日本の郷土料理一覧 – Wikipedia

料理名 別名 発祥時期 地域 料理概要 出典 備考 三輪素麺 – 奈良時代 – 1200年以上前に、大神神社の祭神大物主命の子孫狭井穀主が初めて作ったという伝説を持ち、全国の素麺の起源である。江戸時代の『日本山海名物図絵』で「大和三輪素麺、名物なり、細きこと糸の如く、白きこと雪の如し、ゆでてふとらず、余国より出づるそうめんの及ぶ所にあらず」と称えられた。 [169][170] – 柿の葉寿司 – 江戸時代中期 吉野川流域、奈良盆地南部 熊野から運ばれた塩鯖を薄くそぎ切りにし、酢飯に乗せて柿の葉で包み、押して寝かせた寿司。6月から10月にかけてハレの日に家ごとに作られるごちそう。関西人の家庭には一家に一台たこ焼き器があるのと同様に、吉野びとの家庭には一家に一つ柿の葉寿司用の木桶があると言われる。 [169][171][2][4] – 奈良茶飯 豆入り茶飯 奈良時代 – ほうじ茶に炒り大豆を入れて塩味で炊いた飯で、東大寺や興福寺の僧坊で食されていたのが由来。 [171][2][172][173] – 奈良漬け – 奈良時代 – 平城京跡地から「粕漬瓜」と記された木簡が発掘されている。銘醸地奈良の南都諸白から生まれる質のよい酒粕からつくられた粕漬けが名物となり、「奈良漬け」の名が全国に広まった。 [169][2][172] – 飛鳥鍋 飛鳥汁 飛鳥時代 – 鶏肉を牛乳で煮込む鍋。 [171][172][174] – にゅうめん – – – 温かい出汁で食べる素麺。 [171][2][172][173] – 大和の茶粥 おかいさん 奈良時代 – 東大寺修二会の練行衆が、行の後の就寝前にとる夜食「ごぼ」が起源。「大和の茶粥、京の白粥、河内の泥喰い」と言い、ほうじ茶で炊いたさらっとした粥である。 [171][172][173] – 猪鍋 ぼたん鍋、山おやじ鍋 – 山間部 猪肉に大根、にんじん、ごぼうのささがき、ねぎ、生姜を入れ、味噌で煮込む。 [171][175][176] – 鮎寿司 釣瓶寿司 平安時代 吉野川流域 歌舞伎『義経千本桜』に描かれている。『和漢三才図会』には「大和国土産」として「鰷鮓(あゆのすし)吉野」と記されている。 [169][177] – 朴の葉寿司 – – 吉野郡 柿の葉寿司と同様に作られるが、一つが大きく、葉を巻いたまま包丁で切り分けて食べる。 [171][170] – 大福茶 – 江戸時代 – 梅干しと昆布を入れたお茶。正月の縁起物。 [178][170] – きな粉雑煮 大和の雑煮 室町時代 – 餅を雑煮から取り出し、きな粉と絡めて食べる。『多聞院日記』に「初献雑煮 二献豆の粉」の記述が見える。 [171][170][179] – ひなご 田作り、ごまめ – – カタクチイワシの幼魚を乾燥させたもの。奈良県では「ひなご」と呼び、おせち料理に欠かせない。 [2][170] – たたきごぼう ごぼうのはりはり 室町時代 – ごぼうを茹で、ごま醤油またはごま酢で味を付ける。おせち料理の三つ肴の一つ。『多聞院日記』の1478年正月に「タヽキ牛房」の記述が見える。 [170][169][179] – 柿なます 水引きなます – – 大根とニンジンの紅白なますに干し柿を刻んで入れたおせちの定番のひとつ。 [171][170][169][176] – めごんぼ – – – ごぼうを輪切りにしてあらめと炊いたもの。 [2][170] – 赤えいの煮凝り – – 奈良盆地、東部山間 春日若宮おん祭のごちそうや、おせち料理として食べる。 [169][170][180] – さいら寿司 さんま寿司、さえれ寿司 – 吉野郡十津川村 熊野の背開きにした塩秋刀魚で作る姿寿司。正月のごちそう。 [4][175][180][176] – 狸汁 – 江戸時代 – 興福寺宝蔵院の僧胤栄が創始した宝蔵院流槍術の稽古始めにふるまわれる蒟蒻を使った精進料理。奈良奉行川路聖謨の『寧府紀事』に「宝蔵院は昨日稽古はじめなるに古格にて狸汁を食するよし也 いにしへは真の狸にて稽古場に精進はなかりしが今はこんにゃく汁を狸汁とてくはするよし也」と記されている。 [181][182][176] – 小豆粥 ささげ粥、十夜粥 江戸時代 – 小豆またはささげ入りの粥。小正月のとんど、粥占いの神事、お盆(ささげ粥)、十夜法要(小豆粥またはささげ粥)に食べる。 [176] – 大和まなの煮浸し 菜っ葉とお揚げさんの炊いたん – – 大和まなと薄揚げを醤油味で炊いたおかず。寒の入りに食べる風習がある。 [169][171] – ミズナの辛子和え – – – ミズナを湯がいて辛子で和えたおかず。節分に食べる風習がある。 [169][183] – 酢こんにゃく – – – 男の子の砂おろしと言われ、節分や大晦日など年越しに食べる。 [170][183] – 粕汁 – – – 大根、にんじん、こんにゃく、油揚げなどの具を昆布と椎茸の出汁で煮て、酒粕と味噌などで味を付けた汁。奈良市内の社寺の祭礼などで振る舞いや賄いとして作られることも多い。 [180] – よもぎの餡付け餅 – – – ヨモギのあんころ餅。農家の春休み「れんぞ」に作って食べる。 [175][169][170][184] – さぶらきご飯 ふき俵 – 東山中 炒り大豆とうるち米を炊き、おむすびにして熱いうちに蕗の葉で包む。田植え始めのお供えであり弁当になる。 [175][170][176] – そらまめご飯 – – 東山中 田植えが終わるとそらまめご飯を炊いて豊作を祈る。 [176] – 小麦餅 半夏生餅、さなぶり餅 室町時代 奈良盆地 田植えが終わった半夏生(7月2日頃)に、小麦ともち米を同量で搗き、きな粉をつけて食べる。 [169][172][184][176] – 七色のお和え – – 奈良盆地 お盆のお供え料理の一つで、その時期に家でとれた初ものの茄子、南瓜、里芋、椎茸、三度豆、ごぼう、大根葉、にんじん、茗荷、ずいき、ささげなどの中から七品の野菜を選び、自家製の味噌とごまで和えて作り、お下がりをいただく。 [171][175][169][170][176] – ささげご飯 – – – お盆や出産のお祝いに食べる風習がある。赤いささげ豆とうるち米で炊いたご飯で、見た目は赤飯だがあっさりと食べられる。 [185][176] – 刺し鯖 – 江戸時代 奈良盆地、大和高原 2匹の塩鯖を背開きにし、1匹の頭をもう1匹のえらに挿して連ねたお盆のお供え。 [175][180] – にしんとなすびの炊いたん – – – 茄子と身欠き鰊を味噌味で炊いたおかず。旧暦の八朔に食べられた。 [175][170][176] – かしわのすき焼き – – – 大和かしわのすき焼き。秋祭りのごちそう。 [171] – 鯖寿司 – 江戸時代中期 奈良盆地、大和高原 きつく握った酢飯の上に三枚におろした塩鯖を乗せ、竹の皮で包んで重しを乗せる。秋祭りのごちそう。『和漢三才図会』には「大和国土産」として「鯖鮓(さばのすし)今井」(現橿原市今井町)と記されている。 [175][180][177] – えその塩焼き – 江戸時代 奈良盆地 秋祭りのごちそう。奈良盆地の秋祭りは別名「えそ祭」とも呼ばれる。 [169][170][180] – 柿の白和え – 江戸時代 – 1823年(文政6年)に山辺郡乙木村(現天理市乙木町)の大百姓山本喜三郎が記した古文書『山本家百姓一切有近道』に「かきの白和え」を秋祭りに食べたことが記されている。 [172][186][176] – くるみ餅 亥の子餅 – 北部 一晩水に漬けて大豆をすりつぶし砂糖を加えて煮た餡で搗きたての餅をくるむ。亥の子の日に作る。 [175][169][170] – いもぼた 亥の子のぼた餅 – 中・南部 里芋ともち米を搗き込んだぼた餅。亥の子の日に作る。 [175][170][172][184] – のっぺ 奈良のっぺ、ごんざ 平安時代 – 厚揚げ、大根、人参、里芋、こんにゃくを出汁で炊き、塩と醤油で味をつけたもの。12月17日の春日大社若宮おん祭のごちそう。奈良盆地の農村では秋祭りに「ごんざ」と呼ばれる同様の煮物を食べる[176]。また、十夜法要には「ごんざ」とともに「十夜粥」と呼ばれる小豆またはささげの粥を食べる。 [169][172][171][173] – えい肝のおから えい肝のきらず – 奈良盆地 赤エイの肝で味をつけておからを炊いたおかず。 [187] – 小豆と南瓜のいとこ煮 小豆と南瓜のいとこねり – – 小豆と南瓜を炊いて醤油で味をつけたもの。宇陀郡御杖村では煮たものをすりつぶし、甘味をつけて「いとこねり」にする[188]。冬至に食べる。 [170] – 鴨のにうめん – 江戸時代 – 鴨肉入りのにゅうめん。奈良奉行川路聖謨が与力たちに振る舞ったことが『寧府紀事』に記されている。 [189][190] – 田楽 – 室町時代 – 串に刺した里芋、こんにゃく、茄子など、四季折々の野菜に味噌を塗り、農家の囲炉裏端で焼いた料理。大晦日には豆腐の田楽「おおつごもり田楽」を食べる。 [170][171] – しんこ しんこ団子、しんこ餅 奈良時代 奈良盆地北部 索餅の流れをくみ、米粉を練って作った団子餅を縄状のねじった形にしたもの。婚礼、祭礼、出産祝い、仏事に供えられ、お下がりが配られる。作りたては砂糖を付けて、時間がたったものは焼いて醤油を付けたり、吸い物に入れたりして食べる。 [175][169][191][192][176] – こんごり こうごり餅、こんぐり餅、子福利餅 江戸時代 – 粗く砕いた大豆と、糯米・米粉をあわせ、男児の祝いの意を込めて作った伝統的な大和の餅菓子。 [175][193] – 挽き茶 – – 橿原市中曽司町 自家製の日干番茶を茶臼で挽き、湯に少量の塩を加え、茶筅で泡立てるように混ぜて、「キリコ」と呼ぶあられを浮かべて食べる。お寺での集会や来客時の接待として出された。「茶の子」と呼ばれる煮物と一緒に供されるのが決まりであるという。 [194][195] – ならあえ – – 奈良盆地 急な仏事のもてなし料理として、保存しておいた乾物と手近な材料のにんじん、こんにゃく、うす揚げなどに下味をつけ、奈良漬けと和えた精進料理。 [196] – 飴湯 – – – 水飴を湯で溶かし、生姜の搾り汁を加えた飲み物。奈良市内には冬場の縁日に飴湯の振る舞いをする商店街が多い。 [197] – 鮎の旨煮 – – – – [169][172][173] – めはりずし とう菜ずし、高菜ずし、芭蕉菜ずし – 吉野郡南部 高菜の塩漬けで包んだ握り飯。 [169][171][172][176] – 胡麻豆腐 – – – – [169][172][173] – 素麺の味噌汁 – – – 南瓜や茄子の味噌汁に素麺を入れたもの。 [169] – おみい おみ – – 野菜と素麺入りの味噌雑炊。 [169][198][184] – きりこ茶漬け – – – 素焼きの小粒あられを奈良県では「きりこ」と呼ぶ。きりこを茶漬けに浮かべてふやかして食べる。茶粥やうどん、お茶などでもする。 [199][175] – ちしゃと筍の木の芽和え – – – 大和では「ちしゃとたけのこはあいくち(相性がよい)」と言う。ごま味噌和えや白和えにもする[176][175][184] – 生節の炊いたん – 奈良時代 – 平城京跡から「荒カツオ」と記された木簡が出土している。海が遠く初がつおを味わえなかった頃の大和では、なまり節を季節野菜(たけのこ、ふき、ねぎ、きぬさや)や焼き豆腐と煮物にしたり、粗くほぐして大根おろしと共に生姜醤油で賞味した。 [200][184][169] – 唐辛子とちりめんじゃこの炊いたん – – – ひもとうがらしとちりめんじゃこを炒めて醤油味で炊いたおかず。紫とうがらしやシシトウ、ピーマンなどでも作る。 [184] – かみなり茄子 – – – 茄子を油でいためて味噌味を付けたおかず。炒めるときの音が雷に似ているので。 [169] – 高野粉の煮物 – – 大和高原 大和高原の寒冷な気候を利用して作られていた高野豆腐を切り分ける時に出る粉を無駄にせず、野菜と一緒に出汁で炊いたおかず。 [176] – 干し柿の天ぷら – – – 干し柿のへたと種を取り除き、天ぷらにしたもの。 [176][201] – 生姜の佃煮 – – 明日香村 ショウガの産地高市郡明日香村で受け継がれてきた家庭の味。 [202] – 山芋のおとし汁 – – – 粘り気の強い大和いもをすりおろし、出し汁に落として固めた吸い物。 [176] – しきしき しきしき焼き、じゅん焼き – – 水溶きの小麦粉を鉄板で焼いたおやつ。餡や刻み葱と鰹節など具を巻いて食べることもある。 [175][180][172][184] – ケンペ焼 – – 桜井市三輪 水で戻した素麺の「ふし」を練って薄焼きにし、味噌を塗ったおやつ。 [203][170] – どや餅 – – – 糯米と粳米を一緒に蒸してついたもので、粳米はつぶれずに残るので、表面に米の粒々が見え、ブツブツとした食感があって、普通の餅より歯切れが良い。 [170][204] – わらび餅 きんごろう[176] 奈良時代 – ワラビの根から作られるわらび粉を使って作られる和菓子。奈良はわらび餅の原料であるわらび粉の名産地であった。醍醐天皇の好物だったと言われる。 [169][172][205] – 葛餅 – 江戸時代中期 – 特産の吉野葛を使って作る和菓子。水で溶いた葛粉に砂糖を加えて火にかけ、透明感が出るまでよく練り、黒蜜やきな粉を掛けて食べる。 [206] – いもぼた いもおはぎ、いもにじり – 吉野郡天川村 塩茹でしたじゃがいもとご飯を粗くにじり潰し、丸餅状にして焼いたおやつ。 [207][208] – 大和のつるし柿 – 奈良時代 – 正倉院文書や東大寺文書に「干柿」「串柿」の文字が多数現れる。「味は大和のつるし柿」ということわざは、大和のつるし柿が他の産地のものに比べて特に味が良いことから、質が飛び切り上等であることの例えとして使われる。 [169][172][173] – 葛切り – – – – [209] – ゆべし – – 吉野郡十津川村 – [169][176]