輪廻 (アルバム) – Wikipedia

輪廻』(原題:Something Magic)は、イギリスのプログレッシブ・ロック・バンド、プロコル・ハルムが1977年に発表した9作目のスタジオ・アルバム。バンドは本作のプロモーション・ツアーを最後に一度解散した[6]

1976年にアラン・カートライトがバンドを脱退し、ベース・パートはクリス・コッピングが引き継いで、ピート・ソリーが新たなキーボード奏者として加入した[7]

本作で共同プロデューサーを務めたロン・アルバートとハワード・アルバートの兄弟は、過去にスティーヴン・スティルス、カーヴド・エア、クリス・ヒルマン、ウィッシュボーン・アッシュ等の作品を手掛けてきた[8][9]。バンドが本作のために用意した曲の約半分はアルバート兄弟により却下され、ゲイリー・ブルッカーはその穴埋めとして、キース・リードが以前書いた詩を元に、LPのB面を占める組曲「小さな虫と無言の樹の物語」を作った[6]。本作のオリジナルLPは見開きジャケットとなり、内側に「小さな虫と無言の樹の物語」の詩の全内容が掲載された。

なお、後のリマスターCDにボーナス・トラックとして収録された「ユード・ベター・ウェイト」と「ディス・オールド・ドッグ」は、アルバート兄弟に却下された曲の未発表ライヴ音源である[6]

アメリカのBillboard 200では147位に終わり、プロコル・ハルムのスタジオ・アルバムとしては初めて全米トップ100入りを逃す結果となった[5]。一方、オランダ[2]及びノルウェー[3]のアルバム・チャートでは、いずれも3週連続でトップ20入りした。

特記なき楽曲は作詞がキース・リード、作曲がゲイリー・ブルッカーによる。

  1. 魔法を呼ぶ嵐 “Something Magic” – 3:36
  2. 薄氷の上を “Skating on Thin Ice” – 4:49
  3. ウィザード・マン “Wizard Man” – 2:41
  4. 妖婦(サイレン)の爪あと “The Mark of the Claw” – 4:39
  5. 時の探訪者 “Strangers in Space” – 6:08
  6. 小さな虫と無言の樹の物語:イントロダクション、小さな虫の侵入そして脅威 “The Worm & the Tree Part One” – 7:50
    • a “Introduction”
    • b “Menace”
    • c “Occupation”
  7. 小さな虫と無言の樹の物語:樹の衰弱そして戦い “The Worm & the Tree Part Two” – 5:29
    • a “Enervation”
    • b “Expectancy”
    • c “Battle”
  8. 小さな虫と無言の樹の物語:新しい生命の芽ばえ、エピローグ “The Worm & the Tree Part Three” – 5:20
    • a “Regeneration”
    • b “Epilogue”

2009年リマスターCDボーナス・トラック[編集]

  1. バックギャモン “Backgammon” – 3:23
    • 作曲:ゲイリー・ブルッカー
  2. ユード・ベター・ウェイト[ライヴ] “You’d Better Wait” – 4:44
  3. ディス・オールド・ロック[ライヴ] “This Old Dog” – 3:41

参加ミュージシャン[編集]