鉱山鉄道 – Wikipedia
鉱山鉄道(こうざんてつどう)は、鉱山の鉱石搬出のために作られた鉄道である。日本国内では、鉱山保安法中の「金属鉱山等保安規則」または「石炭鉱山保安規則」に準拠するものが該当する。
鉄道が最初に発明されたのは、鉱山においての搬出用として敷設されたと言われている(鉄道の歴史の項を参照)。
鉱石は比重が極めて重く、一度に大量の鉱石を消費地(工業地帯等)や、消費地への中間地点の港まで運ばなければならないため、鉄道が輸送手段として向いていると言われている。また、鉱山内部で、鉱石搬出に使われる鉄道も鉱山鉄道と言われることが多い。
近年では、鉱山規模によってはベルトコンベアの発達により、鉄道からベルトコンベアに置き換えられる事がある。また、ダンプカー等を使用した自動車輸送に置き換えられることもある。その他の鉱石輸送手段としては索道がある。
日本の鉱山鉄道[編集]
日本においては、かつて鉱石の搬出を目的とした鉄道が多数存在していたが、エネルギー革命による国内炭鉱・鉱山の衰退により、現在でも鉱石搬出を行っている鉄道はきわめて少なくなっている。石炭以外の鉱山でも、採算性等の問題から国内鉱山の閉山が相次いでいるほか、上述のとおりベルトコンベアへの置き換えも相次いでおり、鉱石搬出を現在でも行っている鉄道は少ない。
2020年現在では岩手開発鉄道日頃市線、赤崎線、西濃鉄道市橋線、電気化学工業青海工場専用線が現存している。また、秩父鉄道など旅客輸送も行っている事業者も存在する。
そのほか、鉄鉱石などにおいては、鉱山構内で使われるトロッコなどを使用した小規模な鉄道が国内数箇所で現存している。
以前は専用鉄道として敷設された鉱山鉄道も数多く存在した。現存するのは電気化学工業青海工場専用鉄道のみである。戦後、大規模な路線を持っていたものとしては以下の例がある。
日本国外の鉱山鉄道[編集]
日本国外においては大規模な露天掘り鉱山や通常の鉱山が多数存在し、そこの鉱石搬出のための鉄道が多数存在している。
米国、カナダ、オーストラリア、中国、ノルウェー等
西オーストラリア北西部のピルバラ地方には良質で大規模な縞状鉄鉱床の分布を背景とした鉄鉱山が多数存在し、産出した鉄鉱石を積み出し港であるポートヘッドランドとダンピアまで運ぶピルバラ鉄道と呼ばれる鉱山鉄道網が存在している[1][2]。
使用される機関車と貨車[編集]
- 機関車
- 重量物の大量輸送という目的があるため、通常の機関車だけでなく、鉱石輸送専用の高引張力機関車が使用される事も多い。
- 貨車
- 小規模な鉱山では通常の無蓋車や有蓋車が使用される事が多かったが、現在ではホッパ車など鉱石運搬専用の車両が製造されて使用される事が大半である。
鉱山鉄道が出てくる主な作品[編集]
脚注・参照[編集]
参考文献[編集]
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
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