能代ショッピングセンター – Wikipedia

能代ショッピングセンター(のしろショッピングセンター)は、秋田県能代市柳町にあるショッピングセンター。区分所有に基づきイオン東北と北都銀行がそれぞれ管理・運営をしている。

1981年(昭和56年)、秋田市に本社を置く秋木工業の関連会社である秋木事業がイトーヨーカドーを核店舗とする「秋木能代ショッピングセンター」の出店構想を明らかにする(しかし、秋木工業は1982年11月に倒産。SCも結局開業に至らず)。

それに危機感を抱いた地元柳町商店街の事業者らが、ジャスコ(現:イオン)を誘致し、落合地区に移転した山本組合総合病院跡地と「羽後銀行能代支店」敷地ほかを再開発してSCを建設するべく、1986年(昭和61年)10月、ジャスコと能代市柳町商店街振興組合などの出資によって能代中央都市開発を設立。1990年(平成2年)12月18日、「能代ショッピングセンター」をオープンさせた。建物は能代中央都市開発と羽後銀行が区分所有し、能代中央都市開発はジャスコと賃貸契約を結び「ジャスコ能代店」、羽後銀行は「羽後銀行能代支店」を開設した。3階にはイオンリテール直営の「イオンファミリーシアター能代」(旧:ジャスコファミリーシアター能代)があり、現在市内では唯一の映画館となっている。1スクリーン100席と小規模であるが、東宝作品を中心に上映している。また、能代SCはジャスコメンテナンス(現在のイオンディライト)が秋田で初めて設備管理を受注した商業施設でもある。

事業主体だった能代中央都市開発は、2006年(平成18年)11月にイオンの経営合理化により資産をイオンに譲渡し会社を解散。2008年(平成20年)8月のイオンの純粋持株会社への移行に伴い、資産はイオンリテールに移管された。

ジャスコ時代のショッピングセンター外観
  • 1986年(昭和61年)10月29日 – 「能代中央都市開発」設立[1]
  • 1990年(平成2年)12月18日 – 「能代ショッピングセンター」オープン[2]
  • 1993年(平成5年)4月1日 – 会社合併に伴い、「羽後銀行能代支店」から「北都銀行能代支店」に改称。
  • 2006年(平成18年)11月21日 – 能代中央都市開発の資産をイオンに譲渡。
  • 2011年(平成23年)3月1日 – 「ジャスコ能代店」を「イオン能代店」に改称。
  • 2013年(平成25年)5月18日 – イオンファミリーシアター能代がフィルム上映からデジタル上映へと移行[3]
  • 2020年(令和2年)
    • 3月1日 – イオン東北株式会社発足に伴い、店舗の管理・運営および食品売場をイオン東北に移管。
    • 3月23日 – 北都銀行二ツ井支店を同能代支店内に統合。
    • 5月25日 – 北都銀行能代駅前支店を同能代支店内に統合。いずれもブランチインブランチ方式によるもので、従前の支店名・支店番号等は存置される[4]
  • 2021年(令和3年)9月1日 – イオン東北とイオンリテール東北事業本部の統合に伴い、各売場をイオン東北に移管[5][6]

イオン能代店[編集]

  • 3階:レストランとレジャーのフロア
  • 2階:ファッションのフロア
  • 1階:食品と暮らしのフロア

専門店[編集]

  • 3階
    • イオンファミリーシアター能代
    • ジャスコホール
    • 能代市市民サービスセンター
    • レストラン
    • モーリーファンタジー
    • Salon de LaMeLu
    • ATMコーナー

北都銀行[編集]

新店構想[編集]

イオンモールは同市鰄渕の秋田自動車道能代東ICと国道7号に面した田んぼに「イオン新能代ショッピングセンター(仮称)」の進出計画を立てた。当初計画では、開発面積約95,000m2、店舗面積約35,000m2、専門店は約100店ならびに駐車場は2500台分設置するとした[7]

進出予定地は市によって農業振興地域に指定されているため、2005年(平成17年)にイオンは市に指定解除を申請した。だが当時の豊澤有兄市長は「中心市街地の活性化につながらない」として申請を却下した。しかし、翌年4月に市が隣接する山本郡二ツ井町と新設合併したことで実施された市長選で豊澤を破り初当選した斉藤滋宣は、「消費者の期待感」があるとして、話し合いに応じるスタンスを表明した。これを踏まえイオンは11月に2度目の解除申請を提出。2007年(平成19年)明けには、斉藤市長が商工会議所や市民団体、地元住民などと話し合いの場を持った。だが、地元商業関係者は進出に不安の声を上げていたほか、当時の能代商工会議所会頭は進出に反対していた[7]

このイオン進出を巡っては、賛成、反対の両派が入り乱れ、市を二分する騒動に発展した。2008年(平成20年)1月22日、進出に反対する「能代まちづくり会議」が出店の賛否を問う住民投票条例制定を求め、直接請求に必要な有権者を大幅に上回る4226人分の有効署名と条例案を市に提出した。これを受け、市は条例案を提出する市議会臨時会を招集。2月6日に条例案は臨時会に提出され、負託された条例審査特別委員会では5時間半に及ぶ激論の末、反対6、賛成5で住民投票条例案を否決[8]。翌日開催の市議会臨時会では同特別委員会から付託された議案を否決したと報告があり、討論を経て、住民投票条例案を、賛成11、反対16の反対多数で否決した。これによって市は中断していた農振解除手続きを再開。県と本協議に入り、県が2月20日付で同意したことから翌21日に市が公告し農振解除は決定した[9]

解除決定を受け、イオンは出店実現に向けて手続きを始め、2013年(平成25年)度にイオン新能代SC(仮称)を開業させたいとした。しかし、東日本大震災が発生。開業は2015年(平成27年)に延期された。さらに2014年(平成26年)末、イオンが資材費高騰や用地確保が難しくなったため、開業を2017年(平成29年)以降に先延ばしたいと市に申し出たことが明らかとなった。この事態が伝わると地元経済界では「撤退するのでは」との憶測も囁かれた[10]

2017年8月21日、市は市議会全員協議会でイオンから示されたイオン新能代SC(仮称)ついて、店舗面積は22,800m2、建物は平屋建てに変更となり、当初計画にはなかったホームセンターを併設するなどの計画の概要を説明し[11][12]、次いで8月28日付で、イオンは市にイオン新能代SC(仮称)の開発行為許可申請を提出した。これを受け、斉藤市長は「正直言って10年かかるとは思っていなかった。ようやくここまで来た」と述べた[13]

2021年春にも開業へ[編集]

イオンモールは、元々、水田で軟弱地盤だったイオン新能代SC建設地に盛り土を行い、地盤沈下が収まるのを待っていたが、収束しつつあるため、造成工事を2020年(令和2年)春から本格化させ、翌年春の開業を目指していることを明らかにした[14]

ついに建築着手へ[編集]

2020年6月、イオンモールは新能代SCについて、11月建築工事に着手、来年11月完成の来年12月オープンを目指していることを明らかにした[15]。また間取りも見直し、建築面積を従来案より2%削減、当初別棟にてオープンを計画していたホームセンターを本館と一体化させることも同時に明らかにした。

続いて9月初めに斉藤市長が、イオン側から「この秋に大規模小売店舗立地法(大店立地法)に基づく届け出等を行う予定で、3年秋ごろの開店を目指して準備を進めている」と報告を受けたことを明らかにした[16]。イオン側は工事が順調に進んでいるためとしている。

イオンモールからイオンタウンに[編集]

2021年(令和3年)7月から9月にかけて、イオンが建設中の「イオン新能代ショッピングセンター(仮称)」の正式名称が「イオンタウン能代」となり、運営会社に関してはイオンタウンに変更されたことが地元紙や様々なブログ、SNS等で明らかになった。変更に関しての公式発表はないため、詳細は不明だが、店舗面積の削減とそれに伴うテナント数の削減が影響していると考えられる[17]

11月22日、イオンタウンとイオン東北は「イオンタウン能代」に関しての詳細な情報を発表した[18]。主な情報は以下の通りである。

  • オープン日は11月27日(土)午前9時
  • 核店舗はイオンスタイル能代東
  • (イオンスタイルを含む)32の専門店
  • 秋田県内初出店は9店舗
  • エリア最大級の約1600台の駐車場

なお、イオンタウンの公式サイトには「テナント募集中」と記載があったため、今後店舗数は増えるとみられる。また、既にある能代ショッピングセンターに関しての発表は無かった。

出典[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]