ククイ – Wikipedia

殻を剥く前と剥いた後の果実

ククイ (ハワイ語: kukui) あるいはククイノキ[2][3]は、トウダイグサ科の樹木である。学名 Aleurites moluccanusキャンドルナット[3](英語: candlenut)、クミリ (インドネシア語: kemiri)、トゥイトゥイ (タヒチ語・トンガ語 tuitui)とも呼ばれる。

原産地は東南アジア。人間によって広まり、太平洋諸島を始め、熱帯地域に広く分布する。Rivers, Barstow & Mark (2017) によればインド(アッサム州)、インドネシア(カリマンタン島、ジャワ島、スラウェシ島)、カンボジア、スリランカ、タイ、台湾、中華人民共和国(広東省、広西チワン族自治区、海南省、河南省、湖北省、江蘇省、江西省、上海市、四川省、雲南省、浙江省、福建省、重慶市、安徽省)、パプアニューギニア、フィリピン、ベトナム、マレーシア(サバ州、サラワク州、マレー半島部)、ミャンマー(本土)、ウォリス・フツナ、オーストラリア(クイーンズランド州)、パプアニューギニアに自生し、バングラデシュ、クック諸島、クリスマス島、ニューカレドニア、ニュージーランド(ケルマデック諸島)、ピトケアン諸島、フィジー、仏領ポリネシア、ジンバブエ、スワジランド、マダガスカル、モザンビーク、ルワンダ、アメリカ合衆国(ハワイ諸島、フロリダ州)、キューバ、キュラソー島、ケイマン諸島、ドミニカ共和国、ハイチ、バハマ、プエルトリコ、ベリーズ、アルゼンチン、パラグアイにも移入されたものが見られる。

樹高10-20メートルの落葉樹。樹冠は不規則で白っぽい[3]

樹皮はざらつき、皮目がある[3]

葉は互生で螺旋状につき、卵形で深緑色である[3]

花は緑白色、雌雄同株、円錐花序が頂生し[3]、小さい五弁花をつける。

果実は堅果で3-6個が集まり薄緑色から黄緑色[3]、直径5センチメートルほどで丸い。種子は油に富み、50%以上が脂肪分である。

種子を調味料としたり、そのまま食材としたりする。

ハワイでは、炒った種子に塩を加えてイナモナという調味料を作る[4]

油はニス、シャンプー、接着剤などさまざまな成品の原料となる。現在は儀礼用などに限られるが、脂肪分が多いためかつては灯火としても使われ、英語名キャンドルナッツの元となった[5]

樹皮からは赤色の染料が取れる。

シンボル[編集]

1923年、モロカイ島の木に指定された。

1959年、ハワイ州の木に指定された[6]

  1. ^ Rivers, Barstow & Mark (2017).
  2. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-).「BG Plants 和名-学名インデックス」(YList),http://ylist.info (2018年12月9日).
  3. ^ a b c d e f g リズデイルら (2007).
  4. ^ 「世界の食用植物文化図鑑」p234 バーバラ・サンティッチ、ジェフ・ブライアント著 山本紀夫監訳 柊風舎 2010年1月20日第1刷
  5. ^ 「ナッツの歴史」p136 ケン・アルバーラ著 田口未和訳 原書房 2016年8月27日第1刷
  6. ^ Kukui or Candlenut tree is the Hawaii State Tree

参考文献[編集]

英語:

日本語:

  • コリン・リズデイル、ジョン・ホワイト、キャロル・アッシャー 著、杉山明子、清水晶子 訳『知の遊びコレクション 樹木』新樹社、2007年、177頁。

    978-4-7875-8556-1