尹美香 – Wikipedia

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尹 美香(ユン・ミヒャン、朝鮮語: 윤미향、Yoon Mee-hyang または Yoon Mi-hyang, 1964年10月23日 – )は、韓国の活動家。慰安婦問題で大きな力を持ち、韓国政府やメディアさえも逆らえなかった日本軍慰安婦支援団体「日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶連帯」(正義連、旧挺対協)の前代表[1]。共に民主党所属議員であったが、「不当な正義連関連施設の不動産売買」「経費の不正利用」「横領」「夫の北朝鮮スパイ説」など11の不正発覚後に除名され[2]、党執行部側による復党決定が所属議員らの反対によって覆されたため、以降も無所属の国会議員[3][4]。慰安婦団体における不正により、韓国で強い批判が起きており、2022年時点で韓国大統領選前に共に民主党発議から国会議員職からの追放が推進されている[5][6][2]

1964年10月23日、慶尚南道 南海郡生まれ。韓神大学校卒業後、梨花女子大学校大学院でキリスト教学科修了、同大学の社会福祉大学院で修士号を取得。

1992年、日本軍慰安婦を支援する韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)発足時に幹事として参加。

2008年~2020年、挺対協と後の正義連でそれぞれ常任代表と理事長などを歴任[7]

2020年4月15日に投開票された第21代総選挙で、革新系与党の比例政党である「共に市民党」から名簿順位7位で擁立され比例代表で当選[8]。同年5月13日「共に市民党」は「共に民主党」に吸収され、与党である「共に民主党」の国会議員となる。

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2022年に共に民主党からの除名処分が推進されたが、2022年1月27日に尹の夫であるキム・サムソクは自身のフェイスブックで、2004年の発足から北朝鮮の「支援」を理由に毎年幾度となく北朝鮮を訪問、2008年には挺対協と共に訪朝して北朝鮮の団体と接触するなど「対北事業」を本業としていて、釜山日本総領事館前に慰安婦像を設置した団体である「民族は一つ」又は「同胞は一つ」を韓国語で意味する「キョレハナ[9][10]」の「民主党は尹美香議員の除名を中断せよ」にという除名反対声明を拡散した[11]

行動と批判[編集]

ソウルの日本大使館前で毎週水曜日に日本に対する慰安婦問題の抗議活動(水曜デモ)を主催している[12]

「20年間の水曜日」(東方出版)[13]を著すが、東京基督教大の西岡力教授は、この書籍中の「元慰安婦女性の証言」には裏付ける資料が示されておらず、慰安婦本人からの確認すらない虚偽の内容と批判している[14][15][16]

1997年1月に元慰安婦とされる7人が日本政府によるアジア女性基金を受領した事実が明らかになると「ごく少数のおばあさんの行動は他の多くのおばあさんにさらに屈辱的だ」とした。挺対協は彼女らを裏切り者認定し、元慰安婦の認定から排除、他の慰安婦らには基金を受けとらないとする念書に印鑑を押せと迫った。他の元慰安婦される54人はそれを恐れ、基金を非公開で受理した。7人のうちのソク・ボクスン(2005年死亡)は「私たちは年を取ってどんどん死んでいく。どこからであれ、くれるお金を受け取って使って死にたい。多数(の慰安婦)がこうだ…。おばあさんたちの要求は無理でもなく、そこで今度はまた挺対協で(アジア女性基金を)与えるなと日本に噂を言いふらしたんだ」「何であれ何千万ウォンもくれるなら、そのままおばあさんたちがもらえるよう放っておけばいいのに…おばあさんたちはみんな死にかかっているじゃないか。ところが募金を受け取るな、それを受け取れば汚い金だ、売女だ、こうした耳障りなことばかり言う」と証言していた[17][16][18][19][20][21]

2012年に渡米し、国連人権理事会で米国など各国代表が日本軍慰安婦問題を提起することを要求する要請書を米国大使館側に手渡した[22]

2016年、慰安婦問題日韓合意により設立された和解・癒やし財団が元慰安婦に対して償い金の支給活動を始めた際には、アジア女性基金の時のように元慰安婦を集めて受け取りを拒否するように再び迫った。元慰安婦らの一部はこれを恐れ、支援団体管理下に居ながら隠れて受給することを、信頼できる元慰安婦に明かした[16][23][24][25]

2020年3月に尹美香はソウル市の支援金を挺対協とその後身で事実上同一団体である正義記憶連帯の両団体の代表として重複申請し、審議過程で摘発された。市の審議委員会は「同一団体が支援金を重複受領するために不正な方法を用いた」との結論を下した。アジア太平洋戦争犠牲者韓国遺族会メンバーの一人は、挺対協は元慰安婦などの被害者を常に利用してきたこと、韓国政治も挺対協の活動を優遇し、被害者そのものへの対応を後回しにしてきたこと、アジア女性基金を潰し、和解・癒やし財団を解散に追い込むなど常に慰安婦問題の解決への道を妨げてきたと批判している[26]

2020年5月7日「自分は挺対協に利用された」「義援金が被害者に使われたことはない」「28年間にわたり続けてきた水曜集会(旧日本軍慰安婦問題の解決を求めて毎週水曜に開かれる定期デモ)に、これ以上参加しない」と主張した李容洙と関連して、所属する「共に市民党」のウ・ヒジョン代表は8日、「当党が把握したことによると、李さんの周辺にいらっしゃる方によって少し記憶が歪曲されたようだ」と話した[27]。同日、尹美香は自身のFacebookに「1992年に申告電話をかけてきた時、私はオフィスで電話を受け、蚊の音ほどの声で震えながら、『私は被害者ではなく、私の友達が…』と話し出した当時の状況を昨日のことのように覚えている」と書いた[28][29]

2020年5月9日、韓国の50以上の慰安婦関連団体は「少数の慰安婦を懐柔して反日に利用した」「反米運動の先鋒を務めながら、娘を米国に留学させた」「夫が軍事機密提供の見返りに在日親北朝鮮団体から工作金を受け取った」「夫が運営するネットメディアに挺対協が広告を掲載していた」として、尹の当選辞退を要求する声明を出した[30][31][32]。デタラメな証言集を売っていたこと、慰安婦らの反対にも関わらず対米アピールのために「慰安婦を性奴隷だ」と主張していたこと、寄付金の5%未満しか慰安婦らに渡していなかったこと、韓国政府から支給された補助金である2017年の8500万ウォンと2018年の3億ウォンが会計帳簿で当該年度の補助金収入0ウォンにされているという組織会計がデタラメかつ不正だらけなこと、さらに慰安婦のためとして、寄付金を個人口座で集めていたことなど大々的な横領など数々の悪事も発覚し、30年以上も慰安婦らを騙して利用してきたことから良心がないと指摘された[33][34][35][36][37][38]。一方で、2020年5月14日、姜昌一、金相姫、南仁順、洪翼杓ら、「共に民主党」議員16人が「李容洙さんの記者会見を口実に、親日、反人権、反平和勢力が歴史の真実を正そうとする運動をおとしめる攻勢にすぎない」と尹美香を公開支持する声明書を発表した[39]

2020年5月19日、大邱市内に滞在中の李容洙のもとを尹美香が関係者と共に突然訪問し、許しを請いたいとひざまずいて謝罪したが、李容洙は「何の許しを請うているのかわからない」と答え、一部マスコミが和解したとの報道に対して「許したことはない」と一蹴した[40][41]

2020年12月11日、韓国内において新型コロナウィルス感染が拡大する中、かつて正義連管理の施設で暮らしていた元慰安婦の吉元玉の誕生日を祝う名目で、本人不在の知人と催した飲酒パーティの写真をSNS上にアップロードし、世論の批判が高まると当該書き込みを削除し謝罪した[42][43]

李容洙からの批判と、その後の韓国メディアによる追跡調査で数々の疑惑が持ち上がっている。

  • 国庫補助金の公示漏れ
  • 寄付金の私的利用や不透明な会計
  • 娘の米国大学への留学と費用の出処
  • 夫が運営するネットメディアに正義連の広告が多数掲載
  • 元慰安婦向け休養施設をめぐる不適切な使用と不当な売買契約
  • 自宅マンションを購入する際の資金の出処
  • 従北政権と北朝鮮の代理人として、反日プロパガンダで韓日分断工作

2020年8月13日、正義連の不正会計疑惑などについて捜査しているソウル西部地検は、5月に捜査に着手して以降初めて、尹美香を検察に出頭させて本人に対する取り調べを行った。一部の保守系韓国メディアは、正義連に対する捜査が遅々として進んでおらず、与党関係者の不祥事について、政府が事実上握りつぶそうとしているのではないかとの指摘もある[44][45]

2020年9月14日、ソウル西部地検は詐欺・準詐欺・業務上横領などの6つの容疑で在宅起訴した。また、所属する共に民主党は15日、尹美香の党職を停止すると明らかにした[46]

2021年6月8日、公共機関職員らの土地不正取引疑惑に端を発した政府の調査で、尹も同様の不正に関与していた疑惑が明らかとなり、党から離党勧告を受ける。離党勧告を受けた他の議員らとともに捜査機関の調べを受けることになった[47]。6月22日、党は尹を除名処分にした。比例代表選出の議員が自ら離党すれば議員失職となることを受けた措置[48]

夫・親族[編集]

1993年に夫金三石(キム・サムソク)とその妹金銀周(キム・ウンジュ)がスパイ事件で摘発され有罪となった(兄妹スパイ団事件)[49]。韓国の治安当局は、尹美香の近親者が北朝鮮のスパイである事と、挺対協の活動との関連に注目し、動静を注視しているという[50]。2020年5月に、李容洙は「尹美香に、刑務所にいる夫の嘆願書を書いてくれと言われた」と告発した。尹美香らは韓国世論や裁判所の同情を得やすくするために、スパイ罪をよく分かっていなかった慰安婦らに嘆願書の提出、刑務所訪問や慰労に慰安婦を利用していたことが発覚した[51]。尹は慰安婦問題での北朝鮮との共闘を主張し、尹夫妻が脱北者を北朝鮮に戻るよう懐柔したとの報道もあり、慰安婦不正に関する北朝鮮メディアによる尹への過剰な擁護を受けて、尹や正義連の「親北疑惑」を裏付けられたと指摘かれている。疑惑の一つである「元慰安婦のための保養施設」の売買の仲介したのが親北派の元活動家で国会議員の李圭閔であった[52]

関連項目[編集]

  • 金三石[11]
  • キョレハナ[11]
  • 共に民主党[11][53]
  • 詐欺[53][54][55]
  • 横領[53][56][55]
  • 寄付金不正受給[56][53]
  • 水曜集会[57][58]
  • 韓国挺身隊問題対策協議会(正義連)[56][53]
  • 李容洙[59][53]
  • 慰安婦像[59][58]
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  2. ^ a b やりすぎた? 韓国で2人の「反日闘士」が窮地に あの議員&言い過ぎ会長が追放の危機(吉崎エイジーニョ)” (日本語). Yahoo!ニュース. 2022年2月18日閲覧。 “2020年4月に国会議員に当選。しかし議員生活2年めの終盤を迎える現在、与党「共に民主党」の主導により国会議員職から追放される危機に瀕している。今月25日に「共に民主党」代表から発表された「国会倫理特別委員会」での「刷新案」により、国会議員からの「除名」の勧告がなされたのだ。すでに一連の疑惑により昨年8月に党から除名され無所属となっていた。さらに今回はかつて所属した党側から、「与党としての国会改革案」により議員職からも追放される可能性があるのだ。
    尹議員は2020年6月、国会議員初当選後2ヶ月にして元慰安婦のイ・ヨンスさんの告発から「不当な正義連関連施設の不動産売買」「経費の不正利用」「横領」「夫の北朝鮮スパイ説」などじつに11の疑惑をかけられた。これらのうち、国会内で一番大きな問題と捉えられたのは「不動産問題」だった。大統領選でも「庶民が家を買えない」という点が大きな争点となっているだけに敏感にならざるを得ないところか。尹議員は元慰安婦たちが週末にゆっくり時間を過ごす「ヒーリングセンター」として買ったソウル郊外の物件を、購入時の価格より不当に安く売った、とされた。不自然であり、何か背後に動きがあるのではという疑惑をかけられてきたのだ。2021年6月7日、この件が捜査対象となることが決定するや、翌8日に「共に民主党」から除名され、無所属議員となった。”
  3. ^ やりすぎた? 韓国で2人の「反日闘士」が窮地に あの議員&言い過ぎ会長が追放の危機(吉崎エイジーニョ) – 個人” (日本語). Yahoo!ニュース. 2022年2月18日閲覧。 “同年11月5日、党側による復党決定が議員たちの反対によって覆される出来事に見舞われた。不動産疑惑は結局「送検せず」となったことから党が発表したものだったが、同僚たちの同意を得られなかった。”
  4. ^ 「反日一辺倒」から変わりつつある韓国メディア、「日本に批判的であるべき」という姿勢は崩れつつある(東洋経済オンライン)” (日本語). Yahoo!ニュース. 2022年2月18日閲覧。 “尹氏は与党「共に民主党」から出馬した国会議員で、事件後に党を除名されましたが、文在寅(ムン・ジェイン)政権がアピールしてきた「被害者中心主義」を強く主張してきた人です。「陣営論理」からすれば、彼女に近い進歩系のメディア、例えば「ハンギョレ」「京郷(キョンヒャン)新聞」といった大手紙は尹氏や政権を擁護したり、その弁明を代弁したりするような報道になるはずですが、今回の事件では尹氏や団体に対して中身のある批判報道を繰り広げました。これは特筆すべきことなのです。”
  5. ^ 「親日メディアにハメられた」失脚の韓国・反日派ドンが仰天釈明 もはや韓国社会も「反日無罪」が通用しない時代に | JBpress (ジェイビープレス)” (日本語). JBpress(日本ビジネスプレス). 2022年2月18日閲覧。 “すでに韓国では、金元雄氏に「男性版・尹美香」のレッテルが貼られており、尹氏に劣らない非難を浴びている。こうした国民感情を懸念した与党側からの辞退勧告があったのだろう。一方、横領容疑で裁判を受けている尹美香議員も危機に直面している。共に民主党が選挙を控えて国民世論を好転させるため、尹氏を除名する動きを見せているのだ。比例代表選出議員の尹氏は、共に民主党から除名されれば自動的に議員職を剥奪される。現在、尹氏は、関連団体はもちろん、すでに死亡した元慰安婦の金福東(キム・ボクトン)氏の名前まで総動員し、自身の“救命運動”を繰り広げている。”
  6. ^ 2022/01/26 12:44. “尹錫悦候補「与党は選挙が迫るや尹美香を除名、徹底謝罪すべき」” (朝鮮語). www.chosunonline.com. 2022年2月18日閲覧。 “これに先立ち、「共に民主党」の宋代表は25日の記者会見で「国会倫理審査諮問委で除名の建議を議決した尹美香、李相稷(イ・サンジク)、朴徳欽(パク・トクフム)議員の除名案を速やかに処理したい」とし「誤りがあるという判断が下され、諮問委が除名を決定した通りに従うべき」とコメントした。”
  7. ^ 「慰安婦団体の情報誌編集会社代表は元慰安婦団体代表である尹美香氏の夫」” (日本語). 中央日報 – 韓国の最新ニュースを日本語でサービスします. 2020年6月27日閲覧。
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