学群 – Wikipedia

学群(がくぐん)は、専攻する学問分野によって大別される、専攻領域に従った大学(短期大学を除く)における教育・研究上の組織的構成単位であり、多くの大学で採用されている「学部」に相当する。また、修士等の大学院レベルの課程に対して、学士レベルの課程を指すこともある。

特定の学問分野に特化した特徴を持つ「学部」とは違い、より広範囲な学問を研究する場合の構成単位として使用されることが多い。日本の大学で最初に学群を採用したのは筑波大学である[1]

旧・東京教育大学が東京都文京区から茨城県新治郡桜村(現:つくば市)に移転することになった際、移転に伴う大学名の改称に合わせて「学部」の採用を廃止して「学群」を採用した。そのため、筑波大学は建学当初から学群を採用しており、学部を使用したことは無い。従来は筑波大学のみに置かれていたが、2005年に桜美林大学で学群が設置された後、学群制に変更する大学がみられた[1]

近年は福島大学や宮城大学、北九州市立大学といった他の国公立大学でも採用され始めており、私立では上述した桜美林大学を始めとして幾つかの大学で採用されている。

しかしながら、学群を学部相当の単位として採用している場合もあれば、日本工業大学のように、学部の中の下部構成単位としている場合もあるため、大学によってその構成単位の立ち位置は一定でない。

通常、学群に対応する下部構成単位が「学類」となり、他大学における「学科」に相当する。しかし、学群を学部の下部構成単位として採用している大学の場合は学群が実質的に学科に相当する形となる。ただし、日本工業大学は例外的に「学部>>学群>学科」のスタイルを構築している。

同様の構成単位用語に「学域」「学環」などがある。

なお、和洋女子大学のように、学群制度を導入したものの、学部制度へ戻した大学もある。

既存の学問分野・学部にとらわれない自由な研究教育活動が出来る一方で、受験生にとっては分かりづらいという批判も一部にある。筑波大学においてもそういったデメリットを解消する目的で学群の再編が行われている。

学群制を採用する大学・大学校一覧[編集]

国立
筑波大学 – 人文・文化学群, 社会・国際学群, 人間学群, 生命環境学群, 理工学群, 情報学群, 医学群, 体育専門学群, 芸術専門学群
福島大学 – 人文社会学群, 理工学群, 農学群
公立
宮城大学 – 事業構想学群, 看護学群, 食産業学群
高知工科大学 – システム工学群, 環境理工学群, 情報学群, 経済・マネジメント学群
北九州市立大学 – 地域創生学群
名桜大学 – 国際学群
私立
桜美林大学 – リベラルアーツ学群, ビジネスマネジメント学群, 健康福祉学群, 芸術文化学群, グローバル・コミュニケーション学群
札幌大学 – 地域共創学群
和洋女子大学 – 人文学群, 家政学群
酪農学園大学 – 農食環境学群, 獣医学群
駒沢女子大学 – 人間総合学群
姫路獨協大学 – 人間社会学群
尚絅学院大学 – 人文社会学群/心理・教育学群/健康栄養学群
省庁大学校
防衛大学校 – 応用科学群, 電気情報学群, システム工学群, 人文社会科学群

学群制を採用していたことがある大学・大学校一覧[編集]

私立
和洋女子大学 – 2008年度より人文学部を人文学群に、家政学部を家政学群に改称することで制度導入をするも、2018年に再度改称することで取りやめた。
日本工業大学[2] – (旧工学部の中の下部構成単位として)機械システム学群, 電子情報メディア学群, 建築デザイン学群[3]。制度導入をするも、2017年に再度組織改組する際に学系とすることで取りやめた。

関連項目[編集]