カワサキ・Z1000 – Wikipedia

Z1000(ゼットせん)は、カワサキモータースが製造販売しているロードスポーツタイプのオートバイ(大型自動二輪車)である。

1970年代後半から1980年代にかけて発売された空冷エンジンのZ1000(北米仕様はKZ1000)A型、J型と、2000年代に発売された水冷エンジンのモデルがあるが、1000ccクラスの並列4気筒DOHCエンジンを搭載するロードスポーツモデルというカテゴリー以外は共通点は少ない。本項ではその両モデルについて述べる。

モデル一覧[編集]

Z1000A[編集]

Z1/Z900のマイナーチェンジとして1976年(1977年モデル)に発売された。エンジンの基本設計は同じだがボアアップ、クランクシャフト・クランクケースの強化などのブラッシュアップが施され、問題とされていたフレームにも強化が施された。それまで特徴とされていた4本マフラーが2本マフラーとなった点やリアブレーキのディスク化などが外観上の特徴である。車名はZ1000だが、まぎらわしいために型式を用いてZ1000Aと呼ばれることが一般化している。派生車種としてZ1-R、KZ1000LTD(クルーザー仕様)、アメリカのドラマ「白バイ野郎ジョン&パンチ」でおなじみのZ1000POLICE(”CHiPs“(California Highway Patrol)に代表される白バイ仕様)が存在する。

映画「マッドマックス」のジム・グースの愛機のベースになったことで有名である。

年表[編集]

  • Z1000-A1 / KZ1000-A1(1977年モデル)カラーバリエーションは、ワインレッド、ダイヤモンドスカイブルー。
  • Z1000-A2 / KZ1000-A2(1978年モデル)カラーバリエーションは、ルミナスレッド、グリーン、ブラック。フロントブレーキのリザーバータンクの形状の変更。フロントブレーキキャリパーのマウントがフォーク後部に変更。

1978年のモデルチェンジで名称変更を受け、以降はZ1000MKII (Z1000-A3 / KZ1000-A3) となる。

Z1000J[編集]

Z1000MKIIの後継機種として、1980年(1981年モデル)に発売された。1978年に発売のスズキ・GS1000に触発され、Z1以降の度重なる改良による肥大化を見直し、フレームは新設計、エンジンはベースは同じだが大規模なブラッシュアップが施された。車名、及びエンブレムはZ1000だが、型式がJであることやカタログにZ1000Jと表記されていることからZ1000Jと呼ばれることが一般化している。排気量はレースのレギュレーションに合わせて998ccとした。開発当初、1000ccを超える予定であった事もあり、姉妹車として1980年にZ1100GP(1981年モデル)が販売された。

AMAスーパーバイクシリーズでエディ・ローソンが1981,1982年に優勝したレーサーマシンのベースになったこと、同じくその優勝を記念して発売されたZ1000R、いわゆるローソンレプリカのベースになったことで有名である。

世界耐久選手権のTTF-1クラスで1981,1982年に優勝したKR1000のベースとなった。

年表[編集]

  • Z1000-J1/KZ1000-J1(1981年モデル)
  • Z1000-J2/KZ1000-J2(1982年モデル)- このモデルまで北米仕様はタンクが丸みを帯びた形状である。
  • Z1000-J3/KZ1000-J3(1983年モデル)- 電気式丸形スピードメーターから機械式一体型メーターに変更 北米(カナダでのみ販売)仕様も角タンクとなる。 

Z1000(2003年-2009年)[編集]

I型[編集]

2002年のインターモトミュンヘンで発表され、2003年モデルとして発売された。当時カワサキのリッタークラスのラインアップは、スーパースポーツ系でNinja ZX-9R、スタンダードスポーツ系でゼファー1100を擁していたが、これらとは異なる新しいカテゴリーのニューモデルとなった。

エンジンはNinja ZX-9Rをベースに開発され、車体系統はまったくの新設計となる。“スーパースポーツ系のエンジンをベースにしたリッタークラスのストリートスポーツ”という成り立ちは、2001年にデビューしたヤマハ・FZ1と共通している。

車名に「Z」を用いているものの、過去の特定のモデルをイメージしたものでは無く、デザインはむしろ前衛的で過去のどのモデルにも似せてないが、唯一片側2本ずつの4本出しマフラーが、かつてのZ1等を彷彿させるモチーフとなっている。開発段階ではザンザス900という車名でヤングマシン誌にスクープされていたが、空冷時代のZ1000の商標が期限切れになりそうだったため、商標を受け継ぎZ1000の車名で発表された。

輸出専用で日本仕様車は設定されてなかったが、ブライト社がマレーシア仕様を逆輸入し販売していた。

2003年モデル

マーケティングコードはZR1000-A1。カラーバリエーションは、パールブレイジングオレンジ、ライムグリーン、ブラックパールの3色となる。

2004年モデル

マーケティングコードはZR1000-A2。カラーバリエーションは、パッションレッド、パールブレイジングオレンジ、メタリックスパークブラックの3色。主要諸元に変更はない。

2005年モデル

マーケティングコードはZR1000-A3。カラーバリエーションは、メタリックスパークブラック、メタリックフラットローチタニウム、ライムグリーンの3色。主要諸元に変更はない。この年式以降イモビライザーが装備されている。

2006年モデル

マーケティングコードはZR1000A6F。カラーバリエーションは、キャンディフラットロープラズマブルー、メタリックスパークブラック、メタリックフラットローチタニウムの3色。主要諸元に変更はない。

II型

基本情報
排気量クラス 大型自動二輪車
メーカー カワサキ
車体型式 ZRT00B
エンジン ZRT00AE型 953 cm3 

水冷4ストローク並列4気筒DOHC16バルブ

内径×行程 / 圧縮比 __ × __ / __
最高出力 92kW 125PS/10,000rpm
最大トルク 98.7N・m 10.1 kgf・m/8,200rpm
テンプレートを表示

II型[編集]

5年目にしてフルモデルチェンジとなったII型は、インターモト2006(開催地はケルン)で発表され、2007年モデルとして発売された。デザインのイメージはI型から引き継がれたものの、車体はフレームを始め全てが新設計となった。エンジンはI型のものをベースとしており、エンジン型式はZRT00AEのまま。“片側2本ずつの4本出しマフラー”というスタイルも継承されるが、サイレンサー部分で上下が結合されているため、外観上はわかりにくくなっている。I型同様に日本仕様の設定はなく、引き続きブライト社による逆輸入販売が行われていた。

2007年モデル

マーケティングコードはZR1000B7F。カラーバリエーションは、パールワイルドファイアオレンジ、メタリックディアブロブラック、メタリックオーシャンブルーの3色。

2008年モデル

マーケティングコードはZR1000B8F。カラーバリエーションは、メタリックディアブロブラック、パールクリスタルホワイト、ライムグリーンの3色。主要諸元に変更はない。

2009年モデル

マーケティングコードはZR1000B9F。カラーバリエーションは、キャンディバーントオレンジ×メタリックディアブロブラック(ツートーン)、エボニー、パールクリスタルホワイト×アトミックシルバー(ツートーン)の3色。主要諸元に変更はない。

Z1000 D型(2010年-2013年)[編集]

フルモデルチェンジが行われ、ライトユニットが大型化、アンダーカウルが装備された。メーターパネルは液晶表示となった。

Z1000SX[編集]

2010年に日本国外モデルとして発売。欧州向けモデルにはZ1000SXとして発売され、東南アジア・北米向けにはニンジャ1000として発売される。

Z1000(2014年-)[編集]

2013年9月にティーザーサイトが開設され、“凄”のキーワードとともに新型Z1000のシルエットが公開された。同年11月に詳細が公開された。第43回東京モーターショーに出品されたZ1000は、ヘッドライトユニットが低めの位置となり光源にLEDが採用され、ハザードランプスイッチが初採用された。

2017年4月15日より日本国内仕様として Z1000 ABS (同年9月1日よりZ1000に名称変更[1])が発売された[2]

関連車種[編集]

姉妹車

外部リンク[編集]