新千歳空港シアター – Wikipedia

新千歳空港シアター(しんちとせくうこうシアター、英語: NEW CHITOSE AIRPORT THEATER)は、北海道千歳市の新千歳空港にある映画館。旧名称「じゃがポックルシアター」(英語: Jaga Pokkulu Theater)、「ソラシネマちとせ」(英語: SORA CINEMA CHITOSE)。

新千歳空港国内線ターミナルビルの増築・改修に伴いオープンした施設の1つであり[3]、日本国内初の「空港内の映画館」である。運営・経営は北海道空港のグループ会社である「株式会社えんれいしゃ」が行っている。

3スクリーンを有し、総座席数は377席ある。開館当初からデジタル上映に対応している他、北海道内初となるQSC製4WAYスピーカー(全スクリーン)、コトブキ製両肘付席(一般席)を導入した。

スクリーン詳細
シアターNo. 座席数(車椅子席含む) 備考
1 231 35mm映写機併用
2 73 35mm映写機併用
3 73

千歳市と映画館[編集]

かつて千歳市には1940年(昭和15年)開館の「千歳座」[4] を皮切りに「友楽映画劇場」「オリオン座」「公楽映画劇場」といった映画館が存在していた[注 1][6]。しかしテレビの普及と共に映画の斜陽化が進み、1968年(昭和43年)にオリオン座[4]、1970年(昭和45年)に公楽映画劇場が閉館[4]。その後千歳座は1972年(昭和47年)に改築した「スカイタウンビル」[4] の5階でリニューアルオープン。同ビルの3階に友楽映画劇場が移転[4] した他、日活ロマンポルノ専門の「千歳にっかつ」も併設したが[注 2]、1984年(昭和59年)4月に千歳市民文化センターがオープン[8] すると、同年11月27日には千歳座3スクリーンが全館閉館[4] し、同市中心部から映画館が消滅した[6]

この状況を見た市民有志は「ちとせシネマ倶楽部」というサークルを立ち上げ、千歳市民文化センターで新作や旧作映画の上映会を年数回行っていたが、隣接する恵庭市にシネマコンプレックス「恵庭・東宝シネマ8」が2000年(平成12年)7月8日にオープンすると、サークル自体は自然消滅となっていった。

かつて千歳市にあった映画館[4]
館名 所在地 観客定員数 営業年
千歳座 清水町1丁目[注 3] 1,000人→220人 1940年 – 1984年
友楽映画劇場 幸町3丁目→清水町1丁目 418人→208人 1952年 – 1984年
オリオン座 朝日町2丁目 531人 1953年 – 1968年
公楽映画劇場 錦町3丁目 505人 1955年 – 1970年
千歳にっかつ 清水町1丁目 56人 1972年 – 1984年

空港内映画館の開館[編集]

「じゃがポックルシアター」時の外観(2013年7月)

その後も千歳市民が主に恵庭市や苫小牧市、札幌市まで映画観賞に流れていったこともあり、市として映画館を誘致することは難しいとされていたが[6]、2007年(平成19年)に北海道空港が新千歳空港の新国際線ターミナルビル建設に関連して国内線ターミナルビル増床時に映画館などを併設する基本設計を発表[10]。国内線ターミナルビルは駐車場側に張り出す形で増築し、映画館に加えて温泉施設や娯楽施設などを備えた時間消費型、滞在型施設への転換を図った[11]

当初は2011年(平成23年)6月1日にオープンする予定であったが、同年3月に発生した東日本大震災の影響による工事の遅れから開業日を延期し[12]、同年7月15日、同市内27年ぶりの映画館としてオープンした[13][注 4]。名称についてはカルビーがネーミングライツ(命名権)を取得し、北海道限定品のスナック菓子「じゃがポックル」に因んで「じゃがポックルシアター」となっていたが、2016年(平成28年)7月15日から「ソラシネマちとせ」と改称[14]。さらに2019年(平成31年)4月1日からは「新千歳空港シアター」となっている[15]

年表[編集]

注釈

出典

参考資料[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]