国鉄タサ5200形貨車 – Wikipedia

国鉄タサ5200形貨車(こくてつタサ5200がたかしゃ)は、かつて日本国有鉄道(国鉄)に在籍した私有貨車(タンク車)である。

本形式は、酢酸専用の20t 積タンク車として1960年(昭和35年)1月22日から1965年(昭和40年)12月4日にかけて3ロット5両(タサ5200 – タサ5204)が、日立製作所、富士重工業の2社で製作された。

落成時の所有者は、昭和電工、電気化学工業の2社であり、夫々の常備駅は、磐越西線の鹿瀬駅、北陸本線の青海駅であった。

昭和電工所有車2両(タサ5200 – タサ5201)は、1966年(昭和41年)1月25日に徳山石油化学へ名義変更された。

電気化学工業所有車の内2両(タサ5202 – タサ5203)は、1973年(昭和48年)3月17日にチッソへ名義変更され、常備駅は水俣駅へ移動した。

記号番号表記は、特殊標記符号「コ」(全長 12 m 以下)を冠し、「タサ」と標記された。

タンク体材質は、全車ステンレス鋼製であり外板(キセ)、加熱管を装備し、荷役方式は全車ともマンホールからの上入れ、空気管と液出管を用いた空気圧による上出し方式である。

1979年(昭和54年)10月より化成品分類番号「燃侵38」(燃焼性の物質、侵食性の物質、引火性液体、腐食性のあるもの)が標記された。

全長は8,900mm – 10,400mm、全幅は2,500mm、全高は3,826mm、軸距は4,800mm – 6,300mm、自重は16.0t – 16.9t、換算両数は積車3.5、空車1.8である。

1985年(昭和60年)8月10日に最後まで在籍した1両(タサ5204)が廃車となり形式消滅した。

年度別製造数[編集]

各年度による製造会社と両数、所有者は次のとおりである。(所有者は落成時の社名)

  • 昭和34年度 – 2両
    • 日立製作所 2両 昭和電工(タサ5200 – タサ5201)
  • 昭和39年度 – 2両
    • 富士重工業 2両 電気化学工業(タサ5202 – タサ5203)
  • 昭和40年度 – 1両
    • 富士重工業 1両 電気化学工業(タサ5204)

参考文献[編集]

  • 植松昌「酢酸・無水酢酸タンク車」、『鉄道ピクトリアル』 No. 606、1995年6月
  • 吉岡心平 『プロフェッサー吉岡の私有貨車図鑑(復刻増補)』 2008年、ネコ・パブリッシング刊 ISBN 978-4-7770-0583-3
  • 『日本の貨車-技術発達史-』(貨車技術発達史編纂委員会編著、社団法人 日本鉄道車輌工業会刊、2008年)

関連項目[編集]