーカスが全米監督協会と喧嘩別れしたため、監督協会に所属するスピルバーグは監督協会から本作の監督をしてはいけないという通達を受けため断念した。また、ルーカスはデヴィッド・リンチにもオファーしたが、こちらにも断られたため、リチャード・マーカンドに決定した[2]。また、前2作でプロデューサーを務めたゲイリー・カーツが降板したため、本作のみハワード・カザンシャンが務めている。
  • 本作でもネタバレ対策が厳重にとられ、屋外ロケでは「ブルー・ハーヴェスト」という架空の作品のタイトルを偽装して、内容が漏洩しないように努めた。
  • 本作の後半では、当初惑星キャッシークが舞台でウーキー族が大活躍して反乱軍と共に帝国軍を破滅に追い込む予定だったが、惑星エンドアが舞台でイウォーク族が大活躍して反乱軍と共に帝国軍を破滅に追い込む設定に変更された[2]
  • ソロ役のハリソン・フォードは、本作でソロが死亡することを希望し、脚本家のローレンス・カスダンも乗り気だったが、ルーカスが許さなかったため実現しなかった[5]
  • 本作のR2-D2は大半のシーンでリモコン操作になったため、キャストのケニー・ベイカーはイウォークのウィケットを演じる予定であったが、撮影日の朝に食中毒にかかり入院したため、同じ小人症の男性であったワーウィック・デイヴィスが代役となった。デイヴィスは当時演技未経験であったが、以降のスター・ウォーズ作品でも常連としてたびたび出演している。
  • 特別編では、ランコアの穴蔵に落とされたトワイレックの踊り子ウーラのシーンが追加されている。このシーンは特別編公開に際し、新たに撮影されたものだが、演じているのはオリジナル版と同じフェミ・テイラーである[6]

脚注

注釈

  1. ^ 断末魔のみ吹き替えている。
  2. ^ この回以降は特別篇。
  3. ^ 本作の劇場版パンフレットでは、表紙及び冊子内の解説の英語部分は『Return of the Jedi』だが、日本語部分は『ジェダイの復讐』と記載されており、復刻版でも同様である。

出典

外部リンク