星の子ポロン – Wikipedia

星の子ポロン』(ほしのこポロン)は、時報映画社製作のテレビアニメ。1974年から1975年まで、北海道文化放送などの地方局で放送された。

CMなどを除くと正味2分しかないにも関わらず話は2本立てという情操教育目的のミニ番組で、交通ルールなど子供たちが守るべき社会のルールが題材となっている。主人公・ポロン以外の登場人物は擬人化された動物である。アニメ作品としては作画枚数は非常に少なく、動きが単調かほとんどないシーンや、静止画のシーンもある。

番組の構成は、オープニングではポロンが登場し「僕、星の子ポロンちゃんだよ。皆見てねー!」と自己紹介を行うとタイトルロゴが表示されて本編に入り、エンディングではポロンが「バイバーイ」と言って去って行くというもの。

1990年代までは一部の地方局で再放送が行われていたが、2020年現在は、再放送および映像ソフト化は行われていない。

2016年に入ってから、動画投稿サイト「ニコニコ動画」で流行し、第10回アニメ流行語大賞特別賞(組織の力賞)として本作のサブタイトルの1つである「バイバイバナナ」が選ばれた[1]。2017年5月3日放送の「ニッポンアニメ100」(NHK)で行われた「ベスト・アニメ100」というランキングにおいて総合38位、男性13位という順位を記録した。

権利の所在が不明な著作物(オーファンワークス)であり、2017年から著作権情報センター (CRIC) のウェブサイトに権利者捜索広告が掲載されている[2]

あらすじ[編集]

宇宙の彼方から地球にやって来たポロンは、動物たちを気に入って地球での暮らしを始める。ところが、やんちゃな動物たちのいたずらやマナー違反によって、色々なところで騒動が起こる。ポロンは呆れながらもこっそり不思議な力を発揮し、悪いことをした動物たちを助けたり懲らしめてやるのだった。

登場キャラクター[編集]

メインキャラクター[編集]

ポロン
声 – 野沢雅子
坊主頭にアンテナの生えた宇宙人の子。側頭部に、銀色の円盤状の耳が付いている。頭には星が3つ描かれた青色[注 1]のバンドが巻かれていて、そこから光線を発射することができる。好物はバナナ[注 2]
空を飛ぶことができるほか、「透視の眼」という能力で未来に起こることを察知したり[注 3]、相手の眼を見ることでその人物の過去の行動を見たりできる[注 4]。また、先述した、バンドから出される光線はほぼ万能で、物体の生成・消滅や変色、縮小、硬直などができる。
基本的には、事件をポロンが解決して、悪いことをした動物を懲らしめ「やってはいけないこと」を教える。しかし、回によっては騒動を収束させるだけで済ませたり[注 5]、呆れかえってまともな注意をしないこともある[注 6]
いつも中立的な立場にいる訳ではなく、危険な状況の動物2匹の片方だけを助けたり[注 7]、オオカミを問答無用で悪と看做したりすることがしばしばある。
ナレーション
話のあらすじや状況を説明するだけでなく、時にポロンの代わりに動物たちに説教をすることもある。

サブキャラクター[編集]

作中では擬人化され二足歩行をする動物とそうでない動物の2種類が存在し、時に共演することもある。また、稀に無機物が動き出したりすることがある。

擬人化動物[編集]

  • 判明しているエピソードで登場しているのは哺乳類がほとんど。直立二足歩行をし、衣服を着用する者が多いが幼いキャラクターなど全裸や半裸の者も存在する。
  • 殆どのエピソードでは草食・肉食を問わず種の垣根を越えて共生しているが、一部のクマやオオカミには捕食本能が残っている。

非擬人化動物[編集]

  • 登場機会は少ないが、現実にあるような見た目でありながら言葉を話す者や鳴き声に混ざって片言の言葉を話す者もいる。稀に家畜が存在する事を示唆するエピソードがある[注 8]
  • デフォルメされた見た目のものが多く、種族をはっきり判別できないものも存在する。

非生物[編集]

  • 現時点で大仏、煙、木馬といった物体が意思を持って行動している。
  • どのキャラクターも突如として動き出して、動物達に迷惑をかける。

スタッフ[編集]

  • 脚本 – 大貫哲義・村山節子
  • キャラクターデザイン – 桑島東輝
  • 原画 – 鈴木孝夫
  • 動画 – 岩崎純央・町支哲義・坂井文雄・中嶋篤子
  • 音楽 – モンパルナス2000
  • 撮影 – 服部正行
  • アニメーション制作 – 日本動画
  • 製作 – 時報映画社
オープニング曲 – 「BOYS AND GIRLS」
作曲 – ジャン=ジャック・ペリー
エンディング曲 – 「THE OLD BELL RINGER」
作曲 – ジャン=ジャック・ペリー

劇中では、ジャン=ジャック・ペリーや、ヤンコ・ニロヴィックなどが作曲した業務用ライブラリ音源として発売されていた音源が使用されている。なおヤンコ・ニロヴィックはFacebook上で自身の曲が本作に使用されていることについて述べている[3]

各話リスト[編集]

判明分のエピソードのみ、判明した順に掲載。

参考文献[編集]

関連項目[編集]

  • ガンとゴン – 時報映画社・日本動画の製作。こちらも5分間のアニメで主要スタッフがほぼ同じ、番組販売目的で製作されたなど類似点が多い。
  • チャージマン研! – 制作会社も放送尺も放送局も異なるが、同年の同日に放送を開始し、本作同様に後年になってインターネット上でその珍妙な内容でブームを巻き起こしたという共通点がある。

注釈[編集]

  1. ^ 色指定ミスで、一瞬だけオレンジ色になることがある。
  2. ^ バイバイバナナの巻
  3. ^ 登山をしようの巻
  4. ^ うそつきうさ君の巻
  5. ^ 信号機が皆、青になっちゃった!の巻
  6. ^ 僕の車はスポーツカーの巻
  7. ^ 兄弟げんかの巻
  8. ^ 「貨物列車は行くの巻」では貨車に詰め込まれたウマが登場する。また、「とんかつこわいの巻」ではトンカツが登場し、住民のブタと同時に食用のブタもいることが示唆されている。
  9. ^ 放送期間は1974年4月1日から1975年3月21日。
  10. ^ 放送期間は1977年1月21日 – 1977年11月2日、放送時間は平日 17:10 – 17:15。また、1980年にも平日 18:25 – 18:30に再放送。

出典[編集]

外部リンク[編集]