法曹会 – Wikipedia

一般財団法人法曹会(ほうそうかい)は、法律の調査研究および法律実務の進歩発展を目的とする機関である。

法務省、最高検察庁、弁護士会館、東京高等・地方・簡易裁判所合同庁舎などと同じ区画(霞が関1-1)に位置する法曹会館に入居している。

役員には幹部裁判官、幹部検察官、弁護士など現役の法曹三者が名を連ねる[1]が、組織としてはあくまで民間団体である。また、役員は原則無報酬である(定款第26条)。

最高裁判所の公式の判例集である民集および刑集に掲載された判例については、事件を担当した最高裁判所調査官が解説を執筆し、法曹会の発行する月刊誌「法曹時報」に「最高裁判所判例解説」として掲載されることが慣例になっている[2]。これを「調査官解説」とも呼ぶ。

その他にも、司法研修所や法務総合研究所が編纂した要件事実、刑事事実認定等の教材を数多く出版しており、法曹会の出版物は法科大学院生、司法修習生などに広く利用されている。

法曹会決議『大東亜戦争の為応召したるものの復権に関する件』、1943年。
  • 1891年(明治24年)9月 – 法律研究の任意団体として発足。月報の論文誌『法曹記事』刊行開始。法規の適用方法を「本会の決議」とした記事なども掲載。
  • 1908年(明治41年)12月 – 財団法人に改組。会員種別には司法部内準会員、司法部外準会員などの別があった。
  • 1923年(大正12年)4月 – 月報を『法曹会雑誌』(1巻1号)と改題して新たに刊行開始(会長は平沼騏一郎)。「本会の決議」は「法曹会決議」と改題され、大審院判決集にも収録されるようになった。会費は値上げ。この当時の住所は東京市麹町区西日比谷町1。
  • 1936年(昭和11年) – 現在の法曹会館が竣工。設計者は三菱地所の藤村朗。
  • 1949年(昭和24年)4月 – 月報を『法曹時報』と改題し、新たに刊行会誌。
  • 1950年(昭和25年)2月 – 『法曹時報』に「法曹会決議」が復活。
  • 2013年(平成25年)1月 – 一般財団法人へ移行。

2013年に財団法人となったときの代表理事はいずれも元最高裁判所勤務の裁判官島田仁郎(会長)、永野厚郎[1]

法曹会館[編集]

東京都千代田区霞が関1-1-1に所在し、法曹会が管理する社交場である。

法曹会が発行する書籍の販売所のほか、レストランや催事場があり、一般の利用者でも結婚式や宴会の開催が可能である[3]

定期刊行物[編集]

歴代会長[編集]

大日本帝国憲法下 1908年に寄附行為(現在の定款に相当するもの)が規定されてからは、会長には大審院院長、副会長には検事総長があてられた[4]

日本国憲法下 会長には最高裁判所長官、副会長には検事総長があてられた。2008年ごろからは会長・副会長は理事会が選定する方式になり、以来は会長は元最高裁判所長官の竹崎博允、副会長は元検事総長となっている(2017年現在)[5]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]