猪初男 – Wikipedia
猪 初男（いの はつお、1914年（大正3年）10月9日 – 1999年（平成11年）9月11日）は、日本の耳鼻咽喉科医、海軍軍医、耳鼻咽喉科学者、医学博士。第8代新潟大学学長、新潟大学医学部附属病院第13代病院長、新潟大学名誉教授。
新潟県東蒲原郡上条村大字両郷（現 阿賀町両郷）出身[1]。1931年（昭和6年）3月に新潟中学校を4年で修了、1934年（昭和9年）3月に新潟高等学校を卒業、1938年（昭和13年）3月に新潟医科大学を卒業。
海軍軍医中尉に任官、海軍軍医学校の教官として全国各地出身の軍医の養成に努め、海軍省に勤務していた時に太平洋戦争が終戦、最終階級は海軍軍医少佐[2][3]。
1946年（昭和21年）に国立東京第二病院（旧 海軍軍医学校第二付属病院）に招聘されて耳鼻咽喉科医長に就任[1][2][4]、1949年（昭和24年）1月に新潟医科大学から医学博士号を取得。
1964年（昭和39年）7月に新潟大学医学部耳鼻咽喉科学教室第5代教授に就任[注 1]、1968年（昭和43年）2月から6カ月間、文部省在外研究員として欧米の医学教育を視察[6]。
1973年（昭和48年）4月に新潟大学医学部附属病院第13代病院長に就任[注 2][注 3]、1977年（昭和52年）11月に台北で中華民国耳鼻咽喉科医学会にて講演、同年同月に「扁桃と全身疾患に関する研究」で第30回新潟日報文化賞を受賞[1][2]。
1979年（昭和54年）10月に第8代新潟大学学長に就任[8][注 4]、1980年（昭和55年）3月に新潟大学医学部耳鼻咽喉科学教室教授を退任、1983年（昭和58年）10月に新潟大学学長に再任[注 5]。
1985年（昭和60年）10月に新潟大学を退官、11月に新潟大学名誉教授の称号を受称[9]、1986年（昭和61年）11月に勲二等旭日重光章を受章[10][11]、1993年（平成5年）に日本口腔･咽頭科学会初代理事長に就任[12]。
1999年（平成11年）9月11日午前0時31分に国立病院東京医療センター（旧 国立東京第二病院）で急性心不全のため死去[13]、同日付で正三位を受位[14]。
神経耳科学に加え、扁桃の研究に力を入れ、いち早く免疫学を導入して新分野を開拓した[15]。
- 猪貴義 – 弟、家畜育種学者、岡山大学名誉教授。
- 『めまい 診断と治療』文光堂、1963年。
- 『小児耳鼻咽喉科トピックス』金原出版、1967年。
- 『耳鼻咽喉科学』鳥居恵二・金野巌[共著]、南山堂、1967年。
- 『耳鼻咽喉科外来診療』岡本健・櫨山史光[共著]、金原出版、1970年。
- 『気管切開 臨床的ならびに実験的研究』トーマス・ジョージ・ネルソン[著]、文光堂、1966年。
- 『扁桃 基礎編』野坂保次・斎藤英雄[共監]、日本医事新報社、1985年。
- 『扁桃 臨床編』野坂保次・斎藤英雄[共監]、日本医事新報社、1985年。
- CiNii収録論文 – CiNii
注釈[編集]
- ^ 新潟中学校からの同期で新潟大学医学部細菌学教室第3代教授の宮村定男の説得と仲介により[5]。
- ^ 1976年（昭和51年）6月に退任[7]。
- ^ 新潟大学評議員と新潟大学脳研究所教授を兼任。
- ^ 新潟大学商業短期大学部学長と新潟大学医療技術短期大学部学長を兼任。
- ^ 1985年（昭和60年）10月に退任[8]。
出典[編集]
- ^ a b c 『東蒲原郡人物志』63頁。
- ^ a b c 『青山同窓会報』第26号、2面。
- ^ 『新大広報』第46号、30頁。『東蒲原郡人物志』69頁。
- ^ 国立病院機構 東京医療センター 公式サイト – 耳鼻咽喉科
- ^ 『青山同窓会報』第52号、5面。
- ^ 『新潟大学医学部七十五年史 下巻』254頁。
- ^ 『新潟大学医学部百年史』58-59・499頁。
- ^ a b 沿革・歴代学長 | 大学案内 – 新潟大学
- ^ 『新潟大学学報』第474号、6308頁。
- ^ 『新潟大学学報』第486号、6566頁。
- ^ 『現代 物故者事典 1997〜1999』68頁。『新潟県 人物・人材情報リスト 2021 第1巻』479頁。
- ^ 沿革┃学会概要┃日本口腔・咽頭科学会
- ^ 『新潟日報』1999年9月12日付朝刊、31面。
- ^ 『新潟大学学報』第640号、31頁。
- ^ 『新潟大学医学部七十五年史 下巻』247頁。
参考文献[編集]
- 「猪初男」『日本近現代 医学人名事典 1868-2011』68頁、泉孝英[編]、医学書院、2012年。
- 「猪初男」『現代 物故者事典 1997〜1999』68頁、日外アソシエーツ[編]、日外アソシエーツ、2000年。
- 「猪初男」『新潟県 人物・人材情報リスト 2021 第1巻』479頁、日外アソシエーツ[編]、日外アソシエーツ、2020年。
- 「猪初男氏」『新潟日報』1999年9月12日付朝刊、31面、新潟日報社、1999年。
- 「新潟大学学長 猪初男」『東蒲原郡人物志』63-69頁、神田竹雄[編著]、現代思想社、1980年。
- 「日報文化賞 猪初男氏輝く受賞 (PDF) 」『青山同窓会報』第26号、2面、上杉雅之[著]、青山同窓会、1978年。
- 「阿賀野川の川下り 青山三九会 (PDF) 」『青山同窓会報』第52号、5面、福山健[著]、青山同窓会、1991年。
- 「忘れ得ぬ戦友」『新大広報』第46号、30-31頁、猪初男[著]、新潟大学広報委員会、1977年。
- 「名誉教授の称号授与」『新潟大学学報』第474号、6308頁、新潟大学庶務部庶務課、1985年。
- 「秋の叙勲受章」『新潟大学学報』第486号、6566頁、新潟大学庶務部庶務課、1986年。
- 「名誉教授のふ報」『新潟大学学報』第640号、31頁、新潟大学広報委員会・新潟大学総務部総務課、1999年。
- 『新潟大学医学部七十五年史 下巻』新潟大学医学部創立七十五周年記念事業期成会・新潟大学医学部学士会[編]、新潟大学医学部創立七十五周年記念事業期成会・新潟大学医学部学士会、1994年。
- 『新潟大学医学部百年史』新潟大学医学部創立100周年記念事業準備会・新潟大学医学部学士会[編]、新潟大学医学部創立100周年記念事業準備会・新潟大学医学部学士会、2010年。
関連文献[編集]
- 「御挨拶」『日本耳鼻咽喉科学会会報』第81巻予稿、658頁、猪初男[著]、日本耳鼻咽喉科学会、1978年。
- 「学長就任の挨拶」『新大広報』第54号、8-10頁、猪初男[著]、新潟大学広報委員会、1979年。
- 「学長就任のあいさつ」『新潟大学学報』第401号、5089-5090頁、猪初男[著]、新潟大学事務局、1979年。
- 「学長退任のあいさつ」『新潟大学学報』第473号、6267-6268頁、猪初男[著]、新潟大学庶務部庶務課、1985年。
- 「青山三九会 猪初男君の送別会 (PDF) 」『青山同窓会報』第42号、7面、福山健[著]、青山同窓会、1986年。
- 「三九会は東京で (PDF) 」『青山同窓会報』第48号、8面、福山健[著]、青山同窓会、1989年。
- 「日本口腔・咽頭科学会誌 [口腔・咽頭科] の発刊に寄せて」『口腔・咽頭科』第1巻序文、猪初男[著]、日本口腔・咽頭科学会、1989年。
- 「故猪初男先生を偲ぶ」『日本気管食道科学会会報』第50巻第6号、天津睦郎[著]、日本気管食道科学会、1999年。
| 学職 | ||
|---|---|---|
| 先代： 設立 |
日本口腔･咽頭科学会理事長 初代 |
次代： 岡本健 |
| 前回： 岩本彦之烝 |
前庭研究会総会会長 第17回：1965年 |
次回： 檜学 |
| 前回： 内海貞夫 |
耳鼻咽喉科臨床学会総会会長 第31回：1970年 |
次回： 森本正紀 |
| 前回： 内藤儁 |
日本オージオロジー学会総会会長 第16回：1971年 |
次回： 三吉康郎 |
| 前回： 粟田口省吾 |
日本気管食道科学会総会会長 第27回：1975年 |
次回： 萩原忠文 |
| 前回： 不明 |
日本扁桃研究会総会会長 第15回：1975年 |
次回： 不明 |
| 前回： 廣戸幾一郎 |
日本耳鼻咽喉科学会総会会長 第79回：1978年 |
次回： 斎藤英雄 |
| 前回： 設立 |
日本顔面神経研究会総会会長 第1回：1978年 |
次回： 不明 |
| 前回： 澤木修二 |
日本耳鼻咽喉科漢方研究会当番世話人 第3回：1987年 |
次回： 梅田良三 |
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新潟大学学長（第8代：1979年 – 1985年）
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