三重県道159号三木里インター線 – Wikipedia

一般県道

三重県道159号三木里インター線
路線延長 1,840m
陸上区間 1,840m
海上区間 0m
制定年 2001年
開通年 2008年(暫定)
2012年(全線供用開始)
起点 三重県尾鷲市三木里町
終点 三木里IC(三重県尾鷲市)
接続する
主な道路
(記法)
国道311号
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三重県道159号三木里インター線(みえけんどう159ごう みきさとインターせん)は三重県尾鷲市内を通る一般県道である。

熊野尾鷲道路三木里インターチェンジの唯一の接続道路。全体事業費はおよそ30億1,900万円。[1]

後述する三木里インター線搬入土砂問題により、熊野尾鷲道路開通当初から未開通区間の迂回路として林道を片側交互通行によって暫定使用していたが、2012年(平成24年)12月に全線開通した。[1]
これに伴い三木里インター線が雨量規制区間[2]から除外され、尾鷲市街から三木里地区まで信頼性・定時性の高いルートが確保された。[3]

路線データ[編集]

起点となる国道311号との接合部、三重県尾鷲市三木里町にて

  • 起点:三重県尾鷲市三木里町字里378番4[4](国道311号と尾鷲市道三木里停車場線の接合部[5]
  • 終点:三重県尾鷲市三木里町字ハタ1187番[4](熊野尾鷲道路三木里インターチェンジ)
  • 規格 : 第3種第3級[1]
  • 幅員:6m[1]
  • 総延長:1,840m[5]
    • うち単独区間:1,463m[5]
  • 設計速度:40km/h[1]
  • 1999年(平成11年)6月11日 – 事業計画告示。
  • 2001年(平成13年)4月1日 – 三重県道の路線認定を受ける[6]
  • 2003年(平成15年)10月 – 三重県の「重点整備箇所」の「前期完成箇所」に指定される。
  • 2006年(平成18年)7月19日 – 中部地方整備局から事業認定を受ける。
  • 2008年(平成20年)4月20日 – 三木里インター供用開始に伴い、付近の林道を使用して暫定的に開通。
  • 2012年(平成24年)12月 – 全線供用開始。

路線状況[編集]

重複区間[編集]

  • 尾鷲市道三木里停車場線(尾鷲市三木里町字里 – 尾鷲市三木里町字木場)[5]

接続する道路[編集]

  • 国道311号:起点
  • 尾鷲市道三木里停車場線:起点、三木里町字木場
  • 国道42号熊野尾鷲道路[注 1]三木里IC:終点

周辺[編集]

  • 三木里海水浴場
  • JR紀勢本線 三木里駅
  • 八十川
  • 熊野尾鷲道路 三木里IC

三木里インター線搬入土砂問題[編集]

問題の発覚とその影響[編集]

2006年(平成18年)6月、三木里町の住民から「三木里インター線の建設現場から悪臭がする」という指摘から始まった一連の問題で八十川問題とも言う[7]。同年11月26日に第一回三木里インター線搬入土砂問題検討委員会が県の担当者によって開かれ、盛土に尾鷲港の浚渫(しゅんせつ)土や三重県紀北町の船津川災害復旧工事で発生した残土を流用していたことが明らかにされたが、その時は土壌汚染対策法の定める有害物質基準値は下回っており、安全であると説明がなされた[8]。第三回の委員会では尾鷲港の浚渫土を取り除くことと、安全のため代替水脈を探ることが県から提案された[9]

この件により建設工事は中断を余儀なくされ、2008年(平成20年)4月20日の三木里インター開通までに県道が開通せず、付近の林道を暫定的に当該県道として利用することとなった。しかし、この林道は車両1台分の幅しかないため、信号機による最大5分の片側交互通行が行われしばしば渋滞が発生していた。また、雨量規制区間に指定されたため通行規制(時間雨量20mm/h以上、又は連続雨量80mm以上で通行止)が実施される等、当初期待された熊野尾鷲道路の開通による効果[注 2]は十分に得られなかった。

新たな問題の発覚と尾鷲市政への影響[編集]

2008年(平成20年)6月9日に行われた水質調査で環境基準値を越える鉛[注 3][10]が検出され、県は再び検討委員会を設置した[11]。更に、この問題は尾鷲市議会でも重大な議題として何度も取り扱われている。

2009年(平成21年)2月23日には当時の尾鷲市長が、この問題で意見が食い違う水道部長に対し、「言うことを聞かないなら、降格人事だ」と脅したという疑惑が尾鷲市議会議員全員協議会の場で浮上した[12][注 4]。この発言は、市長が兼務することを禁止されている税理士の仕事を、市長就任後も続けていたこと[12]と絡めて議会と市長が対立、4月20日には市長の不信任決議が賛成14、反対1で可決された[13]。これに対し市長は議会を解散し、出直し市議会議員選挙が行われたが、同年6月19日に議会は再び市長不信任を賛成14、反対2で再可決したため、市長は失職した[14]。その後、出直し市長選挙が実施され、失職した元市長に新人3人が挑み、元県職員の候補が当選した[15]

解決に向けた動き[編集]

2009年(平成21年)10月9日には、三木里インター線搬入土砂問題検討委員会から三重県県土整備部長に意見書が提出され、土壌や地下水に影響はないが、環境や安心のために土壌の措置が必要であるとする結果を報告した[16]。同年11月20日には三木里地区会、尾鷲市、三重県でつくる三者協議会が開かれ、意見書通りに土壌措置を施すことと工事の再開について合意が形成された[16]
。また、2010年(平成22年)2月より土壌の措置工事が始まり[16]、少しずつ問題の解決に向けて進む。

全線開通[編集]

2012年(平成24年)12月に全線供用を開始した。

[脚注の使い方]

出典

  1. ^ a b c d e 三重県尾鷲建設事務所/管内のあらまし
  2. ^ 三重県県土整備部/三重県内の雨量規制区間
  3. ^ 中部地方整備局紀勢国道事務所”国道42号熊野尾鷲道路事業/整備効果
  4. ^ a b 三重県県土整備部高速道・道路企画室.”三重県の道路/県管理道路一覧“(2010年12月17日閲覧。)
  5. ^ a b c d 中部地方整備局”中部地方整備局告知第九十六号“平成十八年七月十九日
  6. ^ 平成13年4月1日三重県告示第196号
  7. ^ 尾鷲市議会(2008)”平成20年第2回尾鷲市議会定例会一般質問表“(2010年12月17日閲覧。)
  8. ^ 三木里インター線搬入土砂問題検討委員会(2006)”第一回三木里インター線搬入土砂問題検討委員会議事録(平成18年度)“(2010年12月17日閲覧。)
  9. ^ 三木里インター線搬入土砂問題検討委員会(2007)第三回三木里インター線搬入土砂問題検討委員会議事録(平成18年度)(PDF)
  10. ^ 三木里インター線搬入土砂問題検討委員会(2008)”第一回三木里インター線搬入土砂問題検討委員会議事録(平成20年度)“(2010年12月17日閲覧。)
  11. ^ 三重県庁(2008)”附属機関等会議概要 三木里インター線搬入土砂問題検討委員会“(2010年12月17日閲覧。)
  12. ^ a b 47NEWS”言うことを聞かねば降格 奥田尾鷲市長が”恫喝”“2009年2月24日(2010年12月17日閲覧。)
  13. ^ 読売新聞社”不信任再可決・失職でも出馬へ、三重・尾鷲市長が表明:社会:YOMIURI ONLINE(読売新聞社)“2009年5月1日(2010年12月17日閲覧。)
  14. ^ 四国新聞社”三重・尾鷲市長が不信任受け失職/出直し選出馬の意向|全国ニュース|四国新聞社“2009年6月19日(2010年12月17日閲覧。)
  15. ^ JAN JAN”ザ・選挙/尾鷲市長選挙(三重県) 失職市長の再選ならず 元県職員の岩田昭人氏が初当選“2009年7月26日.(2010年12月17日閲覧。)
  16. ^ a b c 三重県”三重県公報号外“平成22年5月13日.203ページ

注釈

  1. ^ 紀勢自動車道の新直轄方式による区間
  2. ^ 走行時間の短縮、異常気象時における通行規制区間を回避した自動車交通の確保
  3. ^ 環境省省令で定められた鉛の基準値は0.01mg/Lであるが、0.12mg/L検出された。
  4. ^ 市議会での市長の答弁では「この発言があったかもしれない」とだけしか触れられていないため、真偽は不明である。

参考文献[編集]

  • 『県別マップル24 三重県道路地図』昭文社、2009年3版1刷発行、ISBN 978-4-398-62474-1 、77ページ
  • 三木里インター線搬入土砂問題検討委員会議事録
  • 中部地方整備局告知第九十六号

関連項目[編集]

  • 三重県の県道一覧

外部リンク[編集]